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独習 障害児入所施設 指定基準 | 第三 指定福祉型障害児入所施設 3 運営に関する基準 (38) 後半

定福祉型障害児入所施設の虐待防止策(指針・研修・担当者)を解説


記事の概要:
指定福祉型障害児入所施設では、子どもの安全と人権を守るために虐待防止の取り組みが求められています。2024年4月から、こうした対策を行っていない事業所には報酬の1%減算(ペナルティ)が適用されるルールも導入されました。サービスを安心して提供するために、法律で定められた対策をきちんと整えることが重要です。

本記事では、虐待防止のための指針(ガイドライン)の作成、職員への虐待防止研修の実施、そして虐待防止担当者の配置という三つの柱について、ポイントをやさしくシンプルに解説します。

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虐待防止のための指針を策定しましょう

施設内で「虐待防止のための指針」(ガイドライン)を策定することが望ましいとされています。これは、事業所として虐待を未然に防ぐための基本方針やルールをまとめたものです。指針に盛り込むべき主な項目は次の通りです。

  • 基本的な考え方: 事業所全体で虐待を防止するための理念や姿勢を明確にします。
  • 組織体制に関する事項: 虐待防止委員会など、施設内での組織体制を定めます。
  • 職員研修の基本方針: 職員向け虐待防止研修の実施方法や計画に関する基本方針を定めます。
  • 虐待発生時の報告方法: 施設内で虐待が発生した場合に、誰にどのように報告・通報するかの手順を決めます。
  • 虐待発生時の対応方針: 虐待が起きてしまった際に、被害児童への支援や関係機関への連絡など、どのような対応を行うか決めておきます。
  • 指針の閲覧方法: 作成した指針を利用者や家族が自由に閲覧できるようにしておきます。
  • その他必要な方針: 上記以外で虐待防止の推進に必要な方針があれば盛り込みます。

ポイント: 指針の策定は法令上「望ましい」とされていますが、実質的には事業所の責任として必ず行いましょう。虐待防止委員会(各施設で設置が義務付けられています)を中心に指針を作成し、職員や利用者にも内容を周知することが大切です。指針を整備することで施設全体で虐待防止の共通認識が生まれ、万一問題が起きても落ち着いて対処できます。

従業者への虐待防止研修を定期的に実施

次に、職員に対する虐待防止研修を計画的に実施することが求められます。虐待防止の基本知識や対応方法について職員全員が理解し、常に高い意識を持つことが目的です。研修の実施にあたって押さえておきたいポイントを整理します。

  • 年1回以上の定期研修: 年1回以上、定期的に研修を行いましょう。継続的に学ぶ場とすることで、最新の知識や対策を共有できます。
  • 新規採用時の研修必須: 新人職員には入職時に必ず虐待防止研修を実施します。最初にしっかり教育することで、不適切な支援や対応を未然に防ぎます。
  • 研修プログラムの策定: 施設内の虐待防止委員会が研修プログラムを作成し、計画的に研修を実施しましょう。
  • 研修内容の記録: 実施した研修の内容や参加者を記録に残しておきます。後から振り返りや行政への報告に備えるためにも重要です。
  • 外部研修の活用: 事業所内研修だけでなく、地域の協議会や基幹相談支援センター等が開催する研修に職員を参加させても構いません。他施設との情報交換にもなり、有益です。

ポイント: 研修によって全職員が虐待防止の知識を身につけ、指針の内容を現場で実践できるようにすることが大切です。定期研修を習慣化し、日常業務でも虐待防止の意識を維持しましょう。

虐待防止担当者を配置し、必要な研修も受講

最後に、虐待防止の担当者を事業所ごとに配置することが義務付けられています(※2024年4月に「虐待防止責任者」から名称変更されました)。この担当者は、施設内で虐待防止の取り組みをリードする重要な役割です。

誰を担当者にすればよいか? 通常、施設の児童発達支援管理責任者などサービス管理責任者が虐待防止担当者を兼任します。現場の状況を把握し、職員に指導・助言できる立場の人が適任でしょう。

また、この虐待防止担当者や施設管理者は、できれば都道府県実施の虐待防止研修を受講することが望ましいとされています。研修を受ければ、虐待防止の最新知識や具体的な対応策を学べるだけでなく、他の職員を指導する際の説得力も高まるでしょう。

ポイント: 虐待防止担当者を明確に定めることで、誰が中心となって対策を進めるのかがはっきりします。ただ任命するだけでなく、日頃から職員や利用者の声に耳を傾け、施設内の問題点を把握して虐待の兆候を見逃さないことが大切です。担当者自身も研修を受け専門性を高めることで、施設全体の虐待防止に一層貢献できるでしょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 虐待防止指針の策定: 施設内で虐待防止に関するガイドラインを作成し、基本理念から報告体制まで網羅しましょう。これにより職員全員の共通認識を育て、安全な支援環境を整備できます。
  • 職員研修の徹底: 年1回以上の定期研修と新人研修を欠かさず行い、研修内容を記録に残します。研修を通じて職員の知識と意識を高め、日々の支援で虐待防止策を実践できるようにします。
  • 担当者の配置と育成: 虐待防止担当者(例: 児童発達支援管理責任者等)を任命し、責任ある立場で対策を推進させます。担当者や管理者は積極的に都道府県実施の研修を受講し、専門知識を深めることで、事業所全体の虐待防止レベルを向上させましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。