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独習 こども性暴力防止法 | 障害福祉事業者向け解説記事まとめ

こ ども性暴力防止法|障害福祉事業者向け解説記事まとめ 初めてこども性暴力防止法について情報収集を行う方は、まず 第1回〜第5回 をご覧ください。その後、必要に応じて 犯罪事実確認 、 安全確保措置 、 情報管理・監督対応 の各記事をお読みいただくことをおすすめいたします。 まず最初に読む記事 第一回 こども性暴力防止法とは何か|障害福祉事業者が最初に押さえるべき制度の全体像 第二回 学校だけの法律ではない|障害福祉事業者に関係する理由 第三回 義務対象事業者と認定対象事業者は何が違うのか|障害福祉サービス事業者視点より 第四回 施行までに「いつまでに何を」やるのか|12月25日から逆算する全体スケジュール 第五回 障害児(者)福祉サービス事業者が施行までにやるべき5つの作業カテゴリーを整理する 犯罪事実確認の実務 第六回 こまもろうシステム利用前に押さえるべきアカウントと権限の基本 第七回 犯歴確認の対象従事者は誰か|障害児(者)福祉サービスの現場では 第十回 犯罪事実確認とは何か|制度の全体像を障害福祉事業者向けに整理する 第十一回 現職者の犯罪事実確認はどう進めるか|施行時現職者・期限・分散申請の考え方 第十二回 新規採用者の犯罪事実確認が従事開始までに終わらないとき|いとま特例の考え方 第十五回 犯罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか ルール整備・未然防止・初期対応 第八回 不適切な行為の範囲をどう定めるか|障害福祉事業者が言語化しておくべき線引き 第九回 責任者と内部体制をどう整えるか|障害福祉事業者の現実的な組み立て方 第十三回 求人票・誓約書・内定通知書はどう見直すか|採用前に事業者が整備すべきこと 第十四回 こども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理 第十六回 安全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する 第十七回 施設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは 第十八回 職員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える 第十九回 「疑い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順 第二十回 調査と調査後対...

独習 こども性暴力防止法 | 第二十二回 こども性暴力防止法における「監督・報告・立入検査」に備えて残すべき記録とは

こ ども性暴力防止法における「監督・報告・立入検査」に備えて残すべき記録とは この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 民間の放課後等デイサービスや児童発達支援は、犯罪事実確認実施者等として、自ら犯罪事実確認を行う 立場にあります。これに対し、公立の指定障害児通所支援事業では、都道府県又は市区町村が犯罪事実確認実施者等になります。 帳簿は原則としてこまもろうシステムを通じて作成・保存 され、犯罪事実確認の定期報告もシステム利用が前提です。 ただし、立入検査はシステム上でのデータ確認だけでなく、 帳簿、書類その他の物件まで検査対象 になり得ます。 そのため、平時から必要なのは、システムへの入力だけではありません。規程、実施記録、周知の痕跡まで含めて、 「実際にこども性暴力防止対策を実施している」と示せる状態を作っておく ことが重要です。 シリーズ第22回目の本稿では、法の定める監督、定期報告、立入検査にどう備えるかを考えます。ここは制度の仕組み自体がかなり複雑ですが、障害福祉事業者の実務として押さえるべき点にフォーカスします。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 民間の児発・放デイは、自ら犯罪事実確認を行う立場にある 民間の放課後等デイサービスや児童発達支援では、事業者自ら犯罪事実確認を行う必要があります。これに対し、公立の指定障害児通所支援事業では、都道府県又は市区町村が犯罪事実確認実施者等になります。もっとも、この制度は、犯罪事実確認さえ終えれば足りるものではありません。 定期報告や監督の対象になるのは、犯罪事実確認の実施状況だけではなく、安全確保措置や情報管理措置の実施状況も含まれます。つまり、日頃の面談、アンケート、相談対応、研修、報告ルールの周知、情報管理などについても、後から確認を受けることを前提にしておく必要があります。平時から必要な措置を実際に回し、その内容を後から示せるように、規程、...

