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独習 地域相談支援 指定基準 | 第二 指定地域移行支援に関する基準 2  運営に関する基準 (31) 後半

域移行支援における虐待防止の義務と実践ポイント


記事の概要:
指定地域移行支援事業では、障害のある利用者が地域で自立した生活を送るためにサポートを行います。その運営基準の中で、利用者に対する虐待を防止するための措置が定められています。本記事では、厚生労働省の解釈通知(指定地域移行支援の基準36条の2②〜④)をもとに、事業者が取るべき具体的な対策をわかりやすく解説します。

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虐待防止指針の作成

指定地域移行支援事業所では、事業所内での虐待防止対策を統一的に示すために、「虐待防止のための指針」を作成することが望ましいとされています。この指針には以下のような項目を盛り込み、事業所の方針や具体策を明確にします。

項目(ア〜キ)内容(例)
ア 事業所における虐待防止の基本的な考え方事業所が虐待を許さない基本姿勢や理念
イ 虐待防止委員会その他施設内の組織に関する事項虐待防止委員会の設置と役割、構成員など
ウ 虐待防止のための職員研修に関する基本方針研修の目的や頻度、研修内容の大まかな方針
エ 施設内で発生した虐待の報告方法等の方策に関する基本方針虐待事例発生時の報告手順や通報ルートの整備
オ 虐待発生時の対応に関する基本方針虐待発覚後の初動対応や関係機関への連絡・支援方法など
カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針利用者や家族が指針を閲覧できるようにする方法(例:掲示や配布)
キ その他虐待防止の適正化の推進のために必要な基本方針上記以外で虐待防止を進めるために必要な方針

このように指針を体系化しておくことで、職員全体に虐待防止の考え方を浸透させやすくなります。また利用者にも指針の存在を知らせることで、安心感が高まり、事業所の信頼性も向上します。

虐待防止研修の実施

②で策定した指針に沿って、従業者(スタッフ)向けの虐待防止研修を定期的に実施することが求められています。研修では、虐待防止に関する基礎知識や人権意識向上の内容を盛り込み、職員一人ひとりに周知徹底を図ります。具体的には次のような点が重要です。

  • 年1回以上の定期研修:虐待防止委員会が作成した研修プログラムをもとに、年に1回以上は必ず研修を実施します。研修では具体例やケーススタディを交え、職場環境を振り返る機会とします。
  • 新規採用時研修の義務化:新しく従業員を採用した際には必ず虐待防止研修を行い、職場の方針や対応手順を共有します。入社直後に研修を受けることで、早期から適切な意識を持たせます。
  • 研修記録の整備:研修の実施内容や参加者リストなどを文書で残し、いつ誰がどの研修を受けたかを記録します。万が一、問題が起きた際にも、教育状況を確認できます。
  • 外部研修の活用:事業所内研修だけでなく、協議会や基幹相談支援センターなどが実施する虐待防止研修に職員を参加させても問題ありません。全国レベルの研修で最新知識を得ることができます。

これらの研修を継続して行うことで、職員教育を組織的に徹底できます。指針や委員会で定めた内容に基づき、研修を通じて虐待防止意識を高めましょう。

虐待防止担当者の配置

虐待防止策を確実に実施するために、虐待防止担当者(責任者)を置く必要があります。その担当者には、法令上「相談支援専門員」を配置することが求められています。相談支援専門員は障害者支援に関する専門知識を持つ資格者であり、虐待防止対策の推進に適任です。

担当者および施設の管理者には、平成18年に発行された「地域生活支援促進事業実施要綱」に基づく都道府県主催の研修に参加することが望ましいとされています。これは、虐待防止だけでなく地域移行支援全般に関する理解を深める機会です。具体的には以下のように対応しましょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 虐待防止指針の整備:事業所は「虐待防止のための指針」を作成し、上記の表に示した項目(基本的考え方、委員会・組織、研修方針、報告・対応方法、閲覧方法、その他)を盛り込む。指針は職員と利用者に周知すること。
  • 定期的な研修の実施:職員向けに年1回以上の虐待防止研修を実施し、新規採用時にも必ず研修を行う。研修内容は基礎知識から職場環境の改善まで含め、研修記録も残す。
  • 責任者(担当者)の配置:虐待防止の責任者として相談支援専門員を配置すること。担当者と管理者は、研修会などで最新情報を学ぶ機会を持つことが望ましい。
  • 利用者への情報提供:指針の内容を利用者や家族にも公開し、虐待防止の取り組みを見える化する。例えば掲示や配布で誰でも閲覧できるようにする。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。