スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

独習 こども性暴力防止法 | 第十九回 「疑い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順

「疑 い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順 この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 万が一、性暴力あるいは不適切な行為の疑いが出たときに 最優先すべきことは、まず子どもの安全 です。調査結果を待ってから動くのではなく、初期対応として接触回避や必要な保護・支援を先に考えます。 ガイドラインは、初期対応として、 発覚時の対応、一時的な接触回避、保護者への連絡・説明、関係機関との連携 を挙げています。 犯罪が疑われる場合はもちろん、 性暴力かどうか判断に迷う場合でも、早期に警察へ相談することが適切 とされています。 不適切な行為と思われる場合でも、扱いを軽くして良い理由にはなりません。後の事実確認の中で性暴力が発覚する場合があるからです。 シリーズ19回目の本稿では、疑いが出たときの初期対応を扱います。事案発生後の対応の流れ全体としては、初期対応の後に「調査」や「評価」が続きますが、今回はまず疑いが出た直後にすべきことに焦点を当てます。 なお言うまでもないことですが、このような対応が一度も必要にならないことが最善です。ただし、何事にも絶対はなく、万一疑いが出たときに子どもを守る行動に遅れが生じないよう、事業者としてここはしっかり整理しておきたいです。 ガイドラインより抜粋 初期対応と調査は、分けて考える必要がある 児童対象性暴力等の疑いが生じた場合には、被害を受けた児童等の心身の安全を確保することが、何よりも優先されなければいけません。そのうえで初期対応、つまり、(対象児童と疑いのある従事者との)一時的な接触の回避、保護者への連絡・説明、関係機関等との連携などの対策を講じます。 つまり、なんらかの「調査」行動してから取るべき対応を決めるのではなく、まず疑いのある状況を放置しないこと、子どもを守ること、そして後に続く調査に資するような情報を損なわないこと、を念頭に置いて動くということです。 まず優先するのは子どもの安全、そして証拠保全 初期対応で最初に考えるべきことは、被害が疑われる児童等と、加害が疑われる者をどう接触させないかです。ガイドラインにおいても、接触回避が明示されています。少なくとも、このまま普段どおり支援を続けてよいか、という選択肢はありません。 同時に、証拠や記録を保全することも重要です。ガイドラインは、繰り返しの聴き取...

独習 こども性暴力防止法 | 第十八回 職員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える

職 員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 研修や教育啓発活動が意味するところは、職員に「何が危ないか」「何が不適切か」という レッドラインがどこにあるのか? を意識させ、また、児童や保護者に「嫌なことは嫌と言ってよい」「相談してよい」という 心の拠り所の存在を伝える 、そういった働きかけを通じて、 精神的な未然防止の柱を打ち立てる ことを意味します。 そのため、従事者研修で大切なのは、知識を得るだけではなく、日々の支援のどんなシーンにリスクが潜むかを自分事として理解させることです。標準研修や要点研修に加え、 必要に応じて独自の研修を行い 、自分たちの日々の振り返りも必要になってきます。 児童や保護者への教育啓発も重要です。特に、児童は発達段階や特性によって被害を被害と認識しにくい場合があるため、年齢や特性に応じた伝え方が必要です。特に 障害福祉の現場では、一般的な説明をそのまま流すだけでは足りない 場面も想定されますので、短文、イラスト、感覚を使った説明など、伝え方を工夫する必要があります。 また、これらの働きかけはどこかのタイミングで一度実施して終わり、ではなく、入職時、日々の振り返り、保護者との日常的な接点の中で、 繰り返し理解を定着させる ことが重要です。 シリーズ18回目の本稿では、未然防止のうち「従事者研修」と「児童等・保護者への教育啓発」を扱います。前回は、施設・事業所環境というハード面・ルール面を見てきましたが、今回は、実際に人が理解し、こども性暴力防止への心構えをどう育てていくか、そしてその理解を事業所全体の未然防止にどうつなげるかを考えます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 従事者研修で伝えるべきことは何か ガイドライン原文では様々なことが詳細に記述されていますが、実務の観点から3つの軸に整理します。 ...

