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独習 東京都デジタル技術等活用支援事業 | 障害福祉分野における東京都デジタル補助金の制度概要について解説!

東 京都のデジタル補助金、結局いくら出るのか? この記事は約3分で読めます。 令和8年度の「障害者支援施設等におけるデジタル技術等活用支援事業」の交付申請案内が、7月中旬に東京都から出ました。記録や請求のシステム、タブレット、見守りセンサーといったものを導入するときに、費用の4分の3が補助される制度です。 ただ、この制度は資料がとっつきずらく、都のチラシ一枚を見ても制度の内容を詳細まで把握することは困難です。私自身も、交付要綱とQ&Aを最初から最後まで読んで、ようやくその全体の形が見えました。そこで本稿は一回完結の記事となりますが、まずはこの制度の内容・概要を掴んでいただければ幸いです。 そもそも別の補助金が2本ある 最初に当惑する点がおそらくここではないでしょうか。「デジタル補助金」とひとくくりに呼ばれていますが、中身はねらいの違う2つの事業が並んでおり、担当課も別々です。 ①障害者支援施設等 デジタル技術等活用支援事業 ②デジタル技術を活用した 障害福祉サービス事業所等支援事業 ねらい 利用者 の身体を支える 職員 の事務を減らす 主なもの 見守りセンサー、移乗・入浴などのロボット介護機器、Wi-Fi環境 記録・情報共有・請求のシステム、勤怠・シフト・人事・給与のシステム、タブレット 金額の決まり方 何を買うか 事業所の職員数 補助率 4分の3 4分の3 担当課 施設サービス支援課 地域生活支援課 以下、前者を①、後者を②と呼びます。利用者に効くのが①、職員に効くのが②とざっくり覚えておくことをおすすめします。 自分の事業所で申請可能な補助金(事業)はどれか? まず②ですが、これはすべての障害福祉サービスが対象です。どの事業所にも職員がいて、事務作業があるので、当然といえば当然でしょう。 次に①は2つの枠に分かれます。 ひとつはロボット単品の枠。移乗リフトや入浴リフトなどを導入するもので、機器を導入することが主目的です。 もうひとつがフルセットの枠で、こちらは要件が細かく決まっています。居室に置く見守りセンサー。そのアラートを受け取る情報共有機器や記録ソフト。そしてセンサーと職員の端末をつなぐ、施設全体のWi-Fi環境。この3つを一体的・包括的に整備することを目的とし、どれか1つだけ(例:Wifiのみ、など)を導入したいという申請は通りません。センサーだ...

独習 運営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|1 情報を「出す・守る」を間違えないためのポイント

運 営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|1 情報を「出す・守る」を間違えないためのポイント 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です。 行政の公式用語ではありません 。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連する項目をまとめています 。 本ブログはこの枠組み(クラスター)を使い、運営指導の場で説明が途切れないよう、 決まりごと・記録・日々の動き が一つの説明としてつながる 形に整理します。 シリーズ:クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」 第1回目の本稿では、このクラスターが何を指し、運営指導に際して注意すべき点は何かなど、そのオーバービューを解説します。 クラスター13がカバーする範囲と注意点 このクラスターでは、利用者や家族に関する情報を、事業所がどのように守り、どのような場面でその情報を外部へ提供し、利用の前には何を公開・説明するのかを行政が確認します。 具体的には、従業者や管理者による秘密保持、退職後も含めた秘密保持の措置、関係機関等へ個人情報を提供する際の文書による同意、利用や入所の前における事業内容の情報提供、および虚偽又は誇大な広告の防止が、行政による主要な確認対象です。 ここで重要なのは、「個人情報を外部に出してはいけない」という制限の話だけではないことです。支援のために関係機関と情報を共有する必要がある場面もありますし、利用を検討する本人や家族には、事業所の内容を適切に説明しなければなりません。 つまり、実務上は「守るべき情報を事業所が守ること」と「出すべき情報を事業所が適切に出すこと」の両方が問われます。 運営指導では、秘密保持に関する規程や誓約書が存在するだけでは足りません。現職の職員だけでなく、退職や異動をした職員について、事業所が情報へのアクセス停止や資料返却などをどのように行っているかまで、管理者が説明できる必要があります。 また、関係機関への情報提供や担当者会議等への参加についても、「支援のためだから当然に情報を共有できる」と考えるのは危険です。事業所が誰の情報を、誰に、何の目的で共有するのかについて、本人又は家族の文書による同意をどのように確認しているかが問われます。 利用前や入所前の説...

