福祉型障害児入所施設における「入所利用者負担額の受領」とは?
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福祉型障害児入所施設(障害のある子どもが入所する施設)では、サービス提供にあたり保護者からどのような費用を受け取れるか、そのルールが細かく定められています。本記事では「入所利用者負担額の受領」に関する制度について、やさしくシンプルに解説します。令和6年の最新改正に基づいた正しい情報を押さえ、戸惑わないようサポートします。
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利用者負担額とは何か?
利用者負担額とは、障害児が施設サービスを利用する際に保護者が負担する料金のことです。法律上、福祉型障害児入所施設は、この利用者負担額を必ず保護者から受け取らなければならないと定められています(基準第17条第1項)。金額は児童福祉法施行令で定められており、保護者の収入など家計の負担能力を考慮して決まります。簡単に言えば、所得に応じた自己負担上限額が設定されており、施設はその範囲内で利用料を徴収する仕組みです。事業者は勝手に額を変えたり免除したりできないので注意しましょう。
法定代理受領方式と施設利用料の請求方法
障害児の入所支援費用は大部分が公費で賄われ、保護者は一部を負担します。通常は法定代理受領方式をとり、施設が利用者(保護者)に代わって自治体に給付費(障害児入所給付費)を請求し直接受け取ります。そのため保護者は施設に利用者負担額(自己負担分)だけ支払えば済みます。
一方、施設が法定代理受領を行わない場合もありえます(基準第17条第2項)。このケースでは、公費を施設が直接受け取らないため、代わりに保護者からサービス費用の全額を受領します。具体的には、普段自治体から支払われるはずの障害児入所給付費分も含め、施設利用料の100%をいったん保護者に負担してもらう形です。もちろん保護者側は後日、その公費分を自治体に請求して精算することになります。実務では原則として法定代理受領方式で運用されるため、事業者の皆さんは通常どおり保護者から自己負担額のみを徴収すれば問題ありません。万一、代理受領を利用しない特殊な状況では、保護者への説明と必要書類の交付(サービス提供証明書の発行など)を忘れないようにしましょう。
追加で徴収できる費用の範囲
施設サービスの基本利用料(障害児入所給付費+利用者負担額)とは別に、事業者が保護者に追加で請求できる費用も定められています(基準第17条第3項)。入所中の子どもに提供する日常生活上のサービスにかかる次のような費用です。
- 食事の提供に要する費用(食費):給食やおやつ代など、食材料費や調理にかかる実費
- 光熱水費:施設で生活するうえで使う電気・ガス・水道などの料金
- 日用品費:石けんやティッシュなど、日々の生活で使う消耗品の費用
- その他日常生活に通常必要となるものの費用:上記以外で生活に欠かせない物品の費用で、保護者負担が適当と認められるもの
最後の「その他」の範囲については厚生労働省の通知(平成24年3月30日付 障発0330第31号)で具体例が示されています。例えば衣類や学用品、趣味活動に関するものなど、子どもの生活や成長に通常必要と考えられるものが該当します。ただし通常の生活上必要な範囲内に限られ、明らかに過剰なサービスや不適切な名目で費用請求することは禁止されています。
領収証の発行は必須
施設が保護者からいずれかの費用を受け取った際は、必ず領収証を発行しなければなりません(基準第17条第5項)。利用者負担額や食費等の追加費用を受領したら、その都度、誰からいくら受け取ったかを明記した領収証を保護者に交付します。領収証を発行することは法律上の義務であり、金銭トラブル防止や信頼関係の構築にも役立ちます。事業運営上、領収証の控えはきちんと保管し、収支の記録を整備しておきましょう。
サービス提供前の説明と保護者の同意の義務
追加費用が発生するサービス(例:食事提供や日用品の支給など)を行う場合、事前に保護者へ内容と費用を説明し、同意を得る必要があります(基準第17条第6項)。例えば「1ヶ月の食事代はいくらになるか」「日用品として具体的に何を提供し、その費用はいくらか」など、事前にしっかり説明しましょう。保護者の同意を文書で確認できればベストです。同意を得ずに後から請求するとトラブルのもとになりますし、法律上も認められていません。また、不明瞭な名目で寄付金を求めたり、保護者が必要性を理解していない費用を請求したりすることは厳に慎むべきです。事業者は透明性のある運営を心がけ、保護者との信頼関係を大切にしてください。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 利用者負担額(保護者の自己負担分)は法律で定められた額を、必ず徴収する義務がある(法定代理受領方式の場合)
- 法定代理受領を行わない場合は、施設サービスの費用全額(公費負担分+利用者負担分)をいったん保護者から徴収する必要がある
- 食費・光熱水費・日用品費など追加費用は別途請求可能。ただし事前に内容と金額を説明して保護者の同意を得ること、受領したら必ず領収証を交付すること
【免責事項】
