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独習 障害児通所支援 指定基準 | 第六 居宅訪問型児童発達支援 1 人員に関する基準 2 設備に関する基準

宅訪問型児童発達支援の人員基準・設備基準を解説


記事の概要:
居宅訪問型児童発達支援は、重度の障害がある子どもたちが通所による支援を受けることが難しい場合に、自宅で発達支援を受けられるようにするサービスです。このサービスでは専門スタッフが児童の自宅を訪問して支援を行います。本記事では、居宅訪問型児童発達支援の人員に関する基準(スタッフ要件)と設備に関する基準(事業所の設備要件)について、やさしくシンプルに解説します。サービスの理解において押さえるべきポイントを、公式の基準に沿って整理しました。

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人員に関する基準(スタッフ要件)

居宅訪問型児童発達支援事業を行うには、十分な人数のスタッフを配置する必要があります。法律上は具体的な人数は定められておらず、地域での利用状況や業務量に応じて「適切な員数」の従業者を確保することとされています。つまり、利用者のニーズに見合ったスタッフ数を揃えなければなりません。

加えて、スタッフの資格と経験にも要件があります。実際に自宅を訪問して支援を行うスタッフは「訪問支援員」と呼ばれ、一定の資格・経験を持つ人でなければなりません。具体的には、以下のいずれかに該当することが求められます。

  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、保育士:資格取得後に障害児の直接支援に3年以上従事した経験がある
  • 児童指導員、心理担当職員:その職に就いてから障害児の直接支援に3年以上従事した経験がある

要するに、資格を取ったばかりの未経験者ではなく、3年以上の実務経験を積んだプロフェッショナルである必要があります。対象となる子どもたちは重度の障害や医療的ケアが必要なケースが多いため、支援員には十分な経験とスキルが求められるのです。

設備に関する基準(オフィス・設備要件)

次に、事業所の設備基準についてです。事業を運営するためのオフィスや設備も基準で定められています。ポイントは大きく3つあります。

項目基準のポイント
事務室 (オフィス)専用の事務室(必要な広さ)があるのが望ましい。
他サービスと同じ事務室を使う場合は、パーテーション等で明確に区切ればOK。
仕切りがなくても、スペースが特定できて業務に支障がなければ問題ありません。
受付スペース利用申し込みの受付や相談に対応できるスペースを設けます。
設備・備品サービス提供に必要な設備や備品をそろえます。
特に手洗い設備などの感染症予防に必要な設備に配慮します。
同じ敷地内に他の事業所や施設がある場合は、その設備・備品を利用してもOK(お互いの運営に支障がなければ)。
設備や備品は事業者が必ずしも所有している必要はなく、借用(レンタル)でも構いません。

以上のように、居宅訪問型児童発達支援の事業所では専用スペースの確保と必要な設備の用意が求められます。ただし基準には一定の柔軟性もあり、他の事業とのスペース共有や備品のレンタルなども認められています。これは新たに事業を始める場合でも、既存の資源を活用しやすいように配慮された基準です。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 経験豊富なスタッフの確保: スタッフ人数は利用者ニーズに応じた十分な数を配置します。特に訪問支援員は理学療法士などの専門資格を持ち、3年以上の障害児支援経験がある人材を用意する必要があります。
  • 専用事務スペースの設置: 事業運営のための専用の事務室や受付スペースを確保します。他の事業所と共用する場合も、明確に区分して支障がないようにすることが求められます。
  • 必要設備の準備と柔軟な運用: 手洗い設備など感染症対策を含め、サービスに必要な設備・備品をきちんと揃えます。同一敷地内の別施設の設備を利用したり、備品をレンタルするなど、柔軟に対応して基準を満たすことも可能です。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。