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独習 こども性暴力防止法 | 第三回 義務対象事業者と認定対象事業者は何が違うのか|障害福祉サービス事業者視点より

義 務対象事業者と認定対象事業者は何が違うのか|障害福祉サービス事業者視点より この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 義務対象事業者は、法律上当然に性暴力防止の取組を行うべき「法定事業者」です。認定対象事業者は、申請して認定を受ける仕組みです。 認定対象事業者は、認定を受けると、こども家庭庁ウェブサイトで公表され、認定事業者マークを広告等に使えるようになります。つまり、認定を取っている事業所と取っていない事業所とがはっきり視覚化されます。 義務対象事業者には法定事業者マークがあり、認定対象事業者には認定事業者マークがあります。似ていますが、同じものではありません。勝手に使うこともできません。 認定申請には、GビズID、申請書、児童対象性暴力等対処規程、情報管理規程、誓約書などが必要で、手数料は3万円です。 前回は、障害福祉がこの制度の外野ではなく、障害児支援や一部の障害福祉サービスについても制度のど真ん中に入っていることを確認しました。第3回の本稿では、義務対象事業者と認定対象事業者の違いを整理します。法的な位置づけ、申請の有無、公表のされ方、マークの意味まで含めて見ていきます。 義務対象事業者と認定対象事業者は、そもそも立場が違う まず当然ではありますが、法律上の定義が異なります。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 認定とは、民間教育保育等事業者が、その行う民間教育保育等事業について、学校設置者等が講ずべき措置と 同等のものを実施する 体制が確保されている旨の認定を受けることができる仕組みです。認定を取得するかどうかは事業所の判断に任されますが、認定を受ける以上、義務対象事業者と同じ責務を負うこととなります。 これに対して、義務対象事業者については「法律で性暴力防止の取組を行う義務が定められている」事業者だと整理されており、法の取り組みに参加する以外の選択肢はありません。 認定対象事業者は、何をすると認定されるのか 認定の取得ですが、ただ申し込めば通るプロセスとはなっていません。 認...

独習 こども性暴力防止法 | 第二回 学校だけの法律ではない|障害福祉事業者に関係する理由

学 校だけの法律ではない|障害福祉事業者に関係する理由 この記事は約5分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください こども性暴力防止法は、いわゆる「学校」だけのための法律ではありません。対象事業者は、児童等との関係で支配性・継続性・閉鎖性が生じるかどうかという観点から広く定められています。 障害福祉分野でも、障害児通所支援事業や障害児入所施設等は義務対象です。さらに、一定の指定障害福祉サービス事業者も認定対象になり得ます。 つまり、障害福祉はこの制度の「外野」ではありません。特に障害児支援に関わる事業者は、制度の中心的な対象の一部です。 第1回では、この法律が単なる「前科確認の制度」ではなく、事業者に総合的な体制整備を求める制度であると理解しました。では、なぜ学校ではない障害福祉事業者まで対象になるのでしょうか。答えは明確です。こどもに接する事業のうち、 支配性・継続性・閉鎖性を持ちやすいものは、学校かどうかを問わず制度の対象になる からです。 この第2回では、対象事業の全体像を確認しながら、障害福祉がなぜ制度の対象に入っているのかを整理します。 なぜ障害福祉も対象になるのか 行政は制度の対象事業・対象業務を定める考え方として、児童等との関係で: 支配性 継続性 閉鎖性 これらを有するか否かの観点から対象を規定すると明記しています。つまり、この制度は「学校か、学校でないか」で線を引いているのではなく、こどもとの関係の持ち方に危うさが生じやすいかどうかで線を引いています。 上記のような特徴を持つ事業においては、従事者がこどもに対して支配的・優越的立場に立ち、継続的で密接な人間関係を築き、親などの監視がない状況の下(閉鎖的)でこどもを預かることが、その態様として存在します。そのためこれらの事業では、こどもに対する性暴力等の発生に 特別の注意を払うことが求められる とされているのです。 これを障害児(者)福祉に照らして考えてみても、理屈は同じであることが分かります。障害児通所支援や障害児入所施設では、職員がこどもを継続的に支援し、本人より優位な立場で関わり、ときに保護者の目が届かない状況で支援を行います。訪問系の支援でも、1対1で密接に関わる場面があります。つまり、学校ではなくても、制度が問題視している構造を持つ事業だということです。ですから、障害福祉は本法の対象...

