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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 第十九 地域移行型ホーム 4〜5 共同生活援助の計画作成と協議会

域移行型ホームの共同生活援助計画作成義務と協議会設置義務を解説


記事の概要:
地域移行型ホームとは、障害者が入所施設や病院から地域生活へ移行するための「通過型」のグループホーム(共同生活援助)です。原則利用期間は2年間と定められており、その間に利用者が一般の住宅や通常のグループホームへ移れるよう支援を行います。本記事では、地域移行型ホームに関わる二つの重要な義務(共同生活援助計画の作成義務と地域移行推進協議会の設置義務)について、法律や厚生労働省の通知に基づきやさしくシンプルに解説します。

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地域移行型ホームとは

地域移行型ホームは、従来の入所施設・病院から地域社会への橋渡しとなるグループホームです。通常の障害者グループホーム(共同生活援助)は地域の住宅で運営されますが、地域移行型ホームでは病院などの敷地内に設置できます。これは入院者がいきなり地域に出るのではなく、段階的に地域生活に慣れるための特例です。利用期間は原則2年以内(市町村の判断で延長可)とされており、その限られた期間内で利用者が次の住まいへ移行できるよう支援します。

こうした背景から、地域移行型ホームの事業者には利用者の自立と地域移行を見据えた計画作りと地域との連携が強く求められます。その具体策として、「共同生活援助計画(グループホームの個別支援計画)の作成義務」と「地域移行推進協議会(地域連携推進会議)の設置義務」が課されています。

共同生活援助計画作成義務

共同生活援助計画とは、グループホームを利用する障害者一人ひとりについて立てる支援計画のことです。地域移行型ホームではサービス管理責任者(支援計画の作成・管理を担うスタッフ)が、この計画を必ず作成しなければなりません。計画には利用者の現状や希望(アセスメント結果)を踏まえ、今後の支援の目標や内容、達成までのスケジュールを明記します。

特に地域移行型ホームの場合、計画には「利用開始から約2年以内に一般住宅や他の共同生活援助(グループホーム)へ移り住む」という目標を盛り込みます。そのために、日中活動サービスへの参加や外出練習など、自立に向けた具体的な支援内容も計画します。また、病院の敷地の外で利用できる福祉サービス(例:就労支援やデイサービス等)を積極的に活用する段取りも計画に位置付けます。これは、ホームの中だけで生活が完結しないようにし、利用者が少しずつ地域のサービスや人々と関わりを持てるようにするためです。

地域移行推進協議会の設置義務

地域移行推進協議会とは、地域移行型ホームの運営に外部の目線や地域の声を取り入れるために設置する協議の場です。これは事業所ごとに設置が義務付けられており、利用者の地域移行を推進するために利用者本人や家族、市町村の職員、他の障害福祉サービス事業者、地域の有識者や民生委員など、ホームの関係者以外も含めたメンバーで構成します。協議会ではおおむね3か月に1回のペースで会議を開き、ホーム側が支援状況を報告し、参加メンバーが助言や要望を伝えます。事業者はその意見を次の支援に活かします。

地域移行推進協議会の目的は、ホームの支援内容を地域に公開し、サービスの質を高めることです。外部のチェックが入ることで支援の質の低下や虐待の見過ごしを防ぎ、地域住民との交流によって障害者への理解と協力も得やすくなります。

なお、協議会は開業(指定申請)時点で既に設置しておくことが求められます。協議会の記録やホームの運営状況に関する資料は5年間保存し、プライバシーに配慮しながら可能な範囲で公表することが求められています。情報公開により地域の信頼を得る狙いがあります。

また、自治体や都道府県が主催する障害者支援の協議会等(障害者総合支援法第89条の3に基づく場)にも、事業者は定期的にホームの運営状況を報告し、評価・助言を受ける義務があります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 個別支援計画の必須化:地域移行型ホームでは、入居者ごとに共同生活援助計画(個別の支援計画)の作成が義務です。計画には2年以内の地域生活への移行目標と、その達成に向けた支援内容・スケジュールを具体的に盛り込みましょう。
  • 協議会の設置と透明性:開業時から地域移行推進協議会を立ち上げ、3か月ごとの定例会を開催します。協議会には家族や行政、他事業者、地域住民など外部メンバーが参加し、ホームの支援状況を報告・意見交換します。会議記録は5年間保存し、プライバシーに配慮しながら公開に努めることで、地域からの信頼を高め、支援の質を維持しましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。