指定福祉型障害児入所施設での身体拘束禁止:ガイドライン策定と職員研修のポイント
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指定福祉型障害児入所施設とは、障害のある子どもが生活する入所施設のうち福祉型のものを指します。こうした施設では、子どもの身体を拘束する行為(身体拘束)は原則として禁止されています。児童福祉法の省令で定められており、緊急やむを得ない場合を除き、子どもの行動を物理的に制限してはならないとされています。また、万一やむを得ず身体拘束を行った場合でも、その方法や時間、理由などを詳しく記録する義務があります。この記事では、このルールを踏まえ、施設内で定める「身体拘束等の適正化のための指針」(ガイドライン)の内容と職員に対する研修のポイントについてやさしくシンプルに解説します。
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身体拘束等の適正化の指針に盛り込むべき内容
指定福祉型障害児入所施設では、身体拘束をなくし適正に運営するため「身体拘束等の適正化のための指針」を整備することが義務付けられています。この指針には以下のような7つの基本項目を盛り込む必要があります。
施設の基本的な考え方: 身体拘束をどのように捉え、原則禁止とする姿勢や、緊急時以外は行わないという施設全体の方針を示します。
委員会など組織体制: 施設内で身体拘束の適正化に取り組む組織について定めます。例えば、身体拘束適正化検討委員会(職員による横断的な委員会)の設置や構成メンバーの役割など、内部チェック体制に関する事項です。
職員研修の方針: 身体拘束を無くすために職員にどんな研修を行うか、その方針を示します。研修の頻度や対象職員などについても含めます。
身体拘束発生時の報告方法: 万一施設内で身体拘束の事例が発生した場合に、誰にどのように報告するかを決めておきます。速やかな報告と情報共有の手順を定めます。
身体拘束発生時の対応方針: 身体拘束が起きてしまったとき、施設としてどう対応するかの基本方針です。子どもの心身のケアや拘束解除までの流れ、再発防止策の検討などを示します。
指針の閲覧方法: 作成した指針を障害児本人や家族が閲覧できるようにする方針です。施設に指針を備え付け、保護者から求めがあれば見られるようにします。
その他必要な方針: 上記以外で、身体拘束の適正化を推進するために必要な基本方針です。施設ごとに独自の取り組みや追加ルールがあれば盛り込みます。
以上がガイドライン(指針)の主な内容です。施設ごとに詳細な書きぶりは異なりますが、身体拘束をしないための考え方や仕組みを網羅することがポイントになります。指針を策定し職員や利用者家族と共有することで、施設全体で身体拘束ゼロを目指す共通認識を育むことができます。
職員に対する身体拘束適正化研修の実施ポイント
法律では、上記の指針に基づいて職員向け研修を定期的に実施することも義務付けています。研修の目的は、身体拘束を適正化するための基礎知識や対応方法を職員に浸透させることです。ここで押さえるべきポイントを整理します。
研修頻度と新人研修: 研修は年1回以上、全職員を対象に定期的に実施しなければなりません。また、新たに職員を採用した時には、入職時に必ず身体拘束等の適正化に関する研修を行う必要があります。
研修内容と記録: 施設は指針に沿った研修プログラムを作成し、身体拘束を避けるための基本知識や緊急時対応策などを計画的に教育します。そして、研修の実施日時や内容は記録しておく必要があります。
研修方法の柔軟性: 研修は施設内研修で実施して問題ありません。さらに他の研修とまとめて行うことも可能です。例えば、虐待防止研修の一部で身体拘束の適正化について扱えば、それだけで身体拘束研修を行ったと見なされます。
これらの研修を通じて、職員全員が身体拘束をしないケアを徹底できるようになることが目標です。定期研修と指針の活用によって、施設全体で継続的に支援の質を向上させていきましょう。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 身体拘束適正化ガイドラインの整備: 指定福祉型障害児入所施設では、身体拘束を無くすための指針を策定し、基本方針(施設の考え方、委員会体制、研修方針、報告・対応方法、家族への情報公開など)を網羅する必要があります。
- 職員研修の定期実施と記録: 職員に対し、身体拘束等の適正化に関する研修を年1回以上定期的に実施しなければなりません。新規採用職員にも必ず研修を行い、その内容を記録しておくことが求められます。
- 研修方法は柔軟に対応: 身体拘束に関する研修は、施設内研修や他の研修との合同でも実施可能です。必要な内容が含まれていれば形式にとらわれず研修を行って構いません。
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