独習 こども性暴力防止法 | 第二十一回 障害児(者)福祉事業所では、情報管理措置は「見せない・残さない・広げない」を基本にする

障 害児(者)福祉事業所では、情報管理措置は「見せない・残さない・広げない」を基本にする この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 本稿で扱う「セキュリティ」の意味するところは、一般的な情報セキュリティ論ではなく、 犯罪事実確認書やその内容に係る記録をどう管理するか という話です。 犯罪事実確認情報については、原則、こまもろうシステム上で閲覧・確認することを主とし、 事業所が管理するExcel台帳や、メモ書き、人事資料などに転記・転載を行わないこと が推奨されます。 小規模の障害福祉事業所では、権限を細かく分けて「情報漏洩をどう防ぐか」を考えることより、 そもそも触れる人を増やさない方が実務に合う でしょう。 目的外利用や第三者提供は禁止され、漏えい等の重大事態があれば、こども家庭庁への報告が必要です。場合によっては、刑事罰の対象、あるいは民事上の問題になり得ます。 犯罪事実確認に関する情報は、それほどの重大性をもっています 。 シリーズ第21回目の本稿では、情報管理措置について見ていきます。この取り組みを一言で表すと、犯歴に関する極めて機微性の高い情報を、必要最小限の人だけが、情報を広げない形で扱うためのルールづくり、と言えます。 情報管理措置の出発点は、情報を増やさないこと ガイドラインは、こまもろうシステムにログインすれば期限内はいつでも閲覧できることを前提に、情報の転記等による電子ファイルや紙の記録・保存・伝達・利用は極力行わないとしています。 実務上注意したいのは、「確認結果を見やすくまとめた別表」が、新たな管理対象になり得ることです。人事台帳、一覧表、メモ、紙の引継ぎ資料に内容を書けば、それは犯罪事実確認情報と同様の機微性を持つことになり、情報が複製されたことでその分だけ漏えい経路も増えます。逆にいえば、こまもろうシステム上で確認し、別記録を増やさない運用は、それだけで大きな情報管理措置になります。行政側が責任者一人のみ・システム上のみで当該情報を確認する形を推奨するのは、この発想に沿っています。 なお、いずれの従事者の犯罪事実確認が完了したかどうか、という確認作業の進捗を管理するための情報は、上記漏洩防止の対象とはなりません。 事業者はまず「誰が見るか」を決めてください 障害福祉の小規模事業所においては、情報へのアクセス制限に...

独習 こども性暴力防止法 | 第二十回 調査と調査後対応をどう進めるか|障害児(者)福祉事業者の視点より

調 査と調査後対応をどう進めるか|障害児(者)福祉事業者の視点より この記事は約5分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 児童対象性暴力あるは不適切な行為の疑いを把握した場合、初期対応の次に行うのが調査です。しかし、調査は「誰を処分するか」をこの段階で決めるために行うというより、 児童対象性暴力等があったと合理的に認められるかを判断するための過程 です。まず客観証拠を保全し、必要な聴き取りを行い、その時点で集まった情報で評価します。 聴き取りは、 たくさん聞けばよいわけではありません 。児童への繰り返しの聴き取りは、二次被害や記憶の汚染につながり得るため、犯罪が疑われる場合や判断に迷う場合は、警察や専門家と連携しながら進める必要があります。 調査の後に行うべきは、防止措置だけではありません 。事案に対する対応方針を決め、被害児童等とその保護者への支援、必要に応じた他の児童や保護者・職員への対応、そして再発防止策の検討まで行います。 障害福祉施設等では、こども性暴力防止法に基づく対応に加えて、 障害者虐待防止法に基づく対応も並行して整理する必要 があります。 性暴力があったと評価できなかった場合でも、そこで終わりではありません。疑いが生じた事実自体を重く受け止め、支援のあり方の見直し、死角の解消、再度の研修を通じた制度理解の徹底など、再発防止を検討する必要があります。 シリーズ20回目の本稿では、初期対応の後に続く「調査」と「調査を踏まえた対応」を扱います。前回は、疑いが出た直後にまず何を守るかを見ましたが、今回はその後に何を確認し、どう評価し、その結果をどう支援や再発防止につなげるか、という一連の流れを見ます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 調査は何のために行うのか 調査の目的は、児童対象性暴力等が行われたと合理的に認められるかどうかを判断することです。ガイドラインは、十分な情報が集まった場合や、これ以上の...

