スキップしてメイン コンテンツに移動

独習 障害者支援施設等 指定基準 | 第三 指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準 3 運営に関する基準 (14) (15) 

害者支援施設等における利用者負担額管理と給付費通知義務


記事の概要:
本記事のテーマは、障害者支援施設等における「利用者負担額の管理」と「介護給付費等の額の通知」に関するルールです。これらのトピックについてやさしくシンプルに解説します。

▶︎ 障害者支援施設等 関連記事まとめページはこちら

利用者負担額の管理とは(基準第20条)

障害福祉サービス利用者が1か月の間に複数のサービスを利用する場合、その利用者負担(自己負担金)をまとめて管理する仕組みがあります。特に、施設入所支援(施設に入って生活するサービス)を利用する人が同じ月にデイサービスなどの他の障害福祉サービスも受けたとき、事業者(施設側)はそれら全ての自己負担額を合算して計算しなければなりません。これは利用者がその月に支払う総額を正しく算出し、定められた月額上限を超えないようにするためのものです。例えば、Aさんが施設入所支援を利用しつつ、平日日中は別の訓練サービスを受けている場合、施設はAさんの施設サービス分と訓練サービス分の自己負担額を合計して算出します。こうした利用者負担額の管理によって、Aさんの月々の負担額が過大にならないよう調整できるのです。また、入所サービスを利用せず昼間のサービスのみ利用している人(通所利用者)についても、本人から依頼があれば事業者がその人の利用者負担額の管理を引き受けることができます。このように、事業者が利用者ごとの自己負担額を一括して管理することで、利用者にとっても支払いの負担が明確かつ適正になります。

介護給付費等の額の通知義務(基準第21条)

障害福祉サービス事業者には、サービス提供後に介護給付費や訓練等給付費(公費で支払われるサービス利用料のこと)の額を利用者に知らせる通知義務があります。例えば、市町村から◯月分の給付費として○○円を受け取った場合、「◯月分の給付費○○円を受け取りました」と利用者に知らせます。利用者はこの通知によって、自身のサービス費用のうちどれだけが公的に給付され、自己負担はいくらなのかを正しく把握できます。

さらに、場合によっては事業者が利用者にサービス提供証明書を交付する必要もあります。これは、利用者がサービス費用を一度全額支払い、その後に給付費を請求する際に使う証明書です。例えば、Bさんが仕方なくサービス費用を一度全額負担した場合、事業者はBさんにサービス提供証明書を発行します。Bさんはその証明書を市町村に提出し、公的給付費を請求できます。このように、事業者は利用者への費用通知と必要に応じた証明書の発行を通じて、サービス利用にかかる費用の透明性と適切な給付の受領を保証する役割を担います。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 複数サービス利用者の負担額合算管理: 施設入所者が他の障害福祉サービスも利用する場合、事業者はその利用者の全サービス分の自己負担額を合算して算出し、月ごとの負担上限を超えないよう管理する義務があります。
  • 通所利用者の負担上限管理: 入所サービスを利用していない通所利用者についても、本人の希望があれば事業者が月額の利用者負担額を管理できます。利用者ごとの負担状況を把握し、他事業所とも連携して上限額を超過しないよう調整しましょう。
  • 給付費受領後の利用者への通知: 市町村から介護給付費等を受け取ったら、速やかにその額を利用者本人に通知することが求められます。サービス費用の内訳を利用者に説明し、自己負担額とのバランスを利用者が理解できるようにします。
  • サービス提供証明書の交付: 利用者がサービス費用をいったん全額負担した場合など通常と異なる支払い形態では、サービス提供証明書を発行して利用者に渡す必要があります。この証明書によって、利用者は後日適切に給付費の支給を受けることができます。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。