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独習 地域相談支援 指定基準 | 第二 指定地域移行支援に関する基準 2  運営に関する基準 (16) 

域移行支援による「体験的な利用支援」とは?


記事の概要:
障害福祉サービスの「体験的な利用支援」とは、施設や病院で暮らす障害者が地域生活へ移行する際に、地域の障害福祉サービスをお試し利用できるよう支援する仕組みです。例えば、長く入所施設にいた方がグループホームやデイサービス(昼間の活動サービス)を実際に体験利用することで、地域生活に慣れ、自信をつけやすくなります。

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体験的な利用支援は「他のサービス事業所」に委ねる

「体験的な利用支援」を提供する場合、地域移行支援事業所(相談支援専門員が所属する事業所)は、自分たちで直接サービス提供をせず、指定障害福祉サービス事業者(デイサービスやグループホームなどのサービス提供事業者)に委託して実施します。これは法律(基準第22条)で定められた原則です。地域移行支援はあくまで相談・調整役であり、実際の障害福祉サービス(例:生活介護、就労支援、グループホーム利用など)の提供は、そのサービスごとのプロが行う必要があるためです。また、委託することで、利用者は本番と同じ環境でサービスを試せます。一方、事業者側も他の専門事業所との連携を図る機会になります。

地域移行支援従事者の同行支援が求められる

利用者が体験利用をするときは、地域移行支援事業所のスタッフ(地域移行支援従事者)が原則として利用者に同行し、一緒に支援を行うことが求められます。ただサービスを委託するだけでなく、普段から利用者を支えている相談支援のスタッフが付き添うことで、利用者は安心して初めての体験に臨めます。またスタッフは利用者の様子を見守り、必要に応じて相談援助(悩み相談や助言をすること)を行います。例えば、初めてのデイサービス体験で緊張する利用者に寄り添い、リラックスできるようサポートするといった役割です。このように同行支援することで、単なる「見学」ではなく実践的な体験機会となります。

関係機関との密な情報共有と連携がカギ

体験的な利用支援を行う際には、現在利用者が暮らしている施設(例:障害者支援施設や精神科病院等)や、体験利用を受け入れる障害福祉サービス事業所の担当者とも、事前・事後にしっかり連絡調整を行う必要があります。具体的には、体験前に留意点(健康面の注意や配慮すべきこと)を伝え合い、終了後には利用者の様子や今後の支援方針を共有します。例えば、事前に「緊張しやすいのでゆっくり見守ってください」と伝え、体験後には「落ち着いて過ごせたので次は週1回から始めましょう」と皆で確認するといった具合です。こうした情報共有によって、利用者を中心に関係者全員が緊密に連携して支援を進めることができます。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 法令遵守が最優先: 地域移行支援事業を始める・運営するなら、基準第22条のルール(委託による提供、スタッフの同行、情報共有の徹底)は必ず守りましょう。これらは利用者の安全と円滑な地域移行のための最低基準です。
  • 他事業所とのネットワーク作り: 体験利用をスムーズに行うには、受け入れ先となるデイサービスやグループホームなど他の障害福祉サービス事業所との協力関係が不可欠です。日頃から地域の事業所と情報交換し、地域連携の体制を整えておきましょう。
  • 丁寧な準備とフォロー: 利用者にとって初めて利用するサービスは不安が大きいです。事前の打ち合わせで利用者の特性や注意点を共有し、当日はスタッフが同行して安心感を提供します。体験後は利用者の感想や課題をふまえて、今後の支援計画に活かしましょう。
  • 経営面での確認: 体験的な利用支援を提供した場合、条件を満たせば「体験利用支援加算」という報酬上の加算を請求できます。ですが、この加算は15日間までという上限など制限があるため、制度の最新情報を行政の通知などで確認し、適切に算定しましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。