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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 第六(短期入所) 1 事業の種類 

期入所サービス(ショートステイ)「第六 短期入所」をわかりやすく解説


記事の概要:
障害福祉サービスの一つである短期入所(ショートステイ)について、厚生労働省の通知をもとにわかりやすく解説します。短期入所は、在宅で障害者の介護をしている家族などが病気や休養などで一時的に介護が難しいときに、障害のある方を短期間施設でお預かりするサービスです。この記事では、短期入所サービスの3つの事業所種類と、それぞれの特徴や運営上のポイントを優しく説明します。

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短期入所(ショートステイ)とは?

短期入所(ショートステイ)は、障害のある方が短い期間だけ施設に入所して支援を受けられるサービスです。例えば、日頃介護をしているご家族が病気になったり休養が必要になったりしたときに、障害のある方を一時的に施設でお預かりします。このサービスを利用することで、障害者本人は安全にケアを受けられ、ご家族は安心して休息を取ったり所用を済ませたりできます。短期入所は長期の入所ではなくあくまで一時的なサポートとして位置づけられており、利用後は自宅での生活や元のサービス利用にスムーズに戻れるよう、支援者同士の連携も図られます。

短期入所事業所の3つの種類

厚生労働省の通知では、短期入所サービスを提供する事業所の形態が3つ示されています。それぞれ運営の仕方が異なり、既存施設に付帯する形か単独かなどの違いがあります。以下に3種類の特徴をまとめた簡単な表を示します。

事業所種類概要と特徴
併設型事業所他の入所施設(障害者支援施設や児童福祉施設など)の一部に併設された短期入所サービス。主たる施設と一体運営されますが、短期入所専用の居室を用意し、本体の入所者とは別に受け入れます。本体施設の運営に支障がないよう人員配置などに注意が必要です。
空床利用型事業所既存の障害者支援施設等で現在使われていない空きベッドを活用して行う短期入所サービス。普段は他の入所者が使う居室に空きが出たとき、その空きベッドを短期入所利用者に提供する形です。本体施設の設備や人員を有効活用できますが、空きが無い時は提供できないという制約があります。
単独型事業所他の入所施設に属さず、独立した施設で行う短期入所サービス。例えば、日中は生活介護など別のサービスを行う施設や、現在利用者が常時いない施設の居室を使って夜間や週末に短期入所を提供するような形態です。単独型は自前で必要な設備を整え、人員も配置して運営します。

上記のように、短期入所には併設型・空床利用型・単独型の3形態があります。事業者が短期入所事業を始める際には、自社の状況に合わせてどの形態で運営するかを決めることになります。それぞれで求められる条件が少しずつ異なるため、以下で詳しく見ていきましょう。

併設型のポイント(既存施設に併設する場合)

併設型は、既存の障害者支援施設等に短期入所サービスをくっつけて提供する形態です。身近な例で言えば、すでに障害者の入所施設やグループホームを運営している法人が、その建物内の一部を使ってショートステイを始めるケースです。

  • 専用の部屋が必要: 併設型では、本体の施設(既存入所施設)の入所者が使っている部屋をそのまま短期入所に転用することは認められていません。必ず短期入所専用に用意した居室でサービス提供を行います。本体施設の居室を短期利用者が占有してしまうと、本来の入所者の生活に影響が出てしまうためです。
  • 設備は共有可能: 居室以外の設備(お風呂やトイレ、食堂など)は、本体施設のものを共同利用することが可能です。ただし、共有することでお互いの利用者のサービス提供に支障が出ないことが条件です。本体施設の利用者も短期入所の利用者も、どちらも不便なく安全に使える範囲で設備を共用します。
  • 本体施設の運営を妨げない: 短期入所を併設することで、本体の施設運営に支障が出てはいけません。例えば職員の勤務体制も、本体の入所者のケアがおろそかにならないように組む必要があります。「一体的な運営」とはいえ、本体がメインで短期入所は付加サービスという位置づけなので、本末転倒にならないよう注意が必要です。