独習 運営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|5 障害福祉の広告表示|ホームページ・チラシ・SNSの内容が実態と合っていますか?

運 営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|5 障害福祉の広告表示 ホームページ・チラシ・SNSの内容が実態と合っていますか? 前回の第4回において、本稿では、利用又は入所前の情報提供について、ホームページ、見学時の説明、重要事項説明書、および料金表などの記載内容が、現在の事業所の実態と一致しているかどうかを確認いたしました。利用者やそのご家族は、事業所が外部に発信している情報をもとにして各サービスを比較検討し、その上で問い合わせや見学、あるいは利用の申込みという次のステップへと進まれます。 その意思決定の入口となるものが、ホームページ、チラシ、およびSNSなどの広告媒体です。これらの広告は事業所の魅力を外部に伝えるための重要な手段ですが、もしそこに、現在は提供していない支援内容、実際とは異なる送迎範囲、過去の古い職員体制、あるいは根拠を確認していない実績表示などが残っている場合、それらの情報は利用者やそのご家族に対して誤った期待を与える恐れがあります。 実際の福祉実務においては、事業所が開所当初に作成したホームページを長期間にわたって更新していないケースや、外部の制作会社が作成した文章を事業所側が細かく確認しないまま公開しているケース、さらにはSNSのアカウントや過去に配布したチラシが事業所の管理対象から漏れているケースなど、好ましくない状態が起こりやすい傾向にあります。 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」 第5回となる今回は、ホームページ、チラシ、SNS等の広告表示について整理します。重要なのは、きれいな広告を作ることではありません。現在公開している内容が、実際に提供できるサービス内容、支援体制、設備、利用条件、実績等と合っているかを、事業所として確認できる状態にすることです。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。行政の着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面でその着眼点が意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 行政による運営指導において、まず最初に確認される要素は「書類」です。事業所が現在公開しているホームページ、チラシ、SNS、紹介資料、および外部...

独習 運営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|4 ホームページ・利用前見学・重要事項説明書の内容がずれていませんか

運 営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|4  ホームページ・利用前見学・重要事項説明書の内容がずれていませんか 前回の第3回連載では、支援会議や関係機関との連携において、事業所が利用者や家族の情報を提供する前に、文書による同意の有無と範囲を確認する重要性について解説いたしました。 障害福祉や障害児支援の現場では、サービス利用開始後も多くの説明や情報共有が必要になりますが、そのすべての前提となるのが、利用又は入所前に事業所が提供する情報です。 利用者やその家族は、事業所のホームページ、案内資料、見学、電話相談、あるいは相談支援事業所からの紹介などを通じて、実際に利用するサービスを検討します。その際、支援内容、利用条件、費用、送迎、職員体制、利用時間などについて、事前に説明を受けた内容と実際の運用が異なっていると、利用者側から「聞いていない」「想定していた支援と違う」といった不満が生じ、行き違いやトラブルに発展してしまいます。 実務においては、重要事項説明書は用意されているものの、見学時にはパンフレットだけを渡して説明を終えているケースや、費用や送迎の条件を口頭で説明したもののその記録が残っていないケース、さらにはホームページの情報が開所当時のままであり、実際の支援体制と異なっているといった状態が起こりやすいものです。事業所側が「説明したつもり」であっても、何を、誰に、いつ伝えたのかが客観的に分からなければ、後からその事実を確認することは困難になります。 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」 の第4回となる今回は、利用又は入所前における情報提供のあり方について整理します。ここで重要なのは、案内資料や重要事項説明書が単に存在しているかどうかではありません。利用者又はその家族が、サービスを選択する前に必要な情報を正しく得られたか、そして事業所がその説明の経過を確実に確認できるかという点です。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。行政の着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面でその着眼点が意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です まず確認されるのは「書類」で...

