福祉型障害児入所施設における利用者負担額と給付費通知
記事の概要:
本記事では、「入所利用者負担額の管理」(基準第18条)と「障害児入所給付費の額に係る通知等」(基準第19条)という、障害児入所施設の運営基準のポイントを取り上げます。難解な行政文書の内容をやさしくシンプルに解説し、正しくその趣旨が理解できることを目指します。
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入所利用者負担額の管理(基準第18条)
「入所利用者負担額」とは、障害児入所支援を利用する際に保護者(利用者)が負担する自己負担分の費用のことです。基準第18条では、一人の障害児が同じ月に2つ以上の施設から入所支援を受けた場合、その利用者負担額は合計して算定することが定められています。つまり、例えばある月に子どもがA施設とB施設の両方を利用した場合、A施設はその子どものA施設分とB施設分の利用者負担額を足し合わせて合計額を算出しなければなりません。
この合算した入所利用者負担額の合計額について、施設には報告と通知の義務があります。具体的には、算定した合計額を都道府県に報告しなければなりません。また、その情報を保護者(入所給付決定保護者)および他に利用した施設にも伝える必要があります。これにより、同じ月に複数の施設を利用した場合でも保護者の負担額が適切に管理され、関係機関・施設間で情報共有が図られます。事業者は、このルールに沿って利用者負担額を管理することで、利用者家族に過大な負担がかかったり計算ミスが生じたりしないよう注意しましょう。
障害児入所給付費の額に係る通知等(基準第19条)
基準第19条では、障害児入所給付費(施設が提供する障害児入所支援に対して自治体から支給される給付金)に関し、施設が保護者へ行うべき手続きが定められています。大きく分けて2つの場面があります。
① 都道府県から給付費を直接受け取った場合(法定代理受領の場合)
施設が都道府県から障害児入所給付費の支給を直接受けた場合、その支給額を保護者に通知しなければなりません。法定代理受領とは、自治体が施設へ直接サービス費用を支払う仕組みのことです。この場合、保護者は自己負担額のみ施設に支払い、残りの給付費分は自治体から施設へ支払われます。施設が受け取った給付費の金額を保護者に知らせることで、「その月にどれだけ公費(給付費)が充当されたか」「保護者負担はいくらか」を明確に伝え、保護者との間で金銭面の透明性を確保できます。
② 保護者から費用の支払いを受けた場合(法定代理受領を行わない場合)
一方、サービス提供時に施設が保護者から費用の全額を受け取った場合には、サービス提供証明書を保護者に交付する必要があります。サービス提供証明書とは、その施設が提供した入所支援の内容や費用の額などを記載した書類です。保護者はこの証明書を使って、後から自治体(都道府県)に障害児入所給付費の支給を請求します。証明書には「提供したサービスの具体的な内容」「かかった費用の金額」「給付費の請求に必要な事項」など、自治体への請求手続きに欠かせない情報を記載します。施設は忘れずにこの証明書を発行し、保護者へ渡さなければなりません。
上記の2つの場面をまとめると、給付費の受け取り方法によって施設がとるべき対応が異なることが分かります。以下の表に整理しました。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 複数施設を利用した月の負担額は合算して管理 – 児童が同一月に他の入所施設も利用した場合、利用者負担額を合計算定して都道府県へ報告し、保護者や関係施設へ必要な情報を通知する義務があります。
- 給付費を直接受領したら保護者に金額を通知 – 自治体から障害児入所給付費の支給を受けたとき(法定代理受領の場合)は、その給付費の額を速やかに保護者へ知らせる必要があります。
- 保護者から費用を受け取ったら証明書を交付 – 保護者が費用の全額を支払った場合は、サービス提供証明書を作成して保護者に交付し、保護者が後日自治体に給付費を請求できるようにします。
【免責事項】
