障害者デイサービス・小規模作業所の指定障害福祉サービス事業所への転換ポイントをわかりやすく解説
記事の概要:
この記事では、障害者デイサービス事業所や小規模作業所を現在の指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合のルールについて解説します。障害福祉サービス制度は平成18年(2006年)に大きく変わり、それまでの旧制度の施設や事業所を新制度へ移行させるための経過措置(移行期間中の特別なルール)が設けられました。本記事では、その中から特に次の2つの場合について、わかりやすく説明します。
- 障害者デイサービス事業所を指定障害福祉サービス事業所に転換する場合の取扱い
- 小規模作業所を指定障害福祉サービス事業所に転換する場合の取扱い
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障害者デイサービス事業所を指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合
まず、障害者デイサービス事業所とは、旧制度のもとで障害のある方に日中活動の場(デイサービス)を提供していた事業所です。平成18年(2006年)に障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)が施行され、新たに指定障害福祉サービス事業所という形でサービス提供することが求められるようになりました。この移行に際し、旧制度の入所施設(障害者の入所施設)に併設されていたデイサービス事業所については、特別な取り扱いが認められました。
その特例では、2006年9月30日時点で存在していた入所施設併設の障害者デイサービス事業所で、利用定員(サービスを利用できる人数の定員)が10人以上であれば、新制度の指定障害福祉サービス事業所として転換(指定を受けること)が可能とされました。これは、本来必要とされる定員規模(20人以上)を満たさなくても、併設先の入所施設との合計で20人以上となる見込みを踏まえた特例措置です。
ただし重要なのは、この措置が経過措置であり一時的なものであることです。旧法の入所施設が新制度の指定障害者支援施設へ移行した時点で、併設のデイサービス事業所は廃止(閉鎖)され、そのサービスは入所施設内の日中サービスに統合されます。つまり、デイサービス単独の事業所としては残らず、入所施設の一部門としてサービス提供が続けられることに留意しましょう。
小規模作業所を指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合
次に、小規模作業所に関するケースです。小規模作業所とは、かつて各地域で自主運営されていた障害者の小さな作業施設のことです。新制度では、小規模作業所も正式な障害福祉サービス事業所として位置づけ、サービスの質や継続性を高めようとしました。しかし、利用者数がごくわずかで、通常の定員基準(20人程度)を満たせない作業所も少なくありません。特に過疎地域などでは、そのままでは新制度の事業所に移行できないおそれがありました。
そこで、新制度移行に際し経過措置が設けられました。過疎地域など将来にわたり利用者確保が難しいと自治体に認められた地域にある小規模作業所(または地域活動支援センター)では、定員が少なくても事業所への転換が認められたのです。具体的には、2012年3月31日までに生活介護や就労支援などの障害福祉サービス事業所へ移行する場合、定員合計10人以上あれば指定を受けることができました。この特例も移行期間限定の措置で、期限(2012年3月末)までに転換しなかった小規模作業所は新制度の指定を受けられなくなりました。逆に、この特例で転換した事業所は、利用者が少なくても正式な指定事業所となったため、障害福祉サービスの給付(報酬)を受けながら運営を続けられています。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 経過措置は期限付き:上記の特例はいずれも制度移行期の経過措置であり、永久的に適用されるものではありません。デイサービス併設施設の特例は旧施設が新施設へ移行するまでの一時措置であり、小規模作業所の特例は2012年3月までに転換する場合に限られました。現在新規に事業を始める場合、これらの特例は適用されない点に注意しましょう。
- 通常求められる定員規模:障害福祉サービス事業所として指定を受けるには、原則として20人程度の利用定員を確保できる規模が望ましいとされています。事業の安定運営やサービスの質確保のための目安であり、特例がない限り小規模すぎる事業所は指定が難しくなります。計画段階で地域のニーズを調査し、十分な利用見込み人数を確保することが重要です。
- 自治体との相談:過疎地や特殊な事情でどうしても利用者数が確保できない場合は、市町村や都道府県の担当部署に相談してみましょう。地域によっては、小規模事業所を支援する別の仕組み(地域活動支援センター事業など)が用意されている場合もあります。行政と協力し、地域ニーズに合った事業形態や支援策を検討してみましょう。
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