独習 こども性暴力防止法 | 第一回 こども性暴力防止法とは何か|障害福祉事業者が最初に押さえるべき制度の全体像

こ ども性暴力防止法とは何か|障害福祉事業者が最初に押さえるべき制度の全体像 この記事は約5分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください この法律は、単なる 「前科確認の制度」ではありません 。事業者に、防止・把握・相談・初動・調査・情報管理までを含む総合的な体制整備を求める制度です。 法律の出発点は、「こどもへの性暴力等は絶対に防がなければならない」という考え方です。教育・保育等の現場には、特有の支配性、継続性、閉鎖性があります。 障害福祉事業者にとって大事なのは、「犯歴がある人を見つけること」だけではなく、 「性犯罪を起こしたくても起こしにくい(起こせない)運営環境を作ること」 です。これは公表資料の制度構造からも明らかです。 施行日は令和8年12月25日です。 義務対象事業者・認定対象事業者とも、施行前から準備すべき項目がすでに示されています。 シリーズ第1回目の本稿では、法令遵守のための細かい手続きではなく、「そもそもこの法律は何がやりたい制度なのか」を見ていきます。 この法律をネットで検索すると、「日本版DBS」という言葉がよく出てきます。たしかに、国が特定性犯罪事実該当者に当たるかどうかの情報を対象事業者に提供する仕組みは、この制度の重要な柱の一つです。ですが、そこだけを見てしまうと、制度の本質を見誤ります。 結論から言うと、こども性暴力防止法は、「前科確認の制度」ではなく、こどもに対する性暴力を防ぐ責務を事業者に明確に負わせ、そのための体制整備を法律で求めるものです。障害福祉、とくに障害児支援に携わる事業者様にとっては、これまで積み重ねてこられたことと同様に、「子供の最善の利益」のため、尽力されることが強く社会から求められています。 この制度の趣旨とは 近年、教育、保育等の現場におけるこどもへの性暴力事案は後を絶たず、こどもへの性暴力等は、こどもの権利を著しく侵害し、生涯にわたり心身の発達に深刻な影響を与えます。これは、絶対に防がなければならないものです。 しかも、教育や保育等の場には特有の危うさがあります。従事者はこどもに対して支配的・優越的立場に立ちやすく、継続的に密接な人間関係を持ち、また、親などの目が届かない閉鎖環境でこどもに接することがあります。要するに、普通の大人同士の関係よりも、潜在的にはるかに事故が起きやすい構造があ...

【令和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定】第五回:新規指定事業所への応急的な報酬単価(6月施行)──対象サービスと配慮措置を実務目線で整理

令 和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定 第五回:新規指定事業所への応急的な報酬単価(6月施行)──対象サービスと配慮措置を実務目線で整理 この記事のねらい 令和8年度の報酬改定 に含まれる内容は、ざっくり言うと: 処遇改善加算の加算率を厚くする 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ B型の基本報酬区分の見直し 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する この4本です。 シリーズ第五回目の本稿では、このうち「4. 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する」について深掘りします。この改定は、令和8年6月1日以降に新たに指定を受ける一定のサービスについて、令和9年度報酬改定までの間、基本報酬(所定単位数)を応急的に引き下げるというものです。 もっとも、これは単純な「一部サービスの新規指定事務所は全部引き下げ」という話ではありません。新規指定であっても、合併・分割・事業譲渡などを経て実質的に事業所運営が継続している場合や、重度障害児者対応・医療的ケア対応・視覚聴覚障害対応など一定の加算や地域要件を満たす事業所については、従前単価を適用する配慮措置が並んでいます。したがってこの改定で見るべきポイントは: これから指定を受ける自事業所のサービスが、今回の単価引下げの対象か 取得予定の指定が、「新規指定」として扱われるのか 例外的に、これまでどおりの単価が適用されるケースに当てはまるか の3点に集約されます。 ▶︎ 令和8年度報酬改定 オーバービューは こちら この改定ポイントは誰に関係があるのか? まず直接関係があるのは、令和8年6月1日以降に新たに指定を受ける以下のサービス群です。 就労継続支援B型 共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型) 児童発達支援 放課後等デイサービス これらのサービスは、令和9年度報酬改定までの間、応急的に引き下げられた基本報酬を前提に収支計画を立てる必要があります。 次に重要なのが、形式上は新規指定であっても、実態として「新規」ではないと言えるケースです。これは、指定を受けようとする事業所が合併・分割・事業譲渡等によるもので、その前後で事業所が実質的に同一である場合には、新規指定と扱われない例外的な事務をさします。 さらに、重度障害児者対応・医...

