スキップしてメイン コンテンツに移動

独習 障害児入所施設 指定基準 | 第三 指定福祉型障害児入所施設 3 運営に関する基準 (30) 後半

定福祉型障害児入所施設:職場ハラスメント防止が義務化、そのポイント解説


記事の概要:
指定福祉型障害児入所施設(障害児が入所する福祉施設)において、セクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)など職場でのハラスメント防止対策が法律上の義務となりました。職員が安心して働ける職場環境を守るため、施設運営者はハラスメントを未然に防ぎ、問題が起きた際に適切に対応する仕組みを整える必要があります。本記事では、その具体的な義務内容と対応策について、やさしくシンプルに解説します。

障害福祉サービスの現場では、上司や同僚間だけでなく、利用児の保護者などから職員がハラスメントを受ける場合や、障害のある子ども本人が職員に対して問題行動をとるケースもあります。こうしたあらゆる形のハラスメントに適切に対処することは、法令遵守だけでなく、職員の離職防止やサービスの質向上にもつながります。ぜひ最後までお読みください。

▶︎ 福祉型障害児入所施設 関連記事まとめページはこちら

ハラスメント防止措置が義務化された背景

近年、セクハラ・パワハラ防止策の強化が図られ、男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)により、事業主は職場におけるハラスメント防止のための措置を講じることが義務づけられています。指定福祉型障害児入所施設もその対象に含まれており、令和6年の省令改正で職場のセクハラ・パワハラ対策を実施することが明確に義務づけられました。これは、職員が安心して働き続けられる環境を整えるために必要な取り組みです。

施設が講じるべき具体策

施設運営者が取るべきハラスメント防止の具体策として、厚生労働省のガイドライン(セクハラ防止指針・パワハラ防止指針)では以下のポイントが特に重要とされています。

  • ハラスメント禁止の方針の明確化と周知・啓発: 職場でどのような言動がハラスメントに当たるかを示し、「ハラスメントを行ってはならない」という施設の方針を明文化します。その上で就業規則や研修などを通じて全職員に周知し、啓発活動を行います。トップや管理職から明確なメッセージを発信し、職員がハラスメントに対する正しい知識を持つことが大切です。
  • 相談窓口の設置と体制整備: ハラスメントに関する相談窓口をあらかじめ設置し、担当者(相談対応担当者)を決めておきます。万一職員がセクハラ・パワハラ被害や悩みを抱えたときに、安心して相談できる体制を整えます。相談窓口の存在や利用方法は全職員に通知し、誰でも相談しやすい雰囲気づくりをしましょう。また、相談内容の秘密は守られ、相談した人が不利益な扱いを受けないことも周知しておく必要があります。

これらの措置は法律で義務付けられているため、実施を怠れば法令違反となり得ます。まだ対策が十分でない施設は早急に体制整備を進めましょう。

顧客や障害児によるハラスメントへの望ましい取組

さらに、職場内のハラスメント防止策に加えて、利用者や保護者から職員へのハラスメント(カスタマーハラスメント)への対応も重要です。厚労省のパワハラ防止指針では、顧客等による著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)への配慮として、事業主が行うことが望ましい取組例が示されています。それを踏まえ、施設として以下のような対応策に取り組むと良いでしょう。

  • 相談対応の体制整備: 保護者等からのクレームや暴言などハラスメント的な行為についても、職員がすぐに相談でき適切に対処してもらえる窓口・体制を整備します。先述の相談窓口でこうした外部からのハラスメント相談も受け付け、管理職が迅速に対応する仕組みを作ります。
  • 被害職員への配慮: ハラスメント被害を受けた職員の心身のケアにも努めます。必要に応じてメンタルヘルス相談を行ったり、問題のある保護者対応を同じ職員一人に背負わせず、別のスタッフと交替させるなど負担を軽減する措置を検討します。
  • 再発防止策(マニュアル・研修等): 顧客対応時のトラブルを想定したマニュアルの整備や、職員向けの研修の実施も効果的です。実際に起こり得るケースを共有し、適切な対処方法を職員が学ぶことで、組織として落ち着いた対応ができるようになります。

また、障害児本人による職員への暴力行為や強いこだわりによるトラブルなど問題行動への対応も重要です。職員からの相談に応じ、職場環境が損なわれないよう適切に対処する体制を整えましょう。同時に、子どもの問題行動が少しずつ減り健やかに成長できるよう、適切な支援を続けていくことも必要です。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • ハラスメント防止策の実施は法律上の義務: 指定福祉型障害児入所施設では、職場のセクハラ・パワハラ対策を講じることが義務付けられています。法令遵守のため、必ず対応が求められます。
  • 具体的な防止策の整備: ハラスメント禁止の方針を定め職員に周知すること、相談窓口を設置して被害相談に迅速に対応できるようにすることが重要です。研修の実施や周知徹底によって職員の意識向上も図りましょう。
  • 利用者・保護者対応も含めた体制づくり: 保護者等からのクレーム・嫌がらせや、障害児による問題行動にも対応できる相談体制を用意しておくと安心です。被害を受けた職員のケアや、トラブル防止のマニュアル整備など、職員を守る施策にも積極的に取り組みましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。