スキップしてメイン コンテンツに移動

独習 障害者支援施設等 指定基準 | 第三 指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準 3 運営に関する基準 (9) (10) 

定障害者支援施設における他事業者との連携と身分証携行


記事の概要:
基準第15条は他事業者との連携に関する規定で、障害者支援施設が他の障害福祉サービス事業者と協力して利用者を支えることを求めています。また第16条は身分証の携行に関する規定で、職員が利用者宅を訪問するときに身分証明できるものを携帯・提示する決まりです。本記事では、これらのルールについてやさしくシンプルに解説ます。

▶︎ 障害者支援施設等 関連記事まとめページはこちら

基準第15条:他の障害福祉サービス事業者等との連携

第15条の趣旨:指定障害者支援施設などの施設がサービスを提供する際には、他の障害福祉サービス事業者や地域の支援機関としっかり協力することが求められています。これは、施設の中だけで支援を完結させるのではなく、外部のサービスも上手に活用して、利用者にとって最適な支援を行うための考え方です。

具体的には、第15条では次の2つの場面で連携を行うよう定めています:

施設サービス提供中(利用者が施設を利用している間)

施設で障害福祉サービスを提供している間も、必要に応じて外部の障害福祉サービスを組み合わせて利用できるようにします。例えば、施設入所中の利用者がデイサービスや専門のリハビリ施設など外部のサービスを利用した方が良い場合、施設職員はそれら外部サービスの事業者と連絡を取り合い、利用者が適切なサービスを選べるようサポートします。こうした連携によって、利用者の障害の程度や客観的なニーズに合った支援の選択肢を広げることができます。

サービス終了時(利用者が施設を退所するとき)

利用者が施設サービスの利用を終えて退所する際には、その後の地域生活への移行をスムーズにするために連携を深めます。具体的には、利用者が退所後に利用する予定の他の障害福祉サービス事業所や地域の支援団体・行政機関と事前に情報共有や調整を行います。例えば、退所後に自宅でヘルパー等の居宅サービスを受ける場合は、そのサービス提供事業者と利用者の情報を共有したり、必要な手続きを一緒に進めたりします。このように他機関と密接に連携することで、利用者が施設を出た後も切れ目なく必要な支援を受けられるようにすることが第15条の狙いです。

基準第16条:職員の身分証明書の携行

第16条の趣旨:施設の職員が利用者の居宅(自宅)を訪問してサービスを提供する場合、利用者が安心して障害福祉サービスを受けられるようにするためのルールです。特に、施設を退所した後も引き続き自立訓練(機能訓練や生活訓練)などのサービスを利用する障害者の自宅に、施設の職員が訪問して訓練等を行うケースを想定しています。

具体的な決まり:職員が利用者の自宅を訪問する際には、自分の身分を証明できるもの(例えば施設名と自分の氏名が記載された身分証明書や名札)を必ず携帯しなければなりません。そして初回の訪問時および利用者やその家族に求められたときには、その身分証等を相手に提示することが義務づけられています。つまり、利用者側から見て「この人はどこの誰だろう?」と不安に思うことがないように、訪問する職員は所属施設の職員であることが一目で分かる証明書類を持ち、見せられるようにしておく必要があります。

身分証明書に記載すべき内容:持参する身分証明書や名札には、最低限として施設の名称(どの事業所の職員か)と職員本人の氏名を記載します。加えて、可能であれば職員の顔写真や役職(資格・職名)も載せることが望ましいとされています。写真があることで利用者にとってはより安心材料になりますし、役職や資格が書いてあれば職員がどういった立場の人か一目でわかるメリットがあります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 施設内外のサービス連携:障害者支援施設のサービス提供中でも、必要に応じて他の障害福祉サービス事業所や医療・教育機関と協力し、利用者に最適な支援が提供できるようにしましょう。施設外のデイサービスやリハビリ等を併用することで、利用者のニーズに合った幅広い支援が可能になります。
  • 退所時の情報連携:利用者の退所が決まったら、早めに地域の関係機関(例:次に利用する居宅サービス事業者、市町村の相談支援機関など)と連絡を取り、支援に関する情報を共有しましょう。事前の引き継ぎによって、利用者が退所後も途切れなく必要な障害福祉サービスを受けられる環境を整えましょう。
  • 職員の身分証携行と提示:職員が利用者の自宅に出向いてサービスを行う際は、施設名と氏名を明記した身分証明書(IDカードや名札)を必ず携行させましょう。また、初回訪問時や利用者・家族から求めがあった場合には速やかに提示させ、利用者に安心感を与えましょう。身分証には可能なら顔写真や職名も入れ、誰が訪問したか一目で分かるようにしておきましょう。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。