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独習 地域相談支援 指定基準 | 第二 指定地域移行支援に関する基準 2  運営に関する基準 (25) 後半

域移行支援事業所の感染症対策指針と職員研修・訓練のポイント


記事の概要:
地域移行支援事業所などの障害福祉サービスでは、新型コロナウイルス感染症の経験も踏まえ、感染症対策が非常に重要になっています。事業を運営するには、感染症の予防とまん延防止のためのガイドライン(指針)を作成し、職員に対して定期的な研修やシミュレーション形式の訓練を実施することが義務付けられています。本記事では、これら「感染症の予防及びまん延防止のための指針」および「感染症の予防及びまん延防止のための研修・訓練」の内容について、やさしくシンプルに解説します。

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感染症の予防及びまん延防止のための指針とは?

「感染症の予防及びまん延防止のための指針」とは、事業所内で感染症が広がらないようにするためのルールブックです。地域移行支援事業所では、この指針を文書(ガイドライン)として用意しなければなりません。内容は平常時(普段からの感染症予防策)と感染症発生時(実際に感染者が出たときの対応策)の両方について定めておく必要があります。

平常時における対策とは、日頃から職員や事業所が取り組む衛生管理や感染症対策のことです。例えば:

  • 環境の衛生管理:事業所内の清掃や換気の徹底、備品の消毒など、施設環境を清潔に保つ対策
  • 支援時の感染予防策:手洗いや手指消毒の励行、マスクの着用、咳エチケットの遵守など、標準的な感染症予防策の徹底

一方、感染症が発生した場合の対応としては、迅速に感染拡大を防ぐための具体的な手順を決めておきます。例えば:

  • 発生状況の把握と報告:体調不良者や感染者が出た際に、その状況をすぐ把握し、必要に応じて保健所や行政機関へ報告する手順
  • 感染拡大の防止措置:感染の疑いがある利用者・職員の隔離、消毒の実施、濃厚接触者への対応など
  • 関係機関との連携:近隣の医療機関や保健所、市町村の福祉担当課などとあらかじめ連絡体制を整え、感染発生時には速やかに相談・協力できるようにすること

このように、指針には「普段から何をするか」と「もし感染者が出たらどうするか」を盛り込んでおきます。特に、事業所内の連絡体制や外部の関係機関への連絡方法は、いざという時に慌てないよう明文化しておくことが重要です。

指針を作成する際は、厚生労働省が公表している「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」を参考にするとよいでしょう。このマニュアルには、障害福祉サービス事業所での具体的な感染症対策の例が示されています。自社の事業所の実情に合わせて、こうした公的なガイドラインやマニュアルを踏まえ、現場で実行可能な指針を作り上げることが大切です。

感染症予防の職員研修とシミュレーション訓練

地域移行支援事業所では、作成した感染症対策指針を実践するため、職員向けの研修シミュレーション訓練を定期的に行うことが義務付けられています。これは職員が正しい知識を身につけ、いざという時に迅速かつ適切に行動するためです。

研修では、感染症の基本的な知識や衛生管理の徹底、具体的な支援時の注意点を学びます。たとえば、手洗いの方法や消毒のポイント、感染の疑いがある利用者への対応などがテーマになります。研修は年1回以上の定期開催が必要で、新規採用職員には入職時に受講させるのが望ましいです。研修の実施内容は記録し、運営指導や監査での証拠として活用します。

研修方法は、事業所内で自主的に行っても問題ありません。厚生労働省の感染対策マニュアルやオンライン教材を利用したり、小規模事業所なら職員同士で読み合わせたり映像を観たりする方法も有効です。大切なのは事業所の実態に合わせて無理なく継続できることです。

また、シミュレーション訓練も年1回以上行いましょう。これは「もし事業所で感染者が出たらどう動くか」を実際に体験して確認する訓練です。報告先の確認、利用者への連絡方法、保健所への届出、感染拡大防止策などを役割分担に沿って模擬的に進めます。訓練は実際に動く実地訓練でも、机上で手順を検討する机上訓練でもかまいません。理想的には両方を組み合わせ、流れを机上で確認した後に重要な場面を実地で練習する形です。

このように、感染症対策は「指針の作成」「職員研修」「定期的な訓練」というサイクルを回すことで、日頃の予防と有事のまん延防止を両立させることができます。利用者や職員の安全を守るため、事業者はこれらを着実に実施する責任があります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 感染症対策指針の作成:事業所ごとに「感染症の予防及びまん延防止のための指針(ガイドライン)」を作成し、平常時の衛生管理と感染症発生時の対応策を明文化しておく。連絡体制(誰が誰に連絡するか等)も盛り込む。
  • 職員研修の実施:すべての職員を対象に、感染症対策に関する研修を年1回以上定期的に実施する。研修では基本的な知識や指針の内容を周知し、新規採用職員には入職時に研修を行う。研修内容と参加者を記録し、保存する。
  • シミュレーション訓練の実施:感染症が発生した場合を想定した訓練を年1回以上行う。机上訓練(シナリオを使った演習)と実地訓練(実際の行動練習)を組み合わせ、職員が迅速に対応できるよう繰り返し練習する。
  • ガイドラインやマニュアルの活用:厚生労働省の「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」や自治体の手引き等を参考に、自事業所に合った指針や研修プログラムを整備する。定期的に内容を見直し、最新の知見や行政からの通知を反映させること。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。