地域移行支援における「経理の区分」と「記録の整備」ポイント解説
記事の概要:
障害福祉サービス事業を運営する上では、法令で定められた様々なルールを守る必要があります。指定地域移行支援(地域相談支援の一種で、施設から地域生活への移行を支援するサービス)の事業者も例外ではありません。本記事では、指定地域移行支援の運営基準の中から「経理の区分」(お金の管理の仕方)と「記録の整備」(書類の管理方法)という2つの重要なポイントについて、やさしくシンプルに解説します。
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経理の区分(基準第37条)
指定地域移行支援事業者(地域移行支援を提供する会社や団体)は、事業所ごとに経理を分けて管理しなければなりません。また、地域移行支援というサービスの会計と、その他の事業(例えば、別の障害福祉サービスや全く異なる事業)の会計も、混ぜずに別々に処理する必要があります。
なぜこのようなルールがあるのでしょうか。それは、地域移行支援に関するお金の流れを明確にし、不正やミスを防ぐためです。例えば、地域移行支援の事業で得た収入を他の事業に使ってしまったり、その逆に別事業の費用を地域移行支援の会計に入れてしまったりすると、経理が不透明になってしまいます。そこで事業所単位・事業単位で会計を分けることで、どのサービスにどれだけのお金が使われたかが一目でわかるようになります。このことは、行政による監査(チェック)を受ける際にも重要ですし、経営管理上も収支を把握しやすくなるメリットがあります。
記録の整備(基準第38条)
次に、記録の整備についてです。地域移行支援の事業者は、スタッフ(従業者)の情報や、設備・備品のリスト、会計帳簿など、事業に関する様々な記録を文書でしっかり整備しておく必要があります。何か問題が起きたときに備え、誰がどのような役割で、どんな設備を使い、どれだけお金を使ったかといった情報をきちんと残しておくためです。
さらに、サービス提供に関する重要な記録については、提供日から最低5年間は保存しなければならないと定められています。具体的に5年以上保存が必要なものとして、法律上は次の5種類が挙げられています。
以上の書類は、提供日から少なくとも5年のあいだ保存する義務があります。つまり、サービスを提供した記録は5年間は廃棄せず保管しておきましょう。これらの記録は、事業運営上の振り返りや、行政からの監査対応、万一トラブルが起きた際の証拠としても重要です。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 経理は事業所・事業ごとに区分管理: 複数の事業所やサービスを運営している場合でも、お金の出入りは必ず拠点ごと・サービスごとに分けて帳簿を付けましょう。一つにまとめてしまうと、後から収支を確認するのが困難になり、監査でも指摘される原因になります。
- 記録は常に文書で整備: 従業員名簿や設備の管理簿、会計帳簿など、基本的な記録類は常に最新の状態で整理し、必要なときにすぐ提示できるようにしておきましょう。記録の整備が行き届いている事業所は、信頼性も高まり、運営もスムーズになります。
- 重要書類は最低5年間保管: サービス提供の記録や支援計画、苦情・事故の記録など、法律で5年の保存義務がある書類は期限を守って保管します。ファイルにまとめて保管したり、スキャンしてデータ化するなどして、紛失しないよう管理しましょう。保管期限を過ぎても、可能な限り長く保存しておくと安心です。
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