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独習 地域相談支援 指定基準 | 第二 指定地域移行支援に関する基準 2  運営に関する基準 (22) 後半

定地域移行支援事業者に義務づけられた職場ハラスメント防止措置


記事の概要:
指定地域移行支援事業者(障害者の施設から地域生活への移行を支援する事業所)には、職場でのセクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)防止のための対策を講じることが法律で義務づけられています。本記事では制度の趣旨や具体的な対策、実務上のポイントをやさしくシンプルに解説します。

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制度の趣旨(なぜ対策が必要?)

障害福祉サービスの職員が安心して働ける環境を守るため、セクハラ・パワハラ防止策の実施が義務化されました。背景には、一般の企業と同様に事業主は職場のハラスメント防止措置を講じる法的義務があることがあります。また、セクハラには利用者やその家族から職員が受けるものも含まれると通知で明記されています。福祉の現場でも利用者等から職員へのハラスメント(いわゆるカスタマーハラスメント)は起こり得るのです。こうした被害を防ぎ、万一問題が起きた際に適切に対応することで、職員の安心とサービス品質の向上につながります。

具体的に講じるべきハラスメント防止措置

事業者が具体的に行うべきハラスメント防止措置として、主に次のポイントがあります:

  • 「ハラスメントは許さない」方針の明文化:ハラスメント禁止の方針を社内規程に定め、全職員に周知しましょう(トップ自ら明確なメッセージを発するのも効果的です)。
  • 相談窓口の設置:セクハラ・パワハラに関する相談窓口(担当者)を定め、全員に周知します。誰に相談すればよいかを明示しておくことで、被害に遭った際に声を上げやすくなります。必要に応じて外部機関の活用も検討してください。
  • 万一発生時の適切な対応:問題の訴えがあれば速やかに事実確認を行い、被害者の保護・加害者への対処・再発防止策まで適切に実施します。
  • 相談者への不利益取り扱い禁止:ハラスメントを相談・報告した職員に対し、解雇や減給など不利益な扱いをすることは禁止されています。相談した人が不利な扱いを受けない職場風土を作ることが大切です。

さらに利用者や家族からのハラスメント(カスタマーハラスメント)への備えも重要です。例えば、利用者等から著しい迷惑行為があった場合に職員が相談できる体制を整えたり、被害に遭った職員のメンタルケア、予防のためのマニュアル作成・研修実施などの取組が指針で例示されています。可能な範囲でこうした対策も講じておくとよいでしょう。

実務上の留意点

ハラスメント対策を形だけで終わらせず、実効性あるものにするためのポイントです。

  • 内部規程への盛り込み:ハラスメント防止に関する事項は運営規程や就業規則に明文化し、必要に応じて見直しましょう。社内ルールとして定着させることが第一歩です。
  • 相談しやすい工夫:小規模な事業所でも職員が相談しやすい環境づくりが必要です。例えば、社内の上司に言いづらい場合に備え、外部の相談窓口(労働局の相談ダイヤル等)をあらかじめ案内しておくとよいでしょう。相談先の選択肢を用意しておくことで、いざという時に頼りになります。
  • 継続的な周知・研修:ハラスメント対策は一度決めて終わりではなく、定期的に職員への周知や研修を行って意識付けすることが大切です。新人研修や定期ミーティングで繰り返し説明し、管理職にも適切な対応方法を教育しておきましょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • ハラスメント防止策の実施は法律上の義務である:障害福祉サービスの指定事業者は、職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントを防止する措置を講じることが法律で義務づけられています。事業所は「ハラスメントは許さない」という方針を内部規程や就業規則に明記し、全職員に周知する必要があります。経営層や管理者が率先してメッセージを発信することが、職場全体の意識向上に大きく寄与し、安心して働ける環境づくりにつながります。
  • 相談窓口の設置と周知が重要である:セクハラ・パワハラスメントに関する相談や苦情を受け付ける窓口を設け、その担当者や連絡方法を全職員に周知しましょう。相談しやすい環境をつくることで被害の早期発見に役立ちます。必要に応じて外部の専門機関の活用も検討するとよいでしょう。
  • 発生時は迅速かつ適切に対応し、相談者を保護する:ハラスメントの訴えがあった場合は速やかに事実調査を行い、被害者保護や加害者対応、再発防止策を実施します。また、相談や報告をした職員が不利益を被らないよう配慮することも事業者の責務です。公正な職場環境を維持するために欠かせない取り組みです。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。