独習 こども性暴力防止法 | 第十七回 施設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは

施 設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 施設・事業所環境の整備というと真っ先に監視カメラのことを思い出しますが、それだけにとどまる話ではありません。周囲から見えにくい場所、密室化しやすい利用シーン、1対1の関係が定常的に発生する場面を事業所としてどう扱うか、という観点で 支援環境を見直す話で す。。 基本的に、ガイドラインは 他の児童や従事者の目が行き届きにくい環境を可能な限り減らしていく ことを重視しています。つまり各事業所には環境整備を通じて、性暴力等が起きにくい状態を平時から作るための努力を行ってほしい、というメッセージです。 設備を充実させることはもちろんですが、同様に、 設備と運用をどう組み合わせ 、いかにこれらの効果を発揮させるか、を検討することも大切と言えます。 個別支援、送迎、着替え、トイレ、入浴介助に近い場面など、事業所ごとに危ない場面を洗い出す必要があります。 障害児(者)福祉は、その性質上一対一のサービス提供を行う場面が相当数想定されます。ただ、「うちは個別対応が多い業態だから対応は無理だ」で終わらせず、たとえ1対1になる場面でも、情報共有や見守りの工夫など、歯止めをかける設計を考えることが求められています。 シリーズ17回目の本稿では、安全確保措置のうち「未然防止」のテーマから「施設・事業所環境の整備」を見ていきます。ここで大事なのは、 環境整備を設備の話に矮小化しない ことです。こども性暴力防止法が求めているのは、性暴力等が起こった後の証拠保全(映像・音声・記録等)だけではなく、そもそも起こりにくい環境を平時から作ることです。 ガイドラインより抜粋 施設・事業所環境の整備は、なぜ未然防止になるのか こどもへの性暴力は、支配性、継続性、閉鎖性のある関係の中で起こりやすいというのが、この制度全体の前提です。環境整備が重要なのは、このうち特に「閉鎖性」に直結する要素を含んでいるからです。人目につきにくい場所や、特定の職員と利用児童が2人きりになりやすい場面、周囲から様子が見えにくい部屋の配置やサービス提供の動線が多いほど、そのおそれは高まります。 性暴力を起こしにくくし、 仮に誰かが逸脱しようとしても、その行動に歯止めがかかる状態を作る方法論 として環境整備があ...

独習 こども性暴力防止法 | 第十六回 安全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する

安 全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 安全確保措置とは 、性暴力に繋がりうるような事態が起こりにくい環境を日頃からつくり、兆候があればいち早く気づき、利用者からの相談があればこれを受け止め、必要に応じて初動対応や調査につなぐ 一連の仕組みのこと です。 事業者がまず考えるべきことは大きく三つあり、すなわち、 未然防止、早期把握、疑いが出た後の対応 、となります。 犯罪事実確認も広い意味では安全確保措置の一つ です。特定性犯罪事実に該当する人間は性暴力につながる「おそれ」を有すると認められるため、このような人物を子どもと1対1にさせないことは、まさに安全確保措置の一環と言えます。 ただし、本稿では、事業所運営の中で 日々行う必要のある安全確保措置 について、制度の全体像を踏まえて俯瞰します。下図の通り、 犯罪事実確認と(日常業務における)安全確保措置とが両輪となって性暴力につながり得る「おそれ」を検知し、適切な対応を取る ことが広い意味での安全確保措置であり、まさに事業者に求められる対応のあり方といえます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 安全確保措置とは、何を防ぐための仕組みか 安全確保措置は「なにか問題が起きたら、しかるべき当局へ報告する」制度ではなく、そもそも、こどもへの性暴力等を起こさせなくし、仮にそのおそれや疑いが出た場合には、いち早くこれに気づき、即座に行動を起こすための仕組みです。ガイドラインでも、未然防止のために日頃から行うべきこと、早期把握のための措置、相談しやすい仕組み、疑いが出た場合の初期対応と調査が、順を追って整理されています。 障害福祉の現場で言えば、これは 「ルールを作って終わり」でも、「事件になってから動くもの」でもありません 。日々の支援の中で、こどもと職員の関係、保護者との接点、相談の受け皿、記...

