複数の昼間実施サービスを行う指定障害者支援施設の人員配置基準を解説
記事の概要:
指定障害者支援施設(障害者支援施設)において、昼間に提供するサービスを複数実施する場合の人員配置基準について、厚生労働省の通知をもとに解説します。「複数の昼間実施サービス」とは日中の福祉サービス(例:生活介護や自立訓練など)を2種類以上提供することです。本記事では基準第5条(従業者およびサービス管理責任者の配置規定)に焦点を当て、法令の表現を踏まえつつやさしくシンプルに説明します。
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複数の昼間実施サービスとは
複数の昼間実施サービスとは、一つの障害者支援施設が昼間に提供するサービスを2種類以上行う場合を指します。例えば、ある施設が日中に「生活介護」と「自立訓練」を同時に提供しているケースなどです。複数のサービスを一体的に運営する施設では、人員配置の考え方に特例が設けられています。
基準第5条第1項:常勤職員の配置要件
基準第5条第1項では、指定障害者支援施設に配置すべき職員のうち常勤(フルタイム)職員の最低人数が定められています。通常は施設ごとに最低1名の常勤職員が必要ですが、複数の昼間サービスを提供する場合には特例があります。
厚生労働省の通知では、複数サービスの利用定員合計が20人未満の場合、配置すべき職員の中で1人以上が常勤であれば足りるとされています。つまり、定員合計が20人に満たない小規模な施設なら常勤職員1名以上いれば基準を満たせるということです。一方、合計定員が20人以上になるとこの特例は適用されず、サービスの種類ごとに少なくとも1名の常勤スタッフを配置しなければなりません。
以下に常勤職員配置要件をまとめます:
基準第5条第2項:サービス管理責任者の配置要件
基準第5条第2項では、配置すべきサービス管理責任者(利用者支援計画の作成やサービス提供の管理を担う責任者)の人数について規定しています。通常、サービス管理責任者は事業所ごとに1名以上配置しますが、複数の昼間実施サービスを提供する場合には例外的な扱いが認められます。
通知によれば、複数サービス提供時のサービス管理責任者数は、昼間サービス利用定員の合計に対して必要な人数が確保されていれば足りるとされています。つまり、サービスごとに別々に配置する必要はなく、利用者定員の合計に見合った人数を置けばよいということです。
目安として、利用者数が約60人までであればサービス管理責任者1名で対応可能とされ、それを超える規模では2名目のサービス管理責任者を配置する必要があります。このように、利用者数に応じてサービス管理責任者を増員することで、複数サービスを一体的に運営できる仕組みになっています。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 常勤職員の配置:合計定員が20人未満なら常勤スタッフは1名でOKですが、20人以上になるとサービスの種類ごとに常勤職員を配置する必要があります。例えば、2種類のサービスを合計25人の定員で行う場合、少なくとも2名の常勤職員が求められます。
- サービス管理責任者の兼務:複数サービスでもサービス管理責任者は1名で兼務可能です。ただし1人が担当できる人数には限界があるため、利用者数が増えたらサービス管理責任者を増員しましょう。例えば、利用者定員の合計が60人を超える場合はサービス管理責任者を2名以上配置する必要があります。
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