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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 第五(生活介護) 2 設備に関する基準

定生活介護事業所の設備基準(基準第81条)とは?やさしく解説


記事の概要:
指定生活介護事業所の設備基準(基準第81条)について、厚生労働省の公式通知をもとにやさしく説明します。これは、障害者向けの生活介護サービスを提供する事業所が満たすべき設備や備品のルールです。

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指定生活介護事業所とは?(一つの建物に一事業所)

指定生活介護事業所とは、文字通り生活介護サービスを提供するための設備や備品を備えた事業所のことです。法律上、生活介護事業所は「生活介護を行うのに必要な設備と備品が揃った場所」と定義されています。簡単に言えば、利用者に生活介護サービスを提供するための拠点となる施設です。

基本的なルールとして、一つの建物につき一つの事業所とする決まりがあります。つまり、原則として一つの建物内に生活介護事業所は一つだけ設置する形になります(同じ建物内に複数の別々の生活介護事業所を併設することは想定されていません)。これにより、事業所の場所と設備が明確になり、責任の所在もはっきりします。

しかし、この原則には例外的な扱いもあります。利用者の利便性を考慮して、事業所の職員(従業者)が利用者に身近な既存の施設に出向いて生活介護サービスを提供する場合です。例えば、利用者の近所にある地域の福祉センターや公共施設の一室を借りて、スタッフが出張してサービスを行うようなケースです。このような場合、その出向いてサービスを提供する場所は事業所の一部(出張所)とみなされます。そして設備基準は本来の事業所と同様に出張所にも適用されます。つまり、たとえ出張サービスの場であっても、生活介護を提供する場所である以上、必要な設備や環境はきちんと整えておかなければならないということです。

訓練・作業室の広さや数の考え方(適切な設備の確保)

生活介護事業所では、訓練室や作業室といったスペースを設けることがあります。ここで気になるのが、それら部屋の広さや数に関する基準です。厚生労働省の設備基準では、訓練室・作業室など一部の設備について具体的な面積や数量の基準は定められていません。では決まりがないからといって、どんなに狭くても良いというわけでは当然ありません。

法律や通知では、面積や数の定めがない設備については「適当な広さまたは数の設備を確保」しなければならないとされています。簡単に言えば、利用者に対して適切なサービスが提供できる十分な広さ・設備を確保しなければならないということです。事業所の利用者の障害の特性(障害の種類や重さ)や、そこで行う機能訓練・生産活動の内容に応じて、「この広さでこの人数なら快適に活動できるか?」「この設備の数で足りるか?」といった視点で判断し、必要なスペースを確保する義務があります。

具体例として、生活介護事業所で利用者が行う生産活動(作業活動)が複数種類ある場合を考えてみましょう。例えば、事業所で「木工制作」と「手芸制作」の2種類の作業プログラムを提供する場合、それぞれの活動ごとに別々の訓練・作業室を用意することが望ましいです。木工用には木工作業に適した作業台や工具類を備え、十分な作業スペースと安全対策を確保した部屋を設けます。同様に、手芸用には裁縫や工芸に適した道具や机を備えた部屋を用意します。このように活動の種類ごとに部屋を区分し、それぞれの活動に適した設備と広さを確保する必要があるとされています。そうすることで、利用者は安心して作業に取り組めますし、職員も安全かつ効果的に支援を行うことができます。

要するに、数値での基準がない分、事業者自身が利用者目線で「十分な広さか?適切な設備か?」を考えて準備する責任があるということです。快適で安全な空間を用意することが、良質な生活介護サービスを提供する土台になります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 一建物一事業所の原則: 指定生活介護事業所は基本的に一つの建物に一つの事業所しか設けられません。建物内で場所を明確に区切り、責任を明らかにするためのルールです。
  • 例外となる出張所: 利用者の利便のために既存の施設へ職員が出向いてサービスを提供する場合、その提供先も事業所の一部(出張所)として扱われます。その出張所でも設備基準を満たし、必要な備品や環境を整えておくことが求められます。
  • 広さ・設備は利用者本位で確保: 訓練室や作業室など面積や数の基準が決まっていない設備については、サービスを提供する側が利用者の障害特性やプログラム内容に合わせて十分な広さ・数を確保しなければなりません。狭すぎたり不足したりしないよう、利用者が安心して活動できる環境を準備しましょう。
  • 活動ごとに適した空間作り: 複数の種類の作業やプログラムを行う場合は、種類ごとに部屋を分けて設置し、それぞれの活動内容に適した設備とスペースを用意します。例として、創作活動と軽作業を両方行うなら、それぞれ専用の部屋やコーナーを設けて安全で効率的な環境を整えることが重要です。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。