独習 こども性暴力防止法 | 第十九回 「疑い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順

「疑 い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順 この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 万が一、性暴力あるいは不適切な行為の疑いが出たときに 最優先すべきことは、まず子どもの安全 です。調査結果を待ってから動くのではなく、初期対応として接触回避や必要な保護・支援を先に考えます。 ガイドラインは、初期対応として、 発覚時の対応、一時的な接触回避、保護者への連絡・説明、関係機関との連携 を挙げています。 犯罪が疑われる場合はもちろん、 性暴力かどうか判断に迷う場合でも、早期に警察へ相談することが適切 とされています。 不適切な行為と思われる場合でも、扱いを軽くして良い理由にはなりません。後の事実確認の中で性暴力が発覚する場合があるからです。 シリーズ19回目の本稿では、疑いが出たときの初期対応を扱います。事案発生後の対応の流れ全体としては、初期対応の後に「調査」や「評価」が続きますが、今回はまず疑いが出た直後にすべきことに焦点を当てます。 なお言うまでもないことですが、このような対応が一度も必要にならないことが最善です。ただし、何事にも絶対はなく、万一疑いが出たときに子どもを守る行動に遅れが生じないよう、事業者としてここはしっかり整理しておきたいです。 ガイドラインより抜粋 初期対応と調査は、分けて考える必要がある 児童対象性暴力等の疑いが生じた場合には、被害を受けた児童等の心身の安全を確保することが、何よりも優先されなければいけません。そのうえで初期対応、つまり、(対象児童と疑いのある従事者との)一時的な接触の回避、保護者への連絡・説明、関係機関等との連携などの対策を講じます。 つまり、なんらかの「調査」行動してから取るべき対応を決めるのではなく、まず疑いのある状況を放置しないこと、子どもを守ること、そして後に続く調査に資するような情報を損なわないこと、を念頭に置いて動くということです。 まず優先するのは子どもの安全、そして証拠保全 初期対応で最初に考えるべきことは、被害が疑われる児童等と、加害が疑われる者をどう接触させないかです。ガイドラインにおいても、接触回避が明示されています。少なくとも、このまま普段どおり支援を続けてよいか、という選択肢はありません。 同時に、証拠や記録を保全することも重要です。ガイドラインは、繰り返しの聴き取...

独習 こども性暴力防止法 | 第十八回 職員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える

職 員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 研修や教育啓発活動が意味するところは、職員に「何が危ないか」「何が不適切か」という レッドラインがどこにあるのか? を意識させ、また、児童や保護者に「嫌なことは嫌と言ってよい」「相談してよい」という 心の拠り所の存在を伝える 、そういった働きかけを通じて、 精神的な未然防止の柱を打ち立てる ことを意味します。 そのため、従事者研修で大切なのは、知識を得るだけではなく、日々の支援のどんなシーンにリスクが潜むかを自分事として理解させることです。標準研修や要点研修に加え、 必要に応じて独自の研修を行い 、自分たちの日々の振り返りも必要になってきます。 児童や保護者への教育啓発も重要です。特に、児童は発達段階や特性によって被害を被害と認識しにくい場合があるため、年齢や特性に応じた伝え方が必要です。特に 障害福祉の現場では、一般的な説明をそのまま流すだけでは足りない 場面も想定されますので、短文、イラスト、感覚を使った説明など、伝え方を工夫する必要があります。 また、これらの働きかけはどこかのタイミングで一度実施して終わり、ではなく、入職時、日々の振り返り、保護者との日常的な接点の中で、 繰り返し理解を定着させる ことが重要です。 シリーズ18回目の本稿では、未然防止のうち「従事者研修」と「児童等・保護者への教育啓発」を扱います。前回は、施設・事業所環境というハード面・ルール面を見てきましたが、今回は、実際に人が理解し、こども性暴力防止への心構えをどう育てていくか、そしてその理解を事業所全体の未然防止にどうつなげるかを考えます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 従事者研修で伝えるべきことは何か ガイドライン原文では様々なことが詳細に記述されていますが、実務の観点から3つの軸に整理します。 ...