【令和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定】第四回:就労継続支援B型の基本報酬区分の見直し(6月施行)──区分調整と経過措置を実務目線で整理

令 和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定 第四回:就労継続支援B型の基本報酬区分の見直し(6月施行)──区分調整と経過措置を実務目線で整理 この記事のねらい 令和8年度の報酬改定 に含まれる内容は、ざっくり言うと: 処遇改善加算の加算率を厚くする 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ B型の基本報酬区分の見直し 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する この4本です。 シリーズ第四回目の本稿では、「3. B型の基本報酬区分の見直し」について深堀りしていきます。この改定は、令和6年度改定で導入された平均工賃月額の新算定方式によって平均工賃月額が約6,000円上昇し、想定以上に高い報酬区分へ移行する事業所が増えたことを踏まえ、その調整として行われるものです。 今回のポイントは、単に区分表が変わるという話ではありません。自事業所が: 今回の見直しの適用対象なのか 見直し後にどの区分に入るのか その結果、基本報酬にどの程度影響が出るのか を見極める必要があります。 ▶︎ 令和8年度報酬改定 オーバービューは こちら この改定ポイントは誰に関係があるのか? 公表されている資料によれば明確に対象とされているのは、令和6年度改定で導入された新算定方式によって、報酬区分の上昇が起こった事業所です。今回の見直しは、その上昇に対応して区分基準を調整するという位置づけなので、この層に最も関係します。逆に言えば、令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、今回の見直しの適用対象外とされ、従前区分が適用されます。 言葉で書くとややこしい言い方になってしまいますが、原則として令和8年度の報酬区分についても、これまでと同様に令和7年度実績から平均工賃月額を算出します。ただし、本改定により令和8年6月以降は、その平均工賃月額をどの区分表に当てはめるかが事業所によって分かれるという理屈です。具体的には、令和6年度改定前後で区分が上がっていた事業所は見直し後の区分表を参照し、上がっていない事業所は見直しの適用対象外として従前の報酬区分を適用する、という整理です。 具体例を示します。 ( 就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)かつ定員20人以下の例です ) 例えば、あるB型事業所の令和7年度の平均工賃月額が21,000円であったと仮定...

【令和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定】第三回:就労移行支援体制加算の見直し(6月施行)──新たなキャップとルールの導入について実務目線で整理

令 和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定 第三回:就労移行支援体制加算の見直し(6月施行)──新たなキャップの導入について実務目線で整理 この記事のねらい 令和8年度の報酬改定 に含まれる内容は、ざっくり言うと: 処遇改善加算の加算率を厚くする 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ B型の基本報酬区分の見直し 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する この4本です。 シリーズ第三回目の本稿では、「2. 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ」について深堀りしていきます。この改定に含まれる具体的な内容としては以下のとおりです。 一事業所で算定可能となる年間の就職者数に上限(事業所定員数まで)を設けること 他事業所で過去3年間に算定実績がある利用者については、原則として算定不可であること 多くの事業者さんにとって無関係ではいられないトピックではありますが、まず誰が対象で、どのルールがどう厳格化されるのかを、資料の文言に沿って丁寧に見ていきます。 「今年、加算を見込んでいる就職者数は“定員”の範囲に収まっているのか」 「同じ利用者が再就職した場合でも、加算を算定できるケース/できないケースはどこで分かれるのか」 「過去3年以内の算定実績を、実務としてどう確認し、どう記録しておけばよいのか」 ――厚労省資料を中心に、このような不安を解きほぐします。 ▶︎ 令和8年度報酬改定 オーバービューは こちら この改定ポイントは誰に関係があるのか? まず 第一 に、自事業所のサービス種別がそもそもこの加算の対象かです。就労移行支援体制加算の対象サービスとして以下の4つ(細分化すれば5つ)が列挙されています。 生活介護 自立訓練(機能訓練・生活訓練) 就労継続支援A型 就労継続支援B型 これらのサービスを提供していない事業者には直接かかわりはありませんが、今後多機能展開を見据えている場合には、理解しておく価値はあると言えます。 次に 当然ではありますが、これまで就労移行支援体制加算を算定しており、引き続き算定を継続したい事業者、あるいは今年から算定を検討している事業所です。今回の見直しは「加算の点数が上がる/下がる」というより、算定できる 人数や対象者の範囲を締める 話なので、収入見込みや受入れ計画に影響...

