指定福祉型障害児入所施設の秘密保持義務(基準第44条)をわかりやすく解説
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指定福祉型障害児入所施設では、利用する障害児やその家族のプライバシーを守ることが法律で義務付けられています。これは、児童福祉法に基づく運営基準の第44条によって定められた秘密保持義務(守秘義務)です。具体的には、「従業者(スタッフ)・管理者の守秘義務」「退職後も秘密を守るための措置」「他事業所との情報共有時の保護者同意」の3つのポイントがあります。この記事では、それぞれのポイントについてやさしくシンプルに解説します。
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従業者・管理者の秘密保持義務(第44条第1項)
指定福祉型障害児入所施設で働く従業者や管理者は、業務上知り得た障害児やその家族の秘密を漏らしてはいけないと規定されています。ここでいう「秘密」とは、障害児や家族の個人情報やプライバシーに関するあらゆる情報です。たとえば、障害児の病状や生活上の課題、家族の状況など、仕事を通じて知った個人的な情報が含まれます。正当な理由なくこれらを第三者に話したり、SNSに書き込んだりすることは法律違反です。
この守秘義務(秘密保持義務)は、利用者との信頼関係を守るための基本です。情報漏えいは利用者のプライバシー侵害になるだけでなく、事業者にとっても信頼を失う重大な問題です。児童福祉法に基づく運営基準第44条により、施設のスタッフ全員が強く守るべきルールとして定められています。
退職後も秘密を守るための必要な措置(第44条第2項)
秘密保持義務は在職中だけでなく退職後にも及びます。第44条第2項では、施設側に対して「過去にその施設の従業者や管理者であった者が秘密を漏らさないよう必要な措置を講じなければならない」と定めています。簡単に言えば、職員が辞めた後も利用者の秘密が守られるよう、施設は対策を取る義務があるということです。
具体的な措置の例として、雇用契約時に「退職後も業務上知り得た秘密を守る」ことを約束させることが挙げられています。従業員と秘密保持契約(NDA)を結んだり、就業規則に守秘義務の継続を明記したりする方法です。これにより、退職後であっても元職員がうっかり情報を漏らしてしまうリスクを減らせます。事業者はこのような対策を講じ、個人情報保護と情報漏えい防止に努める必要があります。
他事業所との情報共有には文書で同意が必要(第44条第3項)
障害児の支援を行う際、場合によっては他の事業所や支援機関と利用者の情報を共有することがあります。例えば、障害児が他の障害福祉サービス事業者のサービスも利用している場合、支援内容を連携するために情報共有が必要になるでしょう。しかし、第44条第3項では、他の障害福祉サービス事業者等に利用者の情報を提供する際は、あらかじめ文書で本人や家族(保護者)の同意を得なければならないと規定されています。
つまり、支援のためであっても、保護者の事前の同意なしに勝手に情報共有してはいけないということです。具体的には、利用開始時に保護者から情報共有に関する包括的な同意書をもらっておく方法が推奨されています。包括同意とは、サービス提供開始時に「必要に応じて関係機関と情報共有すること」にまとめて同意をもらうことです。こうしておけば、後から毎回個別に許可を取らなくても、必要な範囲で他の支援者と情報共有が可能になります。ただし、同意を得ている場合でも、共有する情報は最小限にとどめ、プライバシーに配慮することが大切です。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 秘密保持は法律上の義務:指定福祉型障害児入所施設の従業者・管理者は、業務で知った障害児や家族の情報を正当な理由なく漏らしてはいけません。守秘義務を徹底し、利用者との信頼関係を築きましょう。
- 退職後も情報管理を徹底:職員が辞めた後も秘密が守られるよう、雇用契約時の取り決めなど必要な措置を講じることが求められます。退職時にも機密保持の重要性を確認し、情報漏えいリスクを低減しましょう。
- 情報共有には事前の包括同意:他の障害福祉サービス事業者等と利用者情報を共有する際は、必ず事前に文書で保護者の同意を得てください。サービス開始時に包括的な同意をもらっておくと後々スムーズです。
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