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独習 障害児入所施設 指定基準 | 第三 指定福祉型障害児入所施設 3 運営に関する基準 (15) 

祉型障害児入所施設における指定入所支援(基準第20条)とは?


記事の概要:
福祉型障害児入所施設における「指定入所支援」とは、障害児が施設で受ける支援サービスのことです。この記事では、基準第20条の内容に沿って、施設が守るべき運営方針についてやさしくシンプルに解説します。ポイントは、一人ひとりの子どもの状況に合わせた支援、家庭的な環境づくり、子どもの意思の尊重、そしてサービスの質の向上です。本記事を読むことで、最新の基準に基づいた適切な支援の提供方法を理解できることを目指します。

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基準第20条の取扱方針とは

基準第20条は、福祉型障害児入所施設(※知的障害児施設や自閉症児施設などが該当)の運営において、子どもへの支援方法の基本的な考え方を定めた規定です。以下では、第20条の各項に沿ってそのポイントを解説します。

個々の子どもに応じた支援提供(基準第20条第1項)

施設は子ども一人ひとりに合わせた支援を行うことが求められます。 支援が「漫然かつ画一的」に提供されることを避けるため、入所支援計画や移行支援計画に基づき、各児童の心身の発達状態や置かれた環境に応じた適切な支援を提供しなければなりません。画一的とは、全ての子どもに同じやり方で支援するようなケースを指しますが、そうではなくオーダーメイドの支援が重要です。それぞれの子どもに最適な関わり方を検討し、計画に沿って実行することが基本となります。なお、厚生労働省が示している「障害児入所施設運営指針」(令和3年9月9日公表)も参考に、適切な支援の提供に努めることが望ましいとされています。

家庭的な養育環境の重視(基準第20条第2項)

施設内でできる限り家庭に近い環境を整えることが強調されています。 子どもたちは、本来は家庭で安定した愛着関係のもと養育されることが望ましいとの考えから、施設であっても「できる限り良好な家庭的環境」を再現する努力が求められます。具体的には、アットホームな雰囲気づくりを心がけ、特定の職員が中心となって子ども一人ひとりと継続的で安定した関係を築くよう努めます。例えば、担当の職員を固定して信頼関係を深めたり、生活空間を家庭に近い落ち着いたものに整えたりすることが考えられます。それにより、施設に暮らす子どもの安心感が高まり、心身の健やかな成長につながります。

子どもの意思の尊重と最善の利益(基準第20条第3項)

支援の計画や日々のケアにおいて、子どもの意思をできる限り尊重することが義務付けられています。 福祉型障害児入所施設では、子どもが将来、自立した生活を送れるように支援することがゴールの一つです。そのために、入所支援計画の作成時はもちろん、日々の支援内容や将来の生活に関して、子ども本人とその保護者の希望・意向を丁寧に聞き取る必要があります。そして、得られた意思を可能な限り支援内容に反映させ、子どもの「最善の利益」を最優先に考慮した対応を行わなければなりません。ここで言う「最善の利益」とは、子どもの成長や幸福にとって何がベストかを考えることです。なお、こども家庭庁から『支援における子どもの意思の尊重・最善の利益の優先考慮の手引き』が公表されており、施設運営者はこの内容にも十分目を通しておくことが推奨されます。

支援内容の明確化と異性介助への配慮(基準第20条第4項)

支援計画に定める内容だけでなく、普段の行事や日課も含めた「支援内容の明確化」と、子どものプライバシーや心情への配慮が求められます。 ここでいう「支援上必要な事項」とは、入所支援計画および移行支援計画の目標・内容に加えて、行事予定や日々のスケジュールなども含まれます。つまり、子どもの生活全般に関わる支援事項をきちんと計画・共有しておく必要があるということです。また、支援を行う際には子どもの意思に反して異性の職員が身体的な介助を行うことがないよう配慮する義務があります。例えば、思春期以降の子どもが異性介助に抵抗を感じる場合には、可能な限り同性の職員がケアを担当するようにします。施設の児童発達支援管理責任者(支援計画を作成・管理する担当者)等は、各児童の年齢や発達段階に応じて本人の意向を事前に把握し、それを踏まえた支援体制を整えることが重要です。このようにして、子ども一人ひとりが安心してサービスを受けられる環境づくりを徹底します。

サービスの質の評価と継続的な改善(基準第20条第5項)

提供する支援の質を常に点検し、改善し続ける姿勢が求められます。 福祉型障害児入所施設は、自ら提供する支援サービスについて定期的な自己評価を行うのはもちろん、第三者による外部評価の導入にも努めなければなりません。専門家や外部機関の目を取り入れることで、施設内では気付きにくい課題も明らかになり、サービスの質の向上につなげることができます。内部評価と外部評価の両輪で、支援内容や運営体制を見直し、より良い支援を提供するサイクルを回していくことが大切です。常に自己研鑽と改善を重ねる姿勢が、結果的に子どもの最善の利益の実現にも直結します。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 個別ニーズに応じた支援を提供する:子ども一人ひとりの心身や環境に応じて、オーダーメイドの支援計画を作成し、適切な支援を行います。
  • 家庭的で安定した環境を整える:家庭的な雰囲気を作り、特定の職員との信頼関係を深めることで、安心して生活できる環境を提供します。
  • 子どもの意思を尊重する:子どもの意向を丁寧にくみ取り、必要に応じて異性介助を避ける配慮を行い、常に支援の質を改善します。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。