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独習 障害児相談支援 指定基準 | 第二 指定障害児相談支援に関する基準 2  運営に関する基準 (11) ⑯

害児相談支援における支援利用計画の実施状況把握と評価の重要性


記事の概要:
障害児相談支援の現場では、障害児支援利用計画(サービス利用計画)を作成した後も、その計画が適切に実行されているか常に確認し、必要に応じて見直すことが求められます。障害のあるお子さんのニーズ(解決すべき課題)は成長や環境の変化によって変わるため、計画策定後のモニタリング(継続的な評価)が非常に重要です。相談支援専門員はお子さんやご家族、サービス提供事業者と継続的に連絡を取りながら、支援計画の進捗やお子さんの課題の変化を把握し、状況に合わせた対応を行います。本記事では、このモニタリングと評価の役割や具体的なポイントについて、やさしくシンプルに解説します。

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モニタリングを通じた継続的な支援の必要性

障害児相談支援では、一度計画を立てたら終わりではありません。支援利用計画の実施状況の把握、つまりモニタリングを継続的に行うことで、その計画が実際に効果を発揮しているか、お子さんのニーズに変化がないかを確認します。例えば、お子さんが成長するにつれて状況が変わったり、新たな課題が生じたりすることがあります。定期的なモニタリングによって、こうした変化を見逃さず、支援内容を常にお子さんに合ったものに調整することが可能です。適切なサービスを組み合わせて提供し続けるためには、継続的な評価と見直しが欠かせません。

相談支援専門員の役割:計画の見直しと連絡調整

計画作成後も、相談支援専門員はお子さん本人やご家族、さらには実際にサービスを提供している事業所(スタッフ)との継続的な連絡を密に行います。これにより、計画通りにサービスが提供されているか、その効果がお子さんの課題解決につながっているかを日々確認します。もしモニタリングの結果、支援利用計画の変更が必要と判断される場合は、計画内容や目標を更新します。また、お子さんの状態によってはモニタリングを行う頻度(期間)を見直すことも重要です。例えば、状態が不安定な場合はより頻繁に、安定している場合は標準的な頻度でモニタリングを設定します。さらに、サービス提供者や関係者との連絡調整も相談支援専門員の大切な役割です。各担当者との円滑な情報共有を図り、お子さんの状況に変化があれば速やかに連絡を取り合える体制を整備します。

新たなサービス利用が必要な場合の対応

モニタリングの過程で、現在のサービスだけではお子さんの課題解決が難しく、新たなサービス利用が必要だと分かるケースもあります。その場合、相談支援専門員はご家族に対して新たなサービスの利用申請を積極的に勧めることになります。これは「通所給付決定」と呼ばれる行政の手続きを指し、新しい障害児通所支援サービス(例:新たなデイサービスや療育プログラムなど)を利用するために自治体の給付決定を受けるものです。必要だと認められれば、早めに申請して支給決定を受けることで、お子さんに適した追加の支援を受けられるようになります。相談支援専門員は、その申請の段取りや必要書類の案内なども含め、ご家族をサポートします。

サービス提供者との連携と記録の保存義務

障害児に直接サービスを提供する各サービス事業者(担当スタッフ)は、お子さんの変化に気づきやすい立場にあります。そのため、相談支援専門員は日頃からサービス提供者との緊密な連携に努める必要があります。定期的な情報交換やケース会議などを通じて、お子さんの様子や課題の変化を共有し、必要に応じて支援内容を調整します。また、こうした連絡調整を行った内容については記録を残すことが法令で義務付けられています。関連基準(障害児相談支援の運営基準)では、サービス提供者等との連絡調整に関する記録を5年間保存しなければならないと定められています。適切な記録の保存は、サービスの質を担保するとともに、後日の確認や監査に備える意味でも重要です。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 計画後のモニタリング徹底: 障害児支援利用計画を作成した後も、定期的なモニタリング(継続的な評価)を行い、お子さんのニーズ変化に応じて計画や支援内容を柔軟に見直すことが重要です。
  • 関係者との連携強化: 相談支援専門員はご家族やサービス事業者との連絡を密にし、サービス提供状況やお子さんの状態を常に把握します。必要に応じて計画変更や新サービスの利用申請をサポートできる体制づくりを意識しましょう。
  • 記録管理と法令遵守: 連絡調整の内容を記録し、最低5年間保存することは法律上の義務です。また、記録の適切な管理は事業運営上の信頼性確保とコンプライアンス(法令遵守)の面でも欠かせません。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。