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独習 地域相談支援 指定基準 | 第二 指定地域移行支援に関する基準 2  運営に関する基準 (28)

域移行支援における「利益供与等の禁止(基準第34条)」とは?


記事の概要:
指定地域移行支援の運営基準の一つに「利益供与等の禁止」(基準第34条)があります。利用者の紹介をめぐってお金や物品のやり取りをしてはいけないというルールで、利用者がサービスを公平に選択できるよう設けられています。本記事では、基準第34条の内容をやさしくシンプルに解説します。

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利益供与等の禁止とは何か?

「利益供与等の禁止」とは、障害福祉サービス事業において紹介料やキックバックにあたる金銭や物品の授受を禁止する決まりです。障害者がサービスを利用する際に、誰かの紹介だから選ぶのではなく、サービス内容や質で選べるよう、公正な環境を整えることが目的となっています。つまり、事業者同士や第三者との間で「利用者を紹介してくれたら謝礼を渡す」「利用者を紹介するからお礼が欲しい」といった裏取引をしてはいけないということです。

基準第34条第1項:事業所への金銭等の供与禁止

基準第34条第1項では、指定地域移行支援事業者(地域移行支援を行う事業所)が他の相談支援事業所や障害福祉サービス事業所などに対し、自分の事業所を利用するよう紹介してもらう見返りに、お金や物品を渡してはならないと定めています。

例えば、地域移行支援事業所が計画相談支援を行う相談支援事業所(※サービス等利用計画を作成する事業所)に「うちにサービス利用者を紹介してくれたら1人あたり○万円支払います」と持ちかけるのは、この禁止事項に抵触します。このような金銭の提供による利用者あっせんは、公正な紹介ではなくなるためNGです。

基準第34条第2項:紹介料などの収受禁止

第2項では反対に、地域移行支援事業者が他の相談支援事業所や障害福祉サービス事業所から、利用者を紹介することへの見返りとしてお金や物品を受け取ってはならないと規定されています。

これは、地域移行支援事業者が自分の利用者を他の事業所へ紹介する際に「紹介料」をもらうことを禁じたものです。例えば、地域移行支援の支援が終わった利用者をグループホームなど別のサービスに繋ぐとき、他事業所から「紹介料をお支払いしますよ」と提案され、それを受け取るのは違反になります。事業者間で紹介手数料をやり取りする行為は、一方向であれ双方であれ禁止されています。

基準第34条第3項のポイント:禁止される具体例と範囲

最新の解釈通知においては、禁止事項の範囲がより明確化されています。趣旨として、障害者が自らサービス内容や質を見て利用を判断できるよう、利用者の意思決定を歪めるような経済的誘因をしてはいけないとされました。つまり、お金やギフトで利用者の心を誘導する行為は禁止です。

特に注意すべきは、「他の障害福祉サービスの事業を行う者等」には事業所以外の企業や個人も含むという点です。具体的には、地域移行支援事業者が障害福祉サービス事業者ではない第三者に利用希望者の紹介謝礼を渡すケースや、既存の利用者に友人紹介のお礼(商品券等)を渡すケースなどもすべて違反となります。

ここで言う「紹介」とは、単に名前を伝えるだけでなく、利用者やその家族と事業者を引き合わせる一連の行為全てを指します。例えば、相談支援事業所が地域移行支援事業者に利用者の連絡先や情報を提供して接触の機会を作る場合や、逆に利用者に地域移行支援事業所の情報を伝えて希望すれば引き合わせる場合なども「紹介」に含まれます。要は、利用者と事業者が出会うきっかけを与える行為はすべて「紹介」と考えられるということです。

「利益供与にあたるかどうか」は契約上の名目ではなく実質で判断されるとも述べられています。表向き「情報提供料」「広告料」として支払っていても、実態として利用者1人紹介ごとにお金を払っているならアウトということです。

  • 許されるケース(OK):自社の地域移行支援事業所の情報を福祉系のウェブサイトに広告掲載し、掲載料を支払う。一般的な広告費であり、特定の利用者紹介ごとの対価ではないため問題ありません。
  • 禁止されるケース(NG):他者に対し「利用者を1人紹介するごとに紹介料として○円支払う(または○円もらう)」と取り決めて金銭を授受する。個々の利用者紹介に対する報酬となるため違反です。
  • 禁止されるケース(NG):現在の利用者に「友人を紹介してくれたら商品券○円分プレゼント」と約束し、実際に商品券を渡す。これも違反です。

このように、宣伝や情報提供自体は問題ありませんが、特定の利用者あっせんに対する見返り(紹介料や謝礼)を設定する行為は違法となります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 紹介料は禁止:事業所間や個人間で、利用者紹介の見返りに金銭や物品を渡す・受け取る行為は禁止されています。相手が誰であってもNGです。
  • 利用者の選択の自由を最優先:利用者がサービスを選ぶ際に、お金や景品で誘導されることがないようにしましょう。金銭的な誘因で利用者を集めることは許されません。
  • 広告と紹介料は別:事業所の宣伝広告(ホームページやパンフレット等)は問題ありません。しかし「○人紹介したら○円」など、特定のあっせんに対する報酬を支払う契約はアウトです。
  • 違反リスクに注意:利益供与等の禁止に違反すると指導監査で指摘され、最悪の場合は行政処分の対象となります。違法なリベートは厳禁です。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。