生活介護における人員基準の解説【医師・看護職員等編】
記事の概要:
生活介護の人員配置基準について、厚生労働省のガイドラインに基づきポイントを整理します。本記事ではスタッフ配置の最低条件や、専門職ごとの配置要件をわかりやすく説明します。また、平均障害支援区分の算出方法を図解し、利用者の状態に応じた必要な職員数の計算方法も解説します。専門用語も噛み砕いて、シンプルにわかりやすく人員基準のポイントを説明します。
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生活介護の人員配置基準とは?
生活介護とは、障害者の日中活動サービスの一つで、障害がある方の日常生活を支援するサービスです。その運営には法律で最低限配置すべきスタッフが定められており、これを「人員に関する基準」と言います。具体的には、事業所ごとに管理者、サービス管理責任者(サビ管)、生活支援員、看護職員、医師、そして必要に応じて機能訓練指導員(理学療法士や作業療法士など)を配置しなければなりません。以下では、それぞれの職種についてどのような要件があるのか、一つひとつ見ていきましょう。
医師の配置:嘱託医で対応可能
生活介護では、利用者の健康管理のため医師を配置することが求められています(1名以上)。とはいえ、必ずしも常勤の医師を雇う必要はありません。嘱託医(非常勤で定期訪問やオンコール対応する医師)でも配置とみなされます。さらに、事業所で看護職員が利用者の健康状態を日々チェックし、必要に応じて医療機関への受診につなぐ体制がある場合には、医師を直接配置しなくても良い扱いとすることも可能です。要は、看護職員等が健康管理を担い、必要時には医師と連携できる体制が整っていれば、常勤の医師がいなくても基準を満たせるということです。ただし、この場合でも嘱託契約など何らかの形で医師の関与は確保しておく方が安心でしょう。
看護職員・生活支援員の必要数と平均障害支援区分
生活支援員(利用者の身の回りの介護や活動支援を行うスタッフ)および看護職員(看護師または准看護師)は、利用者に対して十分な支援を行うために必要な人数を配置しなければなりません。ここで重要になるのが前年度の平均利用者数と平均障害支援区分という考え方です。
平均障害支援区分とは、事業所の利用者の障害支援区分(区分2~区分6)の平均値を示すものです。区分が高いほど支援に手厚さが必要な重度の方という意味になります。この平均値によって、必要な職員配置の基準が決まります。
〈平均障害支援区分の算出方法〉 利用者それぞれの障害支援区分に応じて点数をつけ、下記の算式で平均を求めます。
例えば、利用者10名の事業所で区分2の方が1人、区分3が2人、区分4が3人、区分5が4人、区分6が0人の場合、それぞれに点数を掛けて合計します(2×1 + 3×2 + 4×3 + 5×4 + 6×0 = 40)。これを総利用者数10人で割ると、平均障害支援区分は4.0となります(40÷10=4.0)。このように計算された平均値は、小数第2位で四捨五入し小数第1位まで求めます。
〈平均区分に応じた職員配置基準〉 平均障害支援区分の値により、生活支援員と看護職員(加えて必要に応じ理学療法士等)を常勤換算で何人配置すべきかの基準が決まります。常勤換算とは、非常勤職員の勤務時間をフルタイム相当に換算する計算です(例:4時間勤務の非常勤=0.5人分)。
- 平均区分が4未満の場合:利用者6人につき1人以上の職員配置(6:1)
- 平均区分が4以上5未満の場合:利用者5人につき1人以上の職員配置(5:1)
- 平均区分が5以上の場合:利用者3人につき1人以上の職員配置(3:1)
この基準に沿って、生活支援員+看護職員+(必要なら理学療法士等)の合計人数を算出します。上の例で平均区分4.0でしたので、「5人に1人」の配置が必要です。利用者が10名なら常勤換算で2人以上(10÷5=2)をこれら職員として配置する計算になります。また、それぞれ生活支援員は最低1名、看護職員も最低1名は必ず確保しなければなりません。さらに、それぞれの職種について少なくとも1名は常勤(フルタイム)である必要があります。非常勤ばかりでは基準を満たさないので注意しましょう。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 最低人員の確保:生活介護を提供するには、生活支援員と看護職員はどちらも最低1名以上確保するとともに、さらに最低限どちらか一名は常勤者であることが求められます。事業開始前に必要資格を持つスタッフを確保しましょう。
- 平均障害支援区分とスタッフ数:利用者の支援区分に応じてスタッフの配置人数が決まります。平均障害支援区分の算出方法を理解し、自事業所の場合にどれくらいの人員が必要になるか計画を立てましょう。平均値が高い(重度者が多い)ほど手厚い人員配置(3:1など)が求められる点に注意です。
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