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独習 地域相談支援 指定基準 | 第二 指定地域移行支援に関する基準 2  運営に関する基準 (9) (10) 

域移行支援のサービス記録と費用ルールをわかりやすく解説


記事の概要:
地域移行支援は、障害者が施設や病院から地域生活へ移るのを支援する相談支援サービスです。本記事では、このサービスを提供する事業者が守るべきルールのうち、サービス提供記録の作成方法(基準第15条)と、利用者から受け取れるお金の範囲(基準第16条)について、やさしくシンプルに解説します。

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サービス提供記録のルール(基準第15条)

地域移行支援のサービス提供記録とは、支援を提供した日時や内容などを記録する書類のことです。法律では、この記録をサービス提供のたびに作成しなければならないと定めています。つまり、「後でまとめて記録」ではなく、支援を行うごとにその都度、日付や具体的な支援内容を記録する必要があります。例えばその日の相談内容や同行支援の内容などを漏れなく書き留めます。

また、利用者の確認(署名や押印など)を受けることも義務付けられています。利用者本人に記録の内容を確認してもらい、サインなどの形で承認を得ることで、「確かにこの日にこのサービスを受けました」という双方の認識を共有できます。これはサービス提供の手続きが適切に行われたことを証明し、不正や誤解を防ぐ効果があります。

記録した書類は提供日から5年間保存する決まりもあります。これは行政からの監査や事後の確認に対応できるようにするためです。実際、自治体による指導監査でも「サービス提供記録を整備し、利用者の確認を受けて5年間保管しているか」がチェックされます。

利用者から徴収できる金銭のルール(基準第16条)

地域移行支援は公的給付で賄われており、原則として利用者の自己負担はありません(利用料は国や自治体が支払う仕組みです)。したがって、事業者が利用者本人から追加でお金をもらうことは基本的に想定されていません。法律上も、曖昧な名目で不適切な費用を利用者に請求することは禁止されています。例えば、「保証金」「○○管理料」「月会費」など理由がはっきりしない名目で一律に費用を徴収することは認められません。こうした請求は監査でも不適切な例として指摘されます。

しかし一方で、利用者の直接の利益につながるサービスで、しかも地域移行支援の範囲外のものであれば、条件付きで利用者にお金を負担してもらうことが認められています。具体的には次の二つの条件を満たす必要があります。

  • 地域移行支援の一環ではないサービスにかかる費用であること。 …つまり、本来の地域移行支援サービスの内容から外れた追加的な支援に対する費用であることが条件です。例えば、地域移行支援には含まれない特別な研修プログラムに参加する場合の費用など、通常の支援範囲外のサービスに対するものが該当します。
  • 金額・使途・理由を文書で示し、利用者の同意を得ていること。 …事業者は利用者に対して、いくらのお金が何に使われ、その費用を求める理由は何かを書面で説明し、納得した上で同意(了承)をもらわなければなりません。書面交付と説明により利用者が内容を理解し、自発的に「お願いします」と同意して初めて、費用負担を求めることができます。

以上の条件をどちらも満たせば、利用者に金銭の支払いを求めても差し支えない(問題ない)とされています。裏を返せば、1つでも条件を欠けば請求は認められません。事業者としては「これは利用者のためになるサービスだろうか?」「この費用の説明に利用者は納得してくれるか?」と慎重に判断する必要があります。なお、地域移行支援における通常の利用料や、利用者の選択により通常エリア外への訪問にかかる交通費については別途基準第17条で定められており、これらは適切に手続きを踏めば利用者から受領できます(※例えば遠隔地の利用者を訪問する場合の実費交通費は事前の説明と同意を条件に徴収可能です)。いずれにせよ、利用者負担を求める場合は極めて限定的であり、安易に追加費用を課すことはできない点に留意しましょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 記録ルールの徹底: 地域移行支援ではサービス提供のたびに記録を作成し、利用者の確認(サイン等)をもらうことが法律で義務付けられています。記録漏れや確認漏れがあると、後日の監査で指摘を受ける可能性があります。起業直後はバタバタしがちですが、記録簿の整備と5年保存を習慣づけましょう。
  • 利用者への料金請求は慎重に: 基本的に利用者からは利用料を徴収できないサービスであることを理解しましょう。事業収入は公費負担分で成り立つため、利用者に別料金を請求する場面は例外的です。例えば「特別な支援だからお金をもらおう」と判断する前に、その支援が本当に利用者のためか、サービス範囲外か、そして文書説明と同意取得という厳格な手続きを踏めるかを確認してください。安易な名目で月会費等を徴収すれば違法となり、指定取消など重大な処分につながりかねません。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。