独習 運営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|3 支援会議や関係機関に情報を提供する前の事前同意確認

運 営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|3 支援会議や関係機関に情報を提供する前の事前同意確認 前回の第2回では、職員による情報漏えいを防ぐための対策として、秘密保持誓約書の締結、紙資料や端末の適切な管理、そして退職者や異動者のアカウント停止手続きなどについて解説いたしました。しかし、職員が意図的に情報を外部へ持ち出さなくとも、日常的な業務における支援会議の開催、関係機関との連携、あるいは他機関からの照会に対する回答など、利用者様やそのご家族の個人情報を提供する場面は頻繁に発生します。 障害福祉や障害児支援の現場においては、相談支援事業所、医療機関、学校、保育所、行政機関、および他のサービス事業者などと緊密に連携しながら支援を進めることが少なくありません。適切な支援を展開するためには必要な情報共有が不可欠である一方で、「連携のためである」という理由だけで、自由な情報の提供が自動的に許されるわけではありません。 実務において特に発生しやすい事例は、利用開始時に取得した同意書では実際の会議参加者や連携先を十分に網羅できていないにもかかわらず、支援会議の場で利用者の生活歴、家族状況、医療情報、あるいは支援上の課題などを広範囲に共有してしまう場面です。また、学校や医療機関、行政機関などから急ぎの照会を受けた際に、担当職員がその場で十分な確認を行わずに回答してしまうことも見受けられます。 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」 第3回となる今回は、連携・会議・照会で情報を共有する前に、文書による同意の有無と範囲をどのように確認するかを整理します。重要なのは、同意書を保管しているかどうかではなく、実際に提供した相手、目的、情報の内容と、同意の範囲が一致しているかです。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。行政の着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面でその着眼点が意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です まず確認されるのは「書類」です。個人情報の利用や提供に関する同意書が存在し、誰の情報を、誰に対して、どのような目的や範囲で提供するのかを明確に確認できる体制が出...

独習 運営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|2 運営指導に向けた秘密保持対策:退職者のアカウント停止と情報漏えい防止の進め方

運 営指導 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」|2 運営指導に向けた秘密保持対策:退職者のアカウント停止と情報漏えい防止の進め方 前回の第1回では、クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」が、秘密保持、個人情報の提供、利用前の情報提供、広告表示を横断して扱うテーマであることをご説明いたしました。利用者や家族に関する情報は、職員が支援のために日常的に扱う一方、事業所が誤った取扱いをすれば、利用者や家族との信頼関係そのものを損なうおそれがあります。 しかし、事業所が雇用契約書に秘密保持の条項を入れ、採用時に職員から誓約書を受け取っているだけでは、情報漏えい対策として十分とは言い切れません。紙の支援記録が外部に持ち出されたままになっていないか、職員が私物端末や個人メールで情報を扱っていないか、誤送信が起きた場合に職員が誰へ報告するのか、さらには退職した職員のアカウントがシステムに残っていないかまで、日常の運用として確認する必要があります。 特に障害福祉や障害児支援の現場では、個別支援計画、送迎表、連絡先一覧、支援記録、医療的な配慮事項、家族からの相談内容など、取扱いに慎重さを要する情報が数多く存在します。現在は、情報が紙媒体だけではなく、メール、クラウド、チャット、スマートフォン、SNS、口頭での共有にも広がっています。 クラスター13「情報公開・秘密保持・個人情報」 第2回となる今回は、現職の職員だけでなく、異動者や退職者も含めた秘密保持のあり方について整理します。ここでの重要なポイントは、事業所が誓約書を保管しているかどうかではありません。事業所において、採用から日常業務、退職・異動、そして事故発生時に至るまで、情報管理が途切れずに行われているかが重要です。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。行政の着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面でその着眼点が意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です まず確認されるのは「書類」です。事業所において、秘密保持規程又は方針、就業規則や雇用契約書における秘密保持に関する条項、従業者・管理者から取得する誓約書などが、現行の業務内容に合...

