障害児通所支援における複数事業所運営のルール
記事の概要:
障害のある子ども向けの通所支援サービス(障害児通所支援)には、例として児童発達支援や放課後等デイサービスなどがあります。こうしたサービスを提供する事業者の中には、同じ法人が複数の事業所を運営しているケースも見られます。本記事では、同一法人が複数の障害児通所支援事業所を運営する場合のルールについて、最新の行政通知に基づきやさしくシンプルに解説します。特に、一つの事業所で複数サービスを一体的に提供する多機能型事業所として扱う条件や、例外となるケースについて整理します。
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同一敷地内で複数事業所を運営する場合の扱い
まず、同じ敷地内(同じ建物や敷地)で、同一法人が複数の障害児通所支援事業所を設置しようとする場合のルールです。この場合、原則として一つの事業所としてまとめて扱われます。例えば、同じビル内で児童発達支援事業所Aと放課後等デイサービス事業所Bを別々の名前で開設しても、行政上は一つの多機能型事業所として一つの指定(事業所番号)が付与されるイメージです。事業所名自体は分けることも可能ですが、指定上は一本化されるため、請求業務などでは両サービス分が合算処理されるなど運営上も一体として扱われます。
多機能型事業所とは何か?
多機能型事業所とは、一つの事業所で2種類以上の障害児通所支援サービスを一体的に提供する形態のことです。例えば児童発達支援と放課後等デイサービスを一つの事業所で提供する場合が該当します。多機能型にすることで、一人の子どもが年齢や放課後の状況に応じて複数サービスを継続的に利用できるメリットがあります。一方で、事業所管理が一元化されるため、請求や職員配置の調整が複雑になるといった注意点もあります。
異なる場所で複数事業所を運営する場合の扱い
次に、異なる場所(別の建物や離れた場所)で、同一法人が複数の障害児通所支援事業所を運営するケースについてです。この場合、それぞれを一つの多機能型事業所として一元化できるかどうかは、一定の要件を満たすかによって決まります。要件を満たせば、地理的に離れた事業所同士でも一体的な運営が可能としてまとめて一つの事業所とみなすことができます。要件を満たさない場合は、それぞれ別個の事業所として扱われ、個別に指定を受ける形となります。
多機能型として一元管理するための主な要件(異なる場所の場合):
なお、令和6年の法改正により、医療型児童発達支援が児童発達支援に統合されることになりました。この改正に伴い、従来の医療型事業所が、名称変更される形で児童発達支援事業所として新たに運営されることになります。ただし、重要なのは、単なる名称変更ではなく、事業所の運営形態がどのように変化するかです。もし、旧医療型児童発達支援事業所が法改正後に名称を変えて運営を続ける場合でも、その運営が完全に独立して行われているのであれば、事業所は独立した事業所として扱うことができます。これは、法人内で異なる事業所が一体的に運営されていない場合、例えば、人員や設備が重複せず、サービス提供が分けて行われている場合に適用されます。
このような場合、法人が複数の事業所を独立して運営していれば、法改正後もその事業所を独立して扱うことが認められるという点です。つまり、法人が選択する運営の形態により、事業所を一体化させるか、独立して運営するかを決めることができるということです。
例えば、法人が2つの事業所(旧医療型事業所A、B)を運営している場合、法改正後、これらの事業所をそれぞれ独立した児童発達支援事業所A、Bとして運営することが可能です。一方で、もし事業所AとBが地理的にも近く、運営が一体化しやすいと判断した場合には、これらを1つの事業所として統合することもできます。したがって、法人には、事業所を分けて運営するか、まとめて運営するかの選択肢が与えられているわけです。
このように、運営が一体化されているかどうかが、事業所を統合するか独立させるかの判断基準となります。法人がどのように運営するかに対して一定の自由があり、それに基づいて事業所を運営する形態を選べるということです。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 同一敷地内の複数事業所は一つに統合される : 同じ場所で2つ以上の障害児通所支援サービス事業所を運営する場合、行政上は一つの多機能型事業所として扱われ、事業所番号なども一本化されます。
- 離れた場所でも条件次第で一体運営が可能 : 別々の場所にある事業所でも、スタッフや運営を一元化し相互に連携できる体制が整っていれば、多機能型事業所として一元化することが可能です(要件:定員5名以上、事業所間30分以内、運営規程や人事会計の統一など)。
- 独立運営なら無理に統合しなくてOK : 法改正によるサービス区分の統合期でも、各事業所が完全に独立して運営され人員・設備も別々に確保されている場合は、従来どおり別個の事業所として扱うことができます。統合するか分けるかは、運営実態に合わせて判断されます。
【免責事項】
