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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 1 事業者指定の単位について ③ー1

法施設から指定障害福祉サービス事業所への転換:指定の単位とは?



記事の概要: 
障害者福祉の分野では、かつての制度下の施設(旧法施設)から現行制度の指定障害福祉サービス事業所へ移行(転換)する動きがあります。本記事では、厚生労働省の資料をもとに、その転換時に重要となる「指定の単位」の考え方をやさしく解説します。特に、(1) 原則的な指定単位のルール、(2)「分場」の扱い、(3) 一箇所に複数の旧法施設がある場合の対応――の3点に焦点を当てます。

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① 原則的な指定の単位(基本ルール)

旧制度下で個別に指定を受けていた施設(特定旧法指定施設)は、原則としてそれぞれが独立した単位で新制度の事業所に転換する必要があります。​簡単に言えば「旧法の施設1つにつき、新制度の事業所1つ」ということです。ただし、旧法施設同士が主たる事業所と従たる事業所の関係にある場合(例えば本体施設にデイサービスセンターが併設されているケース)は、一定の要件を満たせば複数の旧法施設をまとめて1つの事業所として転換することも認められます。

入所施設にデイサービスセンターが併設されているケースでは、デイサービスセンター部分は単独のサービス事業所(例えば指定生活介護事業所)として独立して転換できます。一方、入所施設の定員の一部とデイサービスセンターの定員の一部を組み合わせて1つの新しい事業所(例えば生活介護事業所)にするような転換は認められません​。












② 分場の取扱い(サテライト施設の扱い)

旧法施設の分場(本体とは別の場所にあるサテライト施設)は、原則として転換後も本体事業所に付随する従たる事業所として扱われ、本体と一体で一つの指定障害福祉サービス事業所となります​。その一方で、分場自体が単独の事業所として運営できる規模・体制を満たす場合は、分場のみを切り離して独立した指定障害福祉サービス事業所に転換することも可能です​。







③ 同一法人による複数施設の転換(一箇所で複数施設を運営する場合)

最後に、同じ法人が一つの敷地内で複数の旧法施設を運営しているケースについてです。原則では各旧法施設ごとにそれぞれ新しい事業所へ転換しますが、一定の条件を満たせば、複数の施設をまとめて多機能型事業所にしたり、サービス種別ごとに別々の事業所に分割したりすることも可能です。 

この「一定の条件」とは、転換後の各事業所ごとに必要な設備や人員を確保できることです​。例えば、レクリエーション室のようなサービス提供に直接関わらない設備は共有しても構いませんが、各事業所に基準を満たす専用設備とスタッフを配置する必要があります(管理者は兼任可)。条件をクリアすれば、同一敷地内の複数施設について次のような転換パターンが可能になります​。






事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 「1施設=1事業所」が基本:旧法下で運営されていた施設は、それぞれ独立した障害福祉サービス 事業所として指定を受ける必要があります。
  • 併設施設・分場は柔軟に選択:併設のデイサービスセンターや分場は、規模や機能に応じて転換後の形態を選べます。小規模なら本体の一部(従たる事業所)にまとめ、大規模で基準を満たすなら単独の事業所として独立させることも可能です。
  • 同一敷地内の複数施設は統合も分割も可能:一つの敷地に複数の旧法施設がある場合、まとめて多機能型事業所にすることも、サービス種別ごとに別事業所に分けることもできます​。ただし、それぞれのサービスで設備・人員の指定基準を満たす必要があるため、事前に計画を練っておくことが重要です。
  • 起業にあたっての留意点:障害福祉サービス事業所を新規に開設する場合は、以上のルールを踏まえて事業計画を立てましょう。複数のサービスを組み合わせたいときは、一体運営にするかサービス種類ごとに分けるかを検討できます。いずれの場合も基準を満たす人員と設備が必要です。計画段階から余裕を持った体制づくりを心がけましょう。​


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。