独習 こども性暴力防止法 | 第十五回 犯罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか

犯 罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 犯罪事実確認の結果、「 特定性犯罪事実に該当あり 」となった場合でも、即座にその情報が事業者もたらされるわけではありません。 まず本人に通知 され、訂正請求期間が設けられます。 本人が訂正請求をしないまま2週間が経過した場合、または訂正請求をしない意思表示をした場合には、事業者へその旨確認の結果が伝達されます。 事業者が結果を受け取った後も、 それだけで一律に解雇という話ではありません 。まずは原則として、対象業務に従事させない方向で防止措置を検討することになります。 もっとも、 事前に誓約書や就業規則 を整備していた場合には、後から判明した前科は 「重要な経歴詐称」として問題になります 。現職者なら懲戒、新規採用者なら内定取消しや試用期間中の解雇が論点になります。 シリーズ15回目の本稿では、犯罪事実確認の結果、特定性犯罪事実該当者であることが判明した場合に、障害福祉サービス事業者がどう動くべきかを整理します。ここは前回の記事で解説した、誓約書や就業規則等の内規をこども性暴力防止法に合わせてアップデートしていたかどうか、が多分に影響する論点です。 ガイドラインより抜粋 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 事業者に結果が届くまでの流れ まず知っておくべきは、確認の対象となった従事者について特定性犯罪前科がある場合でも、事業者が最初にそれを知るわけではないという点です。事業者が先に結果を見て本人へ伝える仕組みではなく、まず申請従事者本人に対して犯罪事実確認書の記載内容が通知されます。通知後2週間は、訂正請求や中止要請を行うことができる期間とされており、その間は事業者へ確認結果は交付されません。 この2週間が実務上重要なのは、単に訂正の機会だからだけではありません。 本人がその間に内定辞退や自主退職...

独習 こども性暴力防止法 | 第十四回 こども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理

こ ども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理 この記事は約3分で読めます。 ※本記事は、個別具体的な就業規則の法的有効性そのものを判定するものではありません。実際の就業規則の法的な有効性の確認については、社会保険労務士または弁護士へご相談ください。本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料、参考資料等の一次資料に基づく情報提供を目的としています。 お急ぎの方、ここだけは読んでください こども性暴力防止法に対応した就業規則、という観点で見た場合、新たに追加が必要となる点として、 対象業務従事者の範囲、禁止行為、不適切な行為、報告義務、犯罪事実確認への協力義務、これらに反した場合の懲戒事由の整理 、等が挙げられます。 就業規則参考例は公表されていますが、 大事なのはその文言をそのまま写すことではありません 。参考例が示している論点、つまり何を就業規則に定めておかないと法対応や現場運用で困るのかを理解し、 自事業所の就業規則に自事業所の視点をもって漏れなく落とし込む ことが重要です。 施行日を待ってから動くのでは遅く 、ガイドラインは施行前からあらかじめ定めておくべき事項を整理しています。 以上のように、ガイドラインが求めているのは就業規則を通じて、教育・保育等を提供する場で、 何をしてはならないのか、誰が対象なのか、問題が起きたときにどう報告し、どの手続に応じるのか、といった事業者の内部ルールを前もって整えておく ことです。 シリーズ14回目の本稿では、こども性暴力防止法の施行に先立って、障害福祉サービス事業者が整備しておくべき「2026年12月25日以降の就業規則」の要点を見ていきます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 従来の就業規則のままでは足りない理由 これまでの就業規則であっても、服務規律や懲戒事由はもちろん記載があります。ですが、こども性暴力防止法の下では、それだけでは足りません。...