【令和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定】第二回:処遇改善加算の拡充(6月施行)──対象拡大・上乗せ・相談支援の新設を実務目線で整理

令 和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定 第二回:処遇改善加算の拡充(6月施行)──対象拡大・上乗せ・相談支援の新設を実務目線で整理 この記事のねらい 令和8年度の報酬改定 に含まれる内容は、ざっくり言うと: 処遇改善加算の加算率を厚くする 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ B型の基本報酬区分の見直し 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する この4本です。 シリーズ第2回目の本稿では、「1. 処遇改善加算の加算率を厚くする」について深堀りしていきます。この処遇改善に含まれる具体的な内容としては以下のとおりです。 処遇改善加算の対象拡大 加算率の引上げ 上乗せ区分の設定 相談支援系への加算新設 多くの事業者さんにとって無関係ではいられないトピックではありますが、まず誰が対象で、どこような加算要件の変化が生まれるのか、を丁寧に見ていきます。 「今年も加算を続けられるのか」 「追加で何をやれば上乗せまで狙えるのか」 「相談支援系はどう扱われるのか」 ――厚労省資料を中心に、このような不安を解きほぐします。 ▶︎ 令和8年度報酬改定 オーバービューは こちら この改定ポイントは誰に関係があるのか? まず 第一 に、既に処遇改善加算を取得しており、令和8年度以降も継続して取りたい事業者さんは、サービス種別にかかわらず全て影響があります。加算額は確かに増加するのですが、一方でその満たすべき要件にも手が入っています(満たすべき職場環境等要件の数が増加)。よって、ただの“自動更新による増額”ではなく、事業所側の対応も求められます。 また、加算の対象もこれまでの「福祉・介護職員等」から「障害福祉従事者」へと拡大しています。より広い範囲のスタッフさんの賃上げを行ってほしいという行政からの明確なメッセージが出ています。 第二 に、処遇改善加算に興味のある相談支援系(計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援)の全ての事業者さんです。これらのサービスは従来、処遇改善加算の対象外でしたが、今回新たに対象になり、加算率も資料上提示されています(5.1%)。加算はいわゆる「IV」のみが解放された形ですが、それでも検討の価値はあります。 第三 に、処遇改善加算の上位区分(I/II)にて更なる上乗せ加算を取得することを目指す全ての事業者さん...

【令和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定】全体像:4つの論点と、事業者が注意すべきポイント

令 和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定|全体像:4つの論点と、事業者が注意すべきポイント 要するに? 令和8年度の「期中改定」に含まれる内容は、ざっくり言うと: 処遇改善加算の加算率を厚くする 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ B型の基本報酬区分の見直し 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する この4本です。 影響があるのは? 処遇改善加算を取っている、または取得予定の事業者( 相談系含む ) 就労移行支援体制加算を算定する事業者 令和6年の 新計算方式の適用によって算定区分が上昇 した就労継続支援B型事業者 令和8年6月1日以降に 新規指定を取得 する一部のサービス種別事業者 なお、本稿を含めた本解説シリーズを投稿している令和8年3月時点においては、これらの内容については未施行であり、告示等で微調整される可能性は残ります。 何が変わるのか? 論点①:処遇改善加算の拡充(賃上げ対象の範囲を拡大し、上乗せ加算も用意) まず、これまでの処遇改善加算の対象だった「福祉・介護職員等のみ」から「障害福祉従事者」にその範囲が拡大され、加算割合自体も増やすことで月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現するための措置が入ります。次に、生産性向上や協働化の取組に尽力する事業者を特に評価し、月0.3万円(1.0%)の上乗せ加算も別途用意されています。更に、これまで処遇改善加算の対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援の各サービスについても、今回新たに処遇改善加算の対象とされました。 詳しくは、 第2回 の記事をご参照ください。 論点②:就労移行支援体制加算の見直し 就労移行支援体制加算については、かねてより「同一利用者がA型事業所等(就労移行支援体制加算を算定する事業所)と一般就労の間で離転職を繰り返し、その都度加算を取る」といった、制度趣旨から外れるような算定の仕方が問題視されていました。そこで本改定では、一事業所で算定可能となる年間の就職者数に上限を設ける(事業所の定員が年間のキャップになる)等の適正化が入ります。さらに、他事業所で過去3年間に算定実績がある利用者についても、同様に、算定不可であることがルール付けられました。 詳しくは、 第3回 の記事をご参照ください。 論点③:就労継続支援B型の基本報酬区分...