独習 こども性暴力防止法 | 第十七回 施設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは

施 設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 施設・事業所環境の整備というと真っ先に監視カメラのことを思い出しますが、それだけにとどまる話ではありません。周囲から見えにくい場所、密室化しやすい利用シーン、1対1の関係が定常的に発生する場面を事業所としてどう扱うか、という観点で 支援環境を見直す話で す。。 基本的に、ガイドラインは 他の児童や従事者の目が行き届きにくい環境を可能な限り減らしていく ことを重視しています。つまり各事業所には環境整備を通じて、性暴力等が起きにくい状態を平時から作るための努力を行ってほしい、というメッセージです。 設備を充実させることはもちろんですが、同様に、 設備と運用をどう組み合わせ 、いかにこれらの効果を発揮させるか、を検討することも大切と言えます。 個別支援、送迎、着替え、トイレ、入浴介助に近い場面など、事業所ごとに危ない場面を洗い出す必要があります。 障害児(者)福祉は、その性質上一対一のサービス提供を行う場面が相当数想定されます。ただ、「うちは個別対応が多い業態だから対応は無理だ」で終わらせず、たとえ1対1になる場面でも、情報共有や見守りの工夫など、歯止めをかける設計を考えることが求められています。 シリーズ17回目の本稿では、安全確保措置のうち「未然防止」のテーマから「施設・事業所環境の整備」を見ていきます。ここで大事なのは、 環境整備を設備の話に矮小化しない ことです。こども性暴力防止法が求めているのは、性暴力等が起こった後の証拠保全(映像・音声・記録等)だけではなく、そもそも起こりにくい環境を平時から作ることです。 ガイドラインより抜粋 施設・事業所環境の整備は、なぜ未然防止になるのか こどもへの性暴力は、支配性、継続性、閉鎖性のある関係の中で起こりやすいというのが、この制度全体の前提です。環境整備が重要なのは、このうち特に「閉鎖性」に直結する要素を含んでいるからです。人目につきにくい場所や、特定の職員と利用児童が2人きりになりやすい場面、周囲から様子が見えにくい部屋の配置やサービス提供の動線が多いほど、そのおそれは高まります。 性暴力を起こしにくくし、 仮に誰かが逸脱しようとしても、その行動に歯止めがかかる状態を作る方法論 として環境整備があ...

独習 こども性暴力防止法 | 第十六回 安全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する

安 全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 安全確保措置とは 、性暴力に繋がりうるような事態が起こりにくい環境を日頃からつくり、兆候があればいち早く気づき、利用者からの相談があればこれを受け止め、必要に応じて初動対応や調査につなぐ 一連の仕組みのこと です。 事業者がまず考えるべきことは大きく三つあり、すなわち、 未然防止、早期把握、疑いが出た後の対応 、となります。 犯罪事実確認も広い意味では安全確保措置の一つ です。特定性犯罪事実に該当する人間は性暴力につながる「おそれ」を有すると認められるため、このような人物を子どもと1対1にさせないことは、まさに安全確保措置の一環と言えます。 ただし、本稿では、事業所運営の中で 日々行う必要のある安全確保措置 について、制度の全体像を踏まえて俯瞰します。下図の通り、 犯罪事実確認と(日常業務における)安全確保措置とが両輪となって性暴力につながり得る「おそれ」を検知し、適切な対応を取る ことが広い意味での安全確保措置であり、まさに事業者に求められる対応のあり方といえます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 安全確保措置とは、何を防ぐための仕組みか 安全確保措置は「なにか問題が起きたら、しかるべき当局へ報告する」制度ではなく、そもそも、こどもへの性暴力等を起こさせなくし、仮にそのおそれや疑いが出た場合には、いち早くこれに気づき、即座に行動を起こすための仕組みです。ガイドラインでも、未然防止のために日頃から行うべきこと、早期把握のための措置、相談しやすい仕組み、疑いが出た場合の初期対応と調査が、順を追って整理されています。 障害福祉の現場で言えば、これは 「ルールを作って終わり」でも、「事件になってから動くもの」でもありません 。日々の支援の中で、こどもと職員の関係、保護者との接点、相談の受け皿、記...

