障害者支援施設の「内容及び手続の説明及び同意」(基準第7条)とは?目的と手続きを解説
記事の概要:
障害者支援施設では、サービス開始前に利用申込者に対して施設の運営内容などを説明し、同意を得ることが法律で定められています。本記事では、厚生労働省通知にある「内容及び手続の説明及び同意(基準第7条)」の内容を、やさしくシンプルに解説します。具体的には、説明すべき事項や手続きの流れ、説明・同意を得る際の注意点、契約成立後に交付すべき書面の内容などを紹介します。
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制度の目的・条文の趣旨
障害者支援施設が利用者に事前説明を行うのは、利用者がサービス内容をよく理解した上で安心して選択できるようにするためです。厚生労働省の通知では、施設はサービス開始前に利用申込者へ施設の運営規程の概要や職員体制、事故発生時の対応、苦情処理の仕組みなどの重要事項を、わかりやすい文書やパンフレットで丁寧に説明しなければならないとされています。また、この説明や同意の内容を、利用者と施設双方の立場で書面に残して確認することが望ましいとされています。このように説明と同意の仕組みは、利用者が不安なくサービスを利用できるようにするための大切な手続きです。
説明すべき内容と手続き
説明は、サービスの種類ごとに行います。施設では、利用申込者の障害特性に応じて配慮しながら、以下のような内容を説明します。まず、施設の運営に関する規則や日常のルールの概要、スタッフの人数や勤務体制、緊急時や事故が起きたときの対応方法、利用者からの苦情をどのように処理するか、といった点です。また、施設で受けるサービスが第三者評価を受けている場合は、その結果や評価機関の情報も説明します。これらを利用者が理解しやすい言葉や資料(パンフレット、説明書など)で丁寧に説明し、最後に「この施設でサービスを受けること」に利用申込者の同意を得ます。なお、説明の内容は利用者がサービスを選ぶ際の重要な情報なので、口頭だけでなく書面でも確認しておくことが望ましいです。
契約成立後の手続き
利用者との契約成立後、施設は以下の情報を記載した書面を交付しなければなりません:
- 施設の運営者(設置者)の名称と主たる事務所の所在地
- 提供する施設サービスの内容
- 利用者が支払うべき料金(利用者負担額)
- サービス提供の開始年月日
- サービスに関する苦情を受け付ける窓口(担当者や連絡先)
これらを書くことで、利用者はサービス開始後も必要な情報をいつでも確認でき、安心してサービスを利用できます。また、利用者の承諾があれば、これらの情報は電子メールなどの方法で提供しても問題ありません。例えば、メールで契約内容の書類を送付すれば、利用者の負担も軽減できます。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 事前説明と同意が必須: サービス開始前に必ず利用申込者へ説明・同意を取る。説明しないままサービス提供を始めると法律違反になります。
- 説明内容のポイント: 運営規程の概要、スタッフ体制、緊急時対応、苦情処理の仕組み、第三者評価結果など、利用者がサービス選択に必要な重要事項をわかりやすく説明する。書面やパンフレットを使い、誰でも理解できる言葉を心がける。
- 書面確認の推奨: 説明・同意は口頭だけでなく書面(同意書やチェックリストなど)で確認しておくとトラブル防止につながる。
- 契約後の書面交付: 契約成立後は、設置者名・所在地、サービス内容、利用者負担額、開始年月日、苦情受付窓口を記載した書面を利用者に必ず交付する。これにより利用者への情報提供が明確になる。
- 電子提供も可能: 利用者が同意すれば、上記の書面を電子メールやウェブで提供してもよい。
【免責事項】
