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独習 障害者支援施設等 指定基準 | 第三 指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準 3 運営に関する基準 (2)

定障害者支援施設の契約支給量記載と報告義務


記事の概要:
障害者支援施設を運営する際、利用者との契約内容は「受給者証」に記載し、市町村に報告する必要があります。この記事では、厚生労働省の最新通知(基準第8条)に基づき、契約支給量の意味や記載すべき項目、契約支給量が支給決定量を超えられない理由、市町村への報告義務について、やさしくシンプルに説明します。

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契約支給量とは?

契約支給量とは、利用者と障害者支援施設との間で交わした1か月あたりのサービス提供量を指します。例えば「短期入所サービスを月に2回利用する」と契約すれば、契約支給量は「月2回」です。受給者証とは、市町村から障害福祉サービスの支給決定を受けた人に交付される証書で、そこにどのサービスをどれだけ利用できるかが書かれています。指定障害者支援施設は、利用者とサービスの契約が成立したときに、この契約内容を受給者証に記載します。

受給者証に記載する項目

利用者との契約が成立したら、施設は受給者証の事業者記入欄に以下の事項を記載します。中でも必須となる主な項目は次の通りです:

  • 施設名・事業者名:契約を結ぶ施設の名称。
  • 契約日:利用者と施設が契約を結んだ日付。
  • サービス内容:契約する障害福祉サービスの種類(例:短期入所、共同生活援助など)。
  • 契約支給量:契約した月当たりのサービス提供量(例:「月2回(2泊)」など)。
  • 契約終了日(契約が終了した場合):契約がいつ終了したか。また、月途中で終了した場合は、その時点までに提供した量を記載します。

これらを記載することで、市町村も含めて誰がどのくらいのサービスを利用するかが明確になります。

契約支給量は支給決定量を超えない

契約支給量には大切なルールがあります。それは「契約支給量の総量は、その利用者に対して市町村が決めた支給決定量を超えてはならない」ということです。

  • 支給決定量:市町村が支給を決めたサービスの最大量(例:短期入所が月4回までなど)。
  • 理由:支給決定量は障害福祉サービスの予算や利用者のニーズに応じて定められた上限です。この上限を超えて契約してしまうと、そもそも市町村で決められた範囲外のサービスとなり、請求できません。そのため、契約支給量は必ず支給決定量以内に収める必要があります。

例: 支給決定量が「月4回」となっている場合、複数の施設と契約して合計3回分利用するとすれば、まだ支給決定量内ですが、5回以上と契約すると規定違反です。契約時には必ず最新の支給決定量を確認しましょう。

市町村への報告義務

受給者証への記載が終わったら、指定障害者支援施設には市町村への報告義務があります。具体的には、記載した内容を速やかに市町村に通知しなければなりません。さらに、利用者が施設を退所(契約終了)する場合には、退所した日とその理由なども報告します。

  • 記載後の報告:契約成立時や契約内容を変更したときは、記載内容(施設名・契約支給量など)をすみやかに市町村に伝えます。
  • 退所時の報告:利用者が退所する場合は、退所した年月日や退所理由を市町村に報告します。

この報告は、市町村で支援の実績管理をするために重要です。忘れた場合、行政上の手続きに問題が生じるので注意しましょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 契約成立時に受給者証を必ず更新: 施設との契約が決まったら、その内容を受給者証の事業者欄にすぐ記載し、必要事項(施設名・契約日・サービス内容・契約支給量など)を書き込みます。契約終了時や利用変更時も忘れず更新しましょう。
  • 契約支給量は支給決定量以内: 契約支給量の総量が利用者の支給決定量を超えないよう管理します。支給決定量を超えないことは法律で決まっており、違反すると報酬請求が認められません。
  • 報告は「すぐに」市町村へ: 受給者証へ記載したら速やかに市町村へ連絡します。利用者が退所する場合も、退所日や理由を速やかに報告する義務があります。未報告は行政指導の対象になることもあります。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。