独習 運営指導 クラスター06「サービス提供手続・記録」|14 記録管理① 記録を「探さず」示すための保存・保管・帳簿管理

運 営指導 クラスター06「サービス提供手続・記録」|14 記録管理① 記録を「探さず」示すための保存・保管・帳簿管理 運営指導(実地指導)の場で、「記録はしっかり保存しています」と答えたものの、箱やフォルダの中を延々と探すことになれば、事業所にとっても行政にとっても好ましい状況とは言えません。今回のテーマは、サービス提供に関する記録を、保存・保管・帳簿管理の仕組みによって「すぐ出せる状態」にできているか、という点を見ていきます。 行政がチェックするのは、記録の内容だけではありません。保存期間・保管場所・閲覧権限といった「ルール(書類)」があり、そのルール通りに「保管(記録)」され、さらに紛失や散逸を防ぐための「点検(運用)」が機能しているか。この「書類→記録→運用」が一本の線でつながっているかどうかが、確認の骨格となります。 クラスター06「サービス提供手続・記録」 第14回目の本稿では、「記録管理① 記録を「探さず」示すための保存・保管・帳簿管理」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを 書類・記録・運用 の3つの軸から解説します。 なお本稿でいう「クラスター」は、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 記録管理でまず問われるのは、「何を、どこに、どう保管するか」を事業所として言語化できているかです。口頭で「事務所の棚にあります」と言うだけでは不十分です。保存期間、保管場所(原本・控えの区別を含む)、閲覧できる職員の範囲、持ち出しのルールなどが、あらかじめ整理されていることが前提になります。 法令上、障害福祉サービス事業者は、サービスを提供した日から5年間、以下の記録を整備・保存することが義務づけられています。保存対象は、①個別支援計画、②サービス提供の記録、③市町村への通知に係る記録、④身体拘束等の記録、⑤苦情内容等の記録、⑥事故の状況及び処置の記録、などが代表的なものです。種別により若干の違いはありますが、いずれも「必要に応じて提示できる状態で保存されているか」という視点で...

独習 運営指導 クラスター06「サービス提供手続・記録」|13 連携② 家族・学校とのやり取りを正しく「形」に残すための3ステップ

運 営指導 クラスター06「サービス提供手続・記録」|13 連携② 家族・学校とのやり取りを正しく「形」に残すための3ステップ 運営指導(実地指導)において、家族や学校との連絡調整は、単に「熱心にやり取りしているか」ではなく、 「いつ・誰が・誰に・何を伝え、相手がどう受け止めたか」を後から客観的に辿れるか が確認されます。現場で電話や口頭の共有がスムーズに行われていても、事業所として提示できる「形」に残っていなければ、行政への説明は困難です。 行政側がチェックするのは、連絡調整が特定のスタッフに頼りきり(属人化)になっていないか、そして情報が漏れない仕組みがあるかです。ルールを定め( 書類 )、事実を書き残し( 記録 )、必要な時に正しく機能させる( 運用 )。この「書類→記録→運用」が一本の線でつながっているかどうかが、評価を分ける最大のポイントとなります。 クラスター06「サービス提供手続・記録」 第13回目の本稿では、「連携② 家族・学校とのやり取りを正しく「形」に残すための3ステップ」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを 書類・記録・運用 の3つの軸から解説します。 なお本稿でいう「クラスター」は、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 家族や学校との連絡調整でまず問われるのは、支援の中身以上に「説明の土台」となる事業所内の共通ルールです。単に「電話で話している」だけでは不十分で、誰が主担当となり、どの情報をどこに残し、どう共有するかが言語化されている必要があります。行政の質問に対し、手段だけでなく組織としての体制まで一貫して答えられる状態を整えることが、運営指導の出発点となります。 次に見られるのが「記録の解像度」です。行政が求めるのは、担当者の主観的な感想ではなく、客観的な事実です。連絡の日時、相手、要点、対応者が一目で分かりますか? 運営指導の指摘事例でも、「相談記録に日時や相手の氏名がない」「保護者への説明が口頭のみで、同意を得た証拠がない」といった指摘が報告さ...