空床利用型のポイント(空きベッドを活用する場合)

空床利用型は、既存施設の空きベッドを使って短期入所サービスを行う形態です。たとえば、入所定員に空きがある障害者支援施設が、その空いた定員枠を使ってショートステイ利用者を受け入れるようなケースです。

  • 空きがあるときだけ提供: 空床利用型は文字通り「空いているベッド」を活用するので、基本的に空きが無いときは提供できません。サービス提供日は、本来の入所利用者がいないタイミングに限られます。逆に言えば、普段満床でなかなか空きが出ない施設では空床利用型は難しいでしょう。
  • 追加設備は不要: 短期入所のための特別な設備を新たに用意しなくても、その施設がもともと備えている設備をそのまま使えます。既存の障害者支援施設で必要とされる設備(バリアフリーの浴室や非常通報装置など)が整っていればOKという考え方です。ただし、安全管理や衛生管理の水準は短期入所の利用者にも同じように適用されるので、施設全体としての質を保つ必要があります。
  • 人員配置も本体基準で: 空床利用型の場合の職員の配置数については、基本的に併設型の考え方を準用します。つまり、本体施設の入所者と短期入所利用者を合わせた人数で職員配置基準を満たすようにすればよいことになります。具体的な計算方法は併設型と同様ですが、要するに「ショートステイ利用者が増えた分、必要に応じてスタッフも増やしてね」ということです。

単独型のポイント(独立した施設で行う場合)

障害者支援施設等「以外」の施設に併設されている場合、 例えば、日中活動系の事業所(生活介護のデイサービスなど)が、夜間も利用できる宿泊用の居室や設備、スタッフを配置して短期入所の指定を受けた場合、これは(本体施設が障害者支援施設ではないので)定義上「単独型」に分類されます。これが実社会で比較的見られる「単独型」のイメージに近いかもしれません。

  • 必要な設備を揃える: 単独型の場合、その施設だけで完結して短期入所サービスを提供するため、法令で定められた設備基準を満たさなければなりません。具体的には、利用者が安全かつ快適に過ごせるように、バリアフリーや十分な居室スペース、入浴設備、非常時の通報設備などを備える必要があります。これは事業所指定を受ける際のハードルの一つですが、しっかり準備しましょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 短期入所専用の居室を確保: 併設型の場合は必ず短期入所利用者の専用部屋を用意し、本体入所者の部屋とは分けてください。単独型でももちろん居室が必要です。居室はプライバシーに配慮し、清潔で安全な空間を準備しましょう。
  • 必要な設備と環境: 入浴設備やトイレ、緊急通報装置、バリアフリー対応など、法律で求められる設備基準を満たすことが大前提です。これは単独型だけでなく併設型・空床型でも同様です(併設や空床の場合は元の施設が設備基準を満たしていることが条件)。利用者が安心して過ごせる環境づくりを心がけてください。
  • サービスは短期間・計画的に: 短期入所の利用は本来短期間です。利用開始時に期間をきちんと設定し、だらだら延長しないようにします。長期化しそうなケースでは、市町村や相談支援専門員と連携して他のサービスへの切り替えも検討しましょう。また、同じ法人内で複数施設をローテーション利用させる裏技のようなことは避け、制度の趣旨に沿った運用を心がけてください。
  • 地域や他機関との連携: ショートステイの役割は一時預かりであり、その後の生活につなげることです。利用前後の情報共有を家族や支援者と十分に行い、必要に応じて医療機関とも連携します。地域の相談支援機関や他の障害福祉サービスともネットワークを作っておくと、緊急時の受け入れ調整などに心強いです。
  • 質の高いケア提供: 短期間とはいえ、利用者にとっては慣れない環境で過ごす大事な時間です。一人ひとりのニーズを把握し、丁寧で暖かみのあるケアを提供しましょう。お風呂や食事など生活面のサポートも、安全と快適さを第一に考えて実施します。利用者の能力を活かし、できることは尊重してもらう、自立を支える姿勢も忘れずに。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。