独習 運営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|1 いざという時に止まらない事業所へ|運営指導で確認されるBCP・非常災害対策

運 営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|1 いざという時に止まらない事業所へ|運営指導で確認されるBCP・非常災害対策 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です。 行政の公式用語ではありません 。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連する項目をまとめています 。 本ブログはこの枠組み(クラスター)を使い、運営指導の場で説明が途切れないよう、 決まりごと・記録・日々の動き が一つの説明としてつながる 形に整理します。 シリーズ:クラスター12「非常災害対策・BCP」 第1回目の本稿では、このクラスターが何を指し、運営指導に際して注意すべき点は何かなど、そのオーバービューを解説します。 クラスター12がカバーする範囲と注意点 このクラスターでは、緊急時に事業所が支援を継続するための「業務継続計画(BCP)」を確認します。あわせて、職員への周知、研修や訓練の実施、および計画の見直し状況も主要な確認対象です。 さらに、非常災害計画、通報体制、消防設備、避難経路、避難訓練、および地域連携も網羅します。つまり、本クラスターが扱うのは災害後の避難だけでなく、平時の備えから非常時の対応にいたる全体の仕組みです。 運営指導では、計画策定や訓練実施という形式だけを見るわけではありません。誰が初動を判断し、誰が安否確認や通報、避難誘導、および外部連絡を担うのかという、具体的な役割分担の整理が重視されます。 実務運営において「これまで災害がないこと」は、決して「問題なし」の根拠になりません。運営指導で重視されるのは発生前の備えであり、事業所のBCP、連絡体制、研修、訓練、および見直しの実態が確認されます。 また、これらの対策は「やっているつもり」に陥りがちです。計画の保管や訓練を行うだけでなく、連絡先の更新、職員の役割理解、および訓練で出た課題の計画への反映までを事前に確認しておく必要があります。 特に注意すべきは、消防計画とBCPの混同です。BCPでは業務の継続や再開が、非常災害対策では通報や避難などの初動対応が中心となるため、行政が確認するポイントはそれぞれ明確に異なります。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 運営指導における確認は、まず「...

独習 運営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|5 障害福祉の運営指導対策:避難訓練で本当に求められる「救出・点呼・地域連携」とは?

運 営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|5  障害福祉の運営指導対策:避難訓練で本当に求められる「救出・点呼・地域連携」とは? 前回の第4回連載では、非常災害に関する具体的計画、通報・連絡体制、消防設備、および避難経路などについて解説いたしました。火災、地震、風水害その他の災害が発生したとき、誰が通報を行い、誰が利用者を誘導し、誰が安否確認や家族への連絡を担うのかを、現場で職員が即座に動ける形にしておく必要があります。 しかし、避難経路を事前に確認し、利用者と職員が指定の避難場所まで移動する訓練を実施していても、それだけで十分とは限りません。避難の途中で建物内に取り残された利用者はいないか、個別の救助が必要な利用者は誰か、避難後の点呼を誰が行うのか、そして安否確認の結果を誰が取りまとめるのかまで確認できていなければ、実際の災害時には事業所の対応が完全に止まるおそれがあります。 障害福祉や障害児支援の事業所では、車いすの利用、歩行の介助、医療的ケアの実施、環境変化による混乱やパニック、あるいは送迎中または外出中の利用者への対応など、避難時に必要となる配慮が利用者ごとに異なります。通常の職員数が揃っている時間帯であれば適切に対応できるとしても、管理者の不在時や職員が少人数になる時間帯において、同じようにすべての利用者を誘導できるとは限りません。 クラスター12「非常災害対策・BCP」 第5回となる今回は、避難訓練を「避難場所まで移動した」という記録だけで終わらせず、救出、点呼、安否確認、二次避難、利用者ごとの誘導上の配慮、地域住民等との連携まで含めて確認するための考え方を整理します。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 行政の審査においてまず確認されるのは「書類」であり、避難や救出し訓練について、年間の災害想定と計画が整理されているかが確認されます。火災、地震、水害など事業所の状況に応じた災害ごとに、避難経路、避難場所、職員の具体的な役割分担、点呼、救出、二次避難の手順を整備しておく必...