独習 こども性暴力防止法 | 第十三回 求人票・誓約書・内定通知書はどう見直すか|採用前に事業者が整備すべきこと

求 人票・誓約書・内定通知書はどう見直すか|採用前に事業者が整備すべきこと この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 犯罪事実確認を滞りなく進めることはもちろん大切です。しかし、各事業者が新たに従事者を雇い入れるにあたっては、こども性暴力防止法の導入に伴い一連の 「準備体制」を整えておくことが求められます。 たとえばガイドラインでは、採用募集要項や求人票に載せる 採用条件として、特定性犯罪前科がない人物であることを記し 、あわせて誓約書や履歴書等を通じて、その有無を 候補者本人から書面を通じて確認 しておくことを求めています。 特に重要なのは誓約書です。採用時に特定性犯罪の前科の有無を確認していた事実がなければ、後から犯罪事実確認で前科が判明しても、「重要な経歴詐称」として扱いにくくなる場合があります。 「重要な経歴詐称」があったと証明できなければ、内定取消しなどの対応を取る際に、法的に問題となる 場合があります。 内定通知書も大切です。内定通知書には「あなたを採用します」だけでなく、「ただし、採用条件に関わる重要事項について虚偽申告があり、それが後に判明した場合には、内定を取り消すことがあります」という前提も書いておく、ということです。 特定性犯罪前科の有無は、まさにその重要事項 に当たります。 このように、求人票、誓約書、内定通知書は 万が一の場合に事業者を守る ための法的な下地になるということです。 シリーズ13回目の本稿では、求人票・募集要項、誓約書、内定通知書という、採用前後の書類に何を織り込むべきかを整理します。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 求人票・募集要項では何を書くのか ここでの主眼は採用条件を明示することにあります。つまり、対象業務従事者となる職種については、 特定性犯罪前科がないことが採用条件であることを明記 するということです。 障害福祉事業者の実務で言えば、児童発達支援...

独習 こども性暴力防止法 | 第十二回 新規採用者の犯罪事実確認が従事開始までに終わらないとき|いとま特例の考え方

新 規採用者の犯罪事実確認が従事開始までに終わらないとき|いとま特例の考え方 この記事は約5分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 新規採用者の犯罪事実確認は、原則として内定・内示等から従事開始までに終える必要があります。 日本国籍者でも2週間~1か月程度、外国籍者では1か月~2か月程度 かかるため、 採用即対象業務に従事、はできなくなります 。 上記の従事前の確認が間に合わない場合の例外対応が、 いとま特例 です。ただし、これは「使えれば便利な抜け道」ではなく、急な欠員等のため真に必要な場合に限られるものです。 いとま特例を使っても、 確認が済むまでは原則としてこどもと1対1にさせない 必要があります。ここが最大のポイントです。 小規模の障害福祉事業者ほど、いとま特例は かえって運営を難しくさせる ことがあります。使わずに済むよう、採用時期と配置時期を前倒しで設計することが大切です。 シリーズ12回目の本稿では、採用前に犯罪事実確認が終わらないとき、何が起こるのか、いとま特例とは何か、そして小規模な障害福祉の現場で最も重い制約となるであろう「原則こどもと1対1にできない」という点を中心に見ていきます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 大原則|新規採用者は従事開始までに確認する まず大前提を押さえます。新規採用・配置転換に係る犯罪事実確認の期限は、「内定・内示等から従事開始まで」です。つまり、採用が決まり、対象業務に入るまでの間に確認を終えるのが原則です。どこまで行っても、本法が施行された以上これが原点にして頂点です。 ここで注意したいのは、犯罪事実確認申請を行ってから回答が返ってくるまでの標準処理期間です。ガイドラインでは、日本国籍者で2週間~1か月程度、外国籍者で1か月~2か月程度と示されています。障害福祉事業者の感覚で言えば、「人が足りないから急いで採ったのに、、」という採用実務と、この制度は噛み合わな...

