福祉型障害児入所施設の運営基準解説:管理者の専任義務や給付金管理など
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福祉型障害児入所施設とは、障害のある子どもが入所して生活の支援や指導を受ける施設です。この記事では、その福祉型障害児入所施設の運営基準の一部について、やさしくシンプルに解説します。特に給付金の管理、不正受給時の対応、施設管理者の役割という3つのポイントに焦点を当てます。
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給付金の適切な管理(基準第31条)
まず、施設が子どもに関して給付金を受け取った場合の取り扱いです。基準第31条では、指定福祉型障害児入所施設の設置者(運営者)は、障害児に対しこども家庭庁長官が定める給付金の支給を受けたときは、適切に管理しなければならないと規定されています。簡単に言えば、「施設が子どものために国などから給付金(補助金や手当)を受け取ったら、それをしっかり管理しなさい」ということです。具体的には、この「こども家庭庁長官が定める給付金」とは児童手当のことを指します。たとえば、保護者に代わって施設が児童手当を受け取った場合、そのお金は子どものために使われるべきものです。施設はそのお金を紛失したり私的に流用したりせず、子どもの利益のために適切に保管・管理しなければなりません。これは子どもの権利や利益を守るための重要なルールです。
不正受給が判明したときの届出義務(基準第32条)
次に、障害児入所給付費の不正受給に関する対応についてです。障害児入所給付費とは、障害のあるお子さんの施設入所にかかる費用を賄う公的な給付金のことです。基準第32条では、この給付費を偽りその他不正な手段で受け取った人がいた場合の対応が定められています。児童福祉法第57条の2により、都道府県は不正受給者から支給額の全部または一部を返還請求(徴収)できます。そして施設側には、給付費が正しく支給されているかという観点から、もし保護者などが不正に入所給付費を受け取っている疑いが判明した場合には、遅滞なく(すぐに)その事実を都道府県に対して報告(通知)する義務があります。報告の際には、施設として把握している状況や意見も添えて伝えることになっています。このルールにより、不正受給の早期発見と適正な給付の確保が図られます。事業者としては利用者の負担や公費が不正に扱われていないかに注意を払い、問題があれば速やかに行政へ協力・連絡する責任があるということです。
管理者は常勤・専任が原則、その役割も明確に(基準第33条)
最後に、施設の管理者に関する基準です。基準第33条第1項では、福祉型障害児入所施設の管理者は常勤で、かつ原則としてその施設の管理業務に専念することと定められています。つまり、施設長など管理者はフルタイムで働き、基本的には他の仕事を兼ねずに当該施設の管理だけに従事しなければなりません。それだけ施設運営の責任が重く、現場をしっかりと統括する必要があるということです。
しかし、いくつか例外も認められています。以下の場合で、かつ施設の管理業務に支障がないと認められるときには、管理者が他の職務を兼任することも可能です。
- 自施設の従業者としての業務を行う場合(同じ施設内で、管理者が直接子どものケアや生活支援にあたるようなケース)。管理者が現場に入ってスタッフとして働くこと自体は、管理上差し支えなければ許容されます。
- 他の事業所や施設で管理者または従業者として勤務する場合。例えば、併設の関連施設を管理したり、他施設のスタッフを兼務したりするケースです。ただしこの場合、常に自施設の利用者の状況を適時適切に把握でき、一元的に職員及び業務を管理・指揮できる体制であることが絶対条件です。さらに、事故発生時等の緊急時の対応についてあらかじめ手順を定め、必要に応じて管理者自身が速やかに駆けつけられる準備も求められます。
続く第2項および第3項では、管理者の責務がより具体的に示されています。管理者は利用者(子どもたち)への支援の場面等で生じる様々な事象をタイムリーかつ適切に把握しながら、職員と業務を一元的に管理する役割を担います。また、自施設の全ての従業者に対し、運営基準を遵守させるために必要な指揮命令を行うことも管理者の重要な職務です。平たく言えば、現場で何が起きているかをきちんと把握し、スタッフに的確に指示を出して、決められたルールに沿った支援を提供できるよう管理全般を取り仕切るのが管理者の使命ということです。利用者本位の支援(利用者の視点に立ったサービス提供)を実現するため、管理者にはリーダーシップと管理能力が強く求められています。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 給付金の管理徹底: 施設が児童手当など子どもに支給される給付金を受け取った場合、適切に保管・管理し、子どものために使うことが求められます。公的給付の管理は利用者の権利を守るうえで基本です。
- 不正受給の早期報告: 利用者家族による障害児入所給付費の不正受給が発覚した際は、速やかに都道府県へ報告する義務があります。不適正な受給を見逃さず、行政と連携して是正することも事業者の責任です。
- 管理者の配置と責任: 管理者は原則フルタイム専任で配置し、施設運営に専念させましょう。他業務を兼ねる場合でも、常に施設を把握して緊急時に対応できる体制が必要です。また、管理者は現場を統括し、スタッフにルール遵守を徹底させる責任があります。組織の要として、適切な人材を選任し、その役割を十分に果たせるようにしましょう。
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