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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 2 用語の定義 ①

害福祉サービスの常勤換算方法と勤務延べ時間数をやさしく解説



記事の概要: 
障害福祉サービスの事業を運営するには、人員基準(職員の最低配置数)を満たすことが求められます。その確認に使われるのが「常勤換算方法」と「勤務延べ時間数」です。本記事では、これらの意味と計算方法を、やさしい日本語で解説します。常勤換算とは何か、勤務延べ時間数とは何か、どう計算するのかを理解し、事業運営に役立てましょう。

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常勤換算方法とは?

「常勤換算」とは、事業所で働く職員を、フルタイムの職員なら何人に相当するか計算する方法です。たとえばパートタイムなど短時間勤務の職員が何人いても、合計でフルタイム何人分になるかを算出します。これによって、障害福祉サービスの提供に必要な職員数(人員基準)を満たしているか判断できるのです。

常勤換算を計算するには、職員全員の勤務延べ時間数を常勤職員が勤務すべき時間数で割ります。簡単な式で表すと次のようになります。

  • 常勤換算人数 = 職員全員の勤務延べ時間数 ÷ 常勤職員が勤務すべき時間数

ここでポイントとなるのが「常勤職員が勤務すべき時間数」です。これは、その事業所でフルタイム職員が1週間(または1か月)に働くと決められている基準の労働時間のことです。多くの施設では週40時間(1日8時間×週5日など)が基準ですが、施設によっては週30時間など短い場合もあるでしょう。しかし、計算上は週32時間より少ない場合でも32時間を基準として扱います。つまり、フルタイムの基準が極端に短いと常勤換算が有利になるのを防ぐため、最低32時間を一人分の労働時間とみなすルールがあります。

なお、「常勤職員」はフルタイム勤務の職員、「非常勤職員」は短時間勤務(パートタイム等)の職員を指します。常勤換算では、雇用形態に関係なく実際の労働時間で常勤か非常勤かを判断します。

また、本来、常勤換算では「週32時間以上働いている人」を1人とカウントするルールであると上でお話ししましたが、次のような事情がある人は、週30時間以上働いていれば1人分としてカウントできる特例があります。

それはこんなケースです:

  • 妊娠中や出産後の健康を守るための働き方(母性健康管理措置)をしている人

  • 育児休業や介護休業、あるいは子育て・介護のために労働時間を短くしている人

  • 病気の治療と仕事を両立するために、事業所が自主的に短い勤務時間を設定している人

こうした人たちが週30時間以上働いていれば、常勤として「1.0人」扱いにできます。

この特例は、育児や介護、治療などの理由でフルタイムで働けない人でも、不利にならずに働けるようにするための制度です。事業所側もこのルールを知っておくことで、柔軟な人員配置がしやすくなります。

勤務延べ時間数とは?

次に「勤務延べ時間数」を説明します。簡単に言えば、職員のみなさんがある期間に働いた時間を全部合計したものです。障害福祉サービスの提供に直接かかわる業務や、その準備・待機の時間も含めて計算します。ただし、サービスと関係ない業務に使った時間は含めません。

勤務延べ時間数を出すには、まず各職員の労働時間を集計します。その際、一人ひとりのカウント上限はフルタイムの基準時間までです。つまり、どんなに長く働いた人でも、常勤職員の基準時間(例:週40時間)を超える分は常勤換算の計算には入れません。これは、一人の職員がいくら残業しても「1人分以上の常勤」とみなされないようにするためです。全ての職員についてこの勤務時間を集計し、その合計が勤務延べ時間数となります。

常勤換算の計算例

それでは、簡単な例で常勤換算の計算を見てみましょう。以下のような職員構成の事業所があるとします(フルタイムの基準を週40時間とします)。

職員勤務形態1週間の勤務時間4週間の勤務時間
Aさん常勤(フルタイム)40時間160時間
Bさん非常勤(パート)20時間80時間
Cさん非常勤(パート)20時間80時間
合計--320時間


Aさんは常勤(週40時間勤務)で4週間に160時間働きます。BさんとCさんは非常勤(各週20時間勤務)で、それぞれ4週間に80時間働きます。全員の勤務延べ時間数は合計320時間です。

次に320時間を基準の160時間で割ると2.0となり、常勤換算人数は2.0人です。つまり、この職員構成は常勤職員2人分の働きをしている計算になります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 人員基準の確認:障害福祉サービス事業では、人員配置基準を常勤換算で満たす必要があります。非常勤職員の労働時間もきちんと合計し、常勤換算人数を算出して基準をクリアしているか確認しましょう。
  • 一人当たりの上限:常勤換算では、1人の職員は最大でも「1.0人分」までしかカウントできません。一人が長時間働いても1人分以上にはならないため、無理な残業で人数不足を補うことはできません。
  • 32時間ルール:事業所で定めるフルタイムの勤務時間が週32時間より少ない場合でも、計算には週32時間を基準として用います。人員基準を計算で満たそうとしてフルタイム時間を短く設定しても認められないので注意しましょう。また、特例的に週30時間の勤務で常勤扱いとなる3つのはたらき方についても押さえましょう。
  • 計画的な人員配置:起業時の指定申請書類でも、常勤換算による職員数を記載します。日々の勤務表を作成する際も常勤換算を念頭に置き、必要な職員数を計画的に配置することが大切です。人員基準を満たしていないと行政から指導を受けたり、最悪の場合は業務停止となってしまう可能性があります。常に十分な人員を確保しましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。