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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 1 事業者指定の単位について ①

害福祉サービスで起業するなら知っておきたい「従たる事業所」と指定基準


記事の概要: 
障害福祉サービスで起業・運営を考えている人に向けて、従たる事業所の仕組みをやさしく解説します。障害福祉サービスでは、原則として事業所ごとに行政から指定(事業の許可)を受ける必要があります。しかし、ある条件を満たせば、一つの主たる事業所のもとで複数の拠点を運営することが可能です。その複数拠点のうちメインの事業所を「主たる事業所」、それ以外を「従たる事業所」と呼びます。本記事では、「従たる事業所」を設置できるサービスや指定基準(必要な条件)をわかりやすくまとめました。

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従たる事業所とは何か?

従たる事業所とは、主たる事業所(メインの事業所)と一体的に運営されるサブの事業所です。通常、障害福祉サービスの事業所は1か所ごとに行政から指定を受けます(つまり事業所ごとに許可が必要)。ですが、生活介護や自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などの日中活動サービスでは、一定の条件を満たせば主たる事業所と従たる事業所をあわせて1つの事業所として扱うことができます。なお、主たる事業所が無ければ従たる事業所は設置できません。また、サービスの種類は主たる事業所と従たる事業所で同じである必要があります(例:主たる事業所が生活介護なら、従たる事業所も生活介護)。


従たる事業所を設置するための指定基準(条件)

主たる+従たる事業所を一体運営とみなすには、行政の定めた指定基準のうち人員・設備に関する要件と運営に関する要件を満たす必要があります。主なポイントは次のとおりです。


条件の種類主なポイント(分かりやすく要約)
① 人員・設備
(スタッフや定員の条件)
- 職員体制: 主たる事業所と従たる事業所の利用者を合わせた人数に見合う職員を配置します。また、従たる事業所には常勤専従の職員を最低1名配置します。
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定員: 従たる事業所の利用定員はサービスの種類ごとに最低人数が定められています(例:生活介護等は6人以上、就労継続支援B型は10人以上)。
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場所: 主たる事業所と従たる事業所は30分以内で行き来できる近さである必要があります。
② 運営
(運営の仕組みや管理の条件)
- 利用者対応の一元化: 新規利用者の受付・調整や職員への指導などを一体的に行うこと。
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職員管理と応援体制: 職員の勤務シフトや仕事内容を一元管理し、職員が急に休んだ時には主たる事業所から代わりを派遣できる体制を作ります。
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苦情対応の一体化: 苦情対応や事故時の賠償手続きなども組織全体で統一して行います。
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運営ルールの共通化: 事業の目的・運営方針、営業日・時間、利用料などを定める運営規程を主従で共通にします。
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人事・会計の統一: 職員の人事・給与・福利厚生の管理を一元化し、会計処理も主従で一本化します。



上記をすべて満たせば、主たると従たるを一体の事業所として1つの指定を受けることができます(つまり、一つの指定番号で複数拠点を運営できます)。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 日中活動サービスでの多拠点運営: 生活介護や就労支援サービスなど日中活動系の障害福祉サービスで起業・事業拡大を考えている場合、「従たる事業所」の仕組みを活用することで複数拠点を効率的に運営できます。事業計画の段階で主従の体制を検討しましょう。
  • 指定基準の確認: 従たる事業所を設置するには定められた指定基準をすべて満たす必要があります。特に、人員配置(常勤職員の配置)や定員、事業所間の距離などはハードルになりやすい点です。事前に基準をよく確認し、計画段階から条件をクリアできるよう準備しましょう。
  • 統一運営の重要性: 主たる事業所と従たる事業所を一体として運営するには、運営面の一元化が欠かせません。シフト管理や利用者受け入れ、マニュアル作成などで主従をまたいだ統一ルールを整備しておくことが求められます。特に、緊急時の応援派遣やクレーム対応のルールなどは漏れなく決めておきましょう。
  • 行政への相談: 複数拠点でのサービス提供を計画している際は、所管の自治体(福祉事務所など)に早めに相談することをおすすめします。自治体ごとに指定申請の手続きや必要書類が異なる場合があります。主たる・従たる事業所の申請方法を前もって確認し、スムーズに指定が受けられるようにしましょう。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。