独習 運営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|4 運営指導で確認される非常災害計画 通報・連絡・避難経路が現場で動くか

運 営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|4 運営指導で確認される非常災害計画 通報・連絡・避難経路が現場で動くか 前回の第3回連載では、事業所がBCP(業務継続計画)を作成した後においても、職員への周知、研修、訓練、および見直しを繰り返し、非常時に実際に使える状態を維持することの重要性を解説いたしました。しかし、たとえBCPが整備されていても、火災、地震、風水害その他の非常災害が発生した直後に、誰が119番通報を行い、誰が利用者を誘導し、誰が全体の安否確認や家族への連絡を担うのかがあらかじめ決まっていなければ、現場の初動対応は混乱してしまいます。 障害福祉や障害児支援の事業所においては、利用者の移動に介助を要する場合や、送迎中の利用者がいる場合、あるいは夜間や少人数の時間帯がある場合など、災害が発生した際の状況は一律ではありません。また、管理者が常に事業所内にいるとは限らず、連絡を担当する職員や誘導を担当する職員も、その場に勤務している職員の組み合わせによって入れ替わることが想定されます。 さらに、非常災害に関する具体的計画、通報・連絡体制、消防設備、避難経路、運営規程、ならびに飲用水や衛生管理に必要な設備等の管理は、それぞれ別の書類や担当者に分かれがちです。書類上では体制が整っているように見えても、責任者の名前、緊急連絡先、避難場所、あるいは設備の位置が資料ごとに異なっていれば、実際の発災時に、職員はどの情報を基準にして動けばよいか分からなくなります。 クラスター12「非常災害対策・BCP」 第4回となる今回は、非常災害に関する具体的計画と、発災直後の通報・連絡・誘導・安否確認を中心に整理します。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です まず、運営指導において最初に確認されるのは「書類」です。確認の出発点は、非常災害に関する具体的計画が適切に用意されているかという点です。具体的には、119番通報や家族への連絡、関係機関への報告を行う順番が整理されているかを確認されます。また、...

独習 運営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|3 「作っただけ」で終わらせないBCP体制の周知および見直しの実践

運 営指導 クラスター12「非常災害対策・BCP」|3 「作っただけ」で終わらせないBCP体制の周知および見直しの実践 前回の第2回連載では、BCP(業務継続計画)の策定について解説いたしました。感染症の蔓延や自然災害の発生時に、誰が意思決定を行い、どの業務を継続・縮小・休止・再開すべきかを、事業所の実情に合わせて定めておく重要性をお伝えしました。しかし、計画書は行動の出発点であり、作成しただけで完成するものではありません。職員に内容が周知されていなければ、緊急時に連絡先や各自の役割が分からず、現場の対応は停止してしまいます。また、訓練を実施しても、その結果を振り返り改善に結び付けなければ、同じ課題を繰り返すことになります。 特に障害福祉や障害児支援の現場では、利用者の移動手段、医療的ケア、送迎、少人数時間帯への対応など、非常時に確認すべき個別事情が事業所ごとに大きく異なります。そのため、たとえ法人共通の計画書が整備されていたとしても、各事業所の職員がそれを自分たちの現場の状況に置き換えて理解しているか否かは、全くの別問題です。 クラスター12「非常災害対策・BCP」 第3回となる今回は、BCPを机上の存在だけで終わらせないよう、周知、研修、訓練、見直しについて整理します。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です まず最初に確認されるのは「書類」です。周知・研修・訓練を「いつ」「誰を対象に」「どのような内容で」行うかを示す年間計画が策定されているか、研修資料や訓練シナリオが準備されているか、そして欠席者に対してどのように内容を補完するかが決まっているかが、確認の出発点となります。あわせて、BCPをどのような場合に見直すのか、誰が見直しを担当するのか、計画を改定した場合にどのように版を管理するのかも整理しておく必要があります。 次に見られるのが「記録」です。研修や訓練を行った日付、参加者、具体的な実施内容、欠席者への補完状況、訓練で想定した場面、振り返りで出た課題、そして改善を担当する者と期限などが...