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独習 障害児入所施設 指定基準 | 第三 指定福祉型障害児入所施設 3 運営に関する基準 (32) 

祉型障害児入所施設の定員遵守とは?110%ルールと例外条件を解説


記事の概要:
福祉型障害児入所施設(※障害のある児童が入所して生活する施設)の運営においては、定員遵守(ていいんじゅんしゅ)という重要なルールがあります。これは各施設ごとに定められた入所定員(受け入れ可能な児童数)の範囲内で運営することを義務づけるもので、サービスの質を維持するために原則として定員を超える受け入れを禁止しています。

もっとも、現場では緊急の受け入れなどやむを得ない場合も考えられます。そのため法律の基準(基準第36条)では、一定の条件下で定員をわずかに超えて児童を受け入れることが例外的に認められています。本記事では、通称「110%ルール」とも呼ばれるこの定員超過の条件と内容について、やさしくシンプルに解説します。

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定員遵守の原則(基本ルール)

まず、定員遵守の原則について押さえましょう。福祉型障害児入所施設には行政から入所定員(何人まで児童を入所させられるかの上限)が指定されています。原則として事業者はこの定員を超えて児童を受け入れてはなりません。定員オーバーの状態になると、人員配置が追いつかず障害児への支援提供に支障が生じるおそれがあります。そのため、法律上も「定員を超える受け入れは禁止」と明記されているのです。

定員超過が認められる例外と条件

しかし、地域で他に受け入れ先がないなどのやむを得ない事情がある場合には、一定の範囲で定員超過が認められます。ただし、この場合でも適切なサービス提供が確保できること(定員を超えても職員体制や支援の質に問題がないこと)が大前提です。あくまで緊急措置としての例外であり、通常時から定員以上の受け入れが常態化することは避けなければなりません。

定員超過が許容される範囲には、次のような明確な上限が定められています:

  • 1日の受け入れ人数上限: その日1日に施設が受け入れる児童の数には上限があります。定員50人以下の施設では、1日の受入人数は定員の110%(1割増し)以内とされています(例:定員50人なら最大55人まで受け入れ可能)。定員51人以上の施設では、さらに細かい計算式が適用され、1日あたり「定員 + (定員-50人)×5% + 5人」まで受け入れ可能です。例えば定員60人の施設なら、50人を超える部分は10人なのでその5%は0.5人、さらに5人を足して約65人まで受け入れ可能となります(60 + 0.5 + 5 = 65.5 ≒ 65人)。端数が出た場合は切り捨てとなるため、実際には65人が上限です。定員が大きい施設ほど上乗せできる割合(%)は小さくなりますが、それでも通常定員に数人程度を加えた受け入れまでが許容されています。
  • 過去3か月間の延べ利用者数上限: 短期的な1日だけでなく、長期的にも定員超過が常態化しないように、直近3か月間に施設が受け入れた延べ利用者数(毎日の利用者数の合計)にも上限があります。基準では、過去3か月の延べ数が「定員 × 開所日数 × 105%」以内に収まっていることが条件とされています。平たく言えば、3か月平均で見て定員の105%以内に利用を抑える必要があるということです。例えば定員50人の施設が直近3か月で90日開所した場合、延べ利用者数の上限は50人×90日=4500人の105%にあたる4725人となります。この範囲内(1日平均約52.5人まで)であれば、一時的に定員を上回る日があっても総合的に見て定員遵守とみなされます。

以上のように、福祉型障害児入所施設では原則として定員を超える受け入れは禁止されていますが、緊急かつ必要な場合に限り、1日あたり約110%まで、そして3か月平均で105%以内という条件付きで例外的に認められています。事業運営上はこのルールを正しく理解し、定員超過を行う際も上限を守って計画的に対応することが重要です。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 定員は原則厳守: 福祉型障害児入所施設では入所定員を超えた受け入れは禁止(サービス品質確保のため)です。まずは定員内で運営し、児童に十分な支援を提供できる体制を整えましょう。
  • やむを得ない場合のみ定員超過可能: 地域に受け皿がない等やむを得ない事情があり、サービスの質を維持できることを前提に、例外的に定員オーバーの受け入れが認められます。その際の上限は1日あたり定員の110%以内(※定員51人以上の施設は独自の計算式による上限あり)です。
  • 3か月平均で105%以内に収める: 一時的に定員を上回る日があっても、長期的には定員を大きく超えない運営が求められます。具体的には直近3か月の延べ利用者数が「定員×開所日数×105%」以内に収まるように調整し、常態的な定員超過とならないよう注意しましょう。


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