独習 こども性暴力防止法 | 第十一回 現職者の犯罪事実確認はどう進めるか|施行時現職者・期限・分散申請の考え方

現 職者の犯罪事実確認はどう進めるか|施行時現職者・期限・分散申請の考え方 この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 義務対象事業者の「施行時現職者」とは、令和8年12月25日時点で対象業務に従事している者だけではなく、 同年12月24日以前に内定・内示などが出されている者も現職者の扱い となります。 義務対象事業者の施行時現職者に対する犯罪事実確認は、施行から3年以内に行う必要がありますが、 施行日に全員に対して一斉確認が行われるわけではありません 。 現職者確認は、 令和9年4月以降、事業者ごとに確認手続を行う期間が通知される 方式です。 一方、認定対象事業者の認定時現職者については、 認定日から1年以内に確認が必要 です。 現職者確認では、単に「今働いている人」だけに着目するのでは不十分です。 いったん現場を離れた人を、離職者として扱うのか、それとも継続関係にある現職者として扱うのか、 についても整理が必要です。 シリーズ第11回目の本稿では、施行時現職者の考え方、確認完了までの期限、分散方式による確認申請、そして離職との関係についてを整理します。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 施行時現職者とは誰を指すのか まず当然のことながら、 令和8年12月25日の法施行日の時点で、犯歴確認が必要とされる対象業務に就いている従業員 の方が該当します。さらに、 12月24日以前に内定・内示などが出された新規採用の従事者 についても現職者扱いとなります。 一方、12月25日以降に内定・内示などが出された従事者は、新規採用者として扱われます。 障害福祉事業者の感覚で言い換えると、令和8年12月25日の時点で既に働いている職員はもちろん、4月採用予定などで既に内定通知を出している人も、法の整理では「施行時現職者」に入ります。 期限は「施行日直後」ではなく「施行から3年以内」 現職者確認の期限は、義務対象事業者...

独習 こども性暴力防止法 | 第十回 犯罪事実確認とは何か|制度の全体像を障害福祉事業者向けに整理する

犯 罪事実確認とは何か|制度の全体像を障害福祉事業者向けに整理する この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 犯罪事実確認によって「該当あり」とされるのは、こどもと接する業務の従事者について、過去の犯罪歴、それも 単なる「前科一般」ではなく 、 特定性犯罪 を行った者のうち、法で定められた期間内に(いまだ)ある特定性犯罪事実該当者です。 この制度を実施するに当たって、障害福祉サービスを念頭に置けば、障害児(者)福祉事業者、従業員本人、こども家庭庁、法務省、こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)など、多くの人や組織体が関わっています。 犯罪事実の確認を行うタイミング・対象としては: 現職者 令和8年12月25日時点で対象業務に従事している者、及び同年12月24日以前に内定・内示などが出されている者 新規雇用者 令和8年12月25日以降に内定・内示などが出され、対象業務に新たに従事する者 定期確認対象 犯罪事実確認を行った従事者について、その後5年ごとに行う再確認時期が回ってきた者 前回は、責任者と内部体制をどう整えるかを見ました。そこでは、情報管理責任者や相談・報告・初期対応の旗振り役をどう置くかという、事業所側の準備を整理しました。 シリーズ10回目の本稿では、本法の取り組みにおいて最も人々の耳目を集めているであろう、犯罪事実確認制度について見ていきます。キャッチーな言葉でもあり広く知られやすい部分ですが、多くの論点を含んでいます。 そこで本稿では、細かな点まで一気に深掘りするのではなく、まずは何を確認する制度なのか、誰がどう関わるのか、どのタイミングで必要になるのかという全体像を押さえます。 犯罪事実確認とは何を確認する制度なのか 今後事業者は、こどもと接する業務の従事者について、雇入れや配置転換の際、過去の性犯罪歴の確認が必要となります。ただしここでいう「性犯罪歴」は何でもよいわけではありません。 以下の図は「特定性犯罪事実」に該当する要件をまとめたものです。 刑の類型 確認対象期間 特定性犯罪について 拘禁刑の裁判が確定 執行終了等から20年 経過していない 拘禁刑の執行猶予判決が確定し 確定から10年 罰金刑の裁判が確定 執行終了等から10年 このように、こどもと接する業務に就く従事者について、法が定める特定の性犯罪に...