独習 こども性暴力防止法 | 第十五回 犯罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか

犯 罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 犯罪事実確認の結果、「 特定性犯罪事実に該当あり 」となった場合でも、即座にその情報が事業者もたらされるわけではありません。 まず本人に通知 され、訂正請求期間が設けられます。 本人が訂正請求をしないまま2週間が経過した場合、または訂正請求をしない意思表示をした場合には、事業者へその旨確認の結果が伝達されます。 事業者が結果を受け取った後も、 それだけで一律に解雇という話ではありません 。まずは原則として、対象業務に従事させない方向で防止措置を検討することになります。 もっとも、 事前に誓約書や就業規則 を整備していた場合には、後から判明した前科は 「重要な経歴詐称」として問題になります 。現職者なら懲戒、新規採用者なら内定取消しや試用期間中の解雇が論点になります。 シリーズ15回目の本稿では、犯罪事実確認の結果、特定性犯罪事実該当者であることが判明した場合に、障害福祉サービス事業者がどう動くべきかを整理します。ここは前回の記事で解説した、誓約書や就業規則等の内規をこども性暴力防止法に合わせてアップデートしていたかどうか、が多分に影響する論点です。 ガイドラインより抜粋 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 事業者に結果が届くまでの流れ まず知っておくべきは、確認の対象となった従事者について特定性犯罪前科がある場合でも、事業者が最初にそれを知るわけではないという点です。事業者が先に結果を見て本人へ伝える仕組みではなく、まず申請従事者本人に対して犯罪事実確認書の記載内容が通知されます。通知後2週間は、訂正請求や中止要請を行うことができる期間とされており、その間は事業者へ確認結果は交付されません。 この2週間が実務上重要なのは、単に訂正の機会だからだけではありません。 本人がその間に内定辞退や自主退職...

独習 こども性暴力防止法 | 第十四回 こども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理

こ ども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理 この記事は約3分で読めます。 ※本記事は、個別具体的な就業規則の法的有効性そのものを判定するものではありません。実際の就業規則の法的な有効性の確認については、社会保険労務士または弁護士へご相談ください。本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料、参考資料等の一次資料に基づく情報提供を目的としています。 お急ぎの方、ここだけは読んでください こども性暴力防止法に対応した就業規則、という観点で見た場合、新たに追加が必要となる点として、 対象業務従事者の範囲、禁止行為、不適切な行為、報告義務、犯罪事実確認への協力義務、これらに反した場合の懲戒事由の整理 、等が挙げられます。 就業規則参考例は公表されていますが、 大事なのはその文言をそのまま写すことではありません 。参考例が示している論点、つまり何を就業規則に定めておかないと法対応や現場運用で困るのかを理解し、 自事業所の就業規則に自事業所の視点をもって漏れなく落とし込む ことが重要です。 施行日を待ってから動くのでは遅く 、ガイドラインは施行前からあらかじめ定めておくべき事項を整理しています。 以上のように、ガイドラインが求めているのは就業規則を通じて、教育・保育等を提供する場で、 何をしてはならないのか、誰が対象なのか、問題が起きたときにどう報告し、どの手続に応じるのか、といった事業者の内部ルールを前もって整えておく ことです。 シリーズ14回目の本稿では、こども性暴力防止法の施行に先立って、障害福祉サービス事業者が整備しておくべき「2026年12月25日以降の就業規則」の要点を見ていきます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 従来の就業規則のままでは足りない理由 これまでの就業規則であっても、服務規律や懲戒事由はもちろん記載があります。ですが、こども性暴力防止法の下では、それだけでは足りません。...