指定福祉型障害児入所施設の「記録の整備」とは?
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指定福祉型障害児入所施設とは、障害のある子どもが入所して生活する福祉施設です。この施設を運営するには、多くの書類や記録を適切に整備・保管する必要があります。特に「記録の整備」(基準第51条)と呼ばれるルールでは、施設の従業員や設備、会計などに関する記録をきちんと文書で残すことが義務付けられています。本記事では、どのような記録を、どれくらいの期間保存しなければならないのかを、やさしくシンプルに解説します。
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記録の整備とは
「記録の整備」とは、文字通り事業運営に関する記録を整えることです。指定福祉型障害児入所施設では、従業員の配置状況、設備や備品の管理状況、会計の帳簿など、運営に関わる様々な事項について書面で記録し、整理しておかなければなりません。これらは法令で定められた義務であり、記録を残すことで支援の質を担保し、トラブル防止や責任の明確化につながります。また、日々の支援内容や事故・苦情への対応状況を記録しておくことは、障害児の権利擁護や虐待防止の観点からも非常に重要です。
5年間保存が必要な記録とは
指定福祉型障害児入所施設における記録のうち、特に5年間以上保存しなければならないと定められているものがあります【基準第51条第2項】。以下に、その代表的な記録を挙げます。
入所支援計画・移行支援計画:障害児一人ひとりについて作成する支援計画です。入所支援計画は施設に入所している間の支援内容を定めた計画書、移行支援計画は退所後を見据えて自立や地域生活への移行を支援する計画書です。
サービス提供の記録:支援を提供した際の日付、内容、担当者などを記録したものです(基準第15条第1項で規定)。日々のケアやプログラムの実施内容を示す重要な記録となります。
身体拘束等の記録:やむを得ず障害児に身体拘束や行動制限を行った場合、その日時、状況、理由、継続時間などを詳細に記録します(基準第41条第2項)。身体拘束は原則禁止ですが、万一実施した場合は厳格な記録とチェックが求められます。
苦情の記録:障害児本人や保護者からの苦情や意見があった場合、その内容と施設が講じた対応策を記録します(基準第47条第2項)。苦情対応の記録は、サービス改善や信頼関係構築にも役立つ資料です。
事故の記録:施設内で事故やヒヤリハット(ヒヤッとした事例)が発生した際の状況と、取られた対応措置を記録します(基準第49条第2項)。事故報告書としてまとめ、再発防止策の検討にも活用されます。
市町村への通知記録:法令に基づいて市区町村へ報告・通知した事項の記録です(基準第32条)。例えば、利用者の給付費に関する不正が発覚し市町村に報告したケースなどでは、その通知内容や日時を記録として残します。
上記の記録は、いずれもサービス提供日から起算して5年以上の保管が義務付けられています。つまり、ある日付に提供した支援についての記録は、その日から少なくとも5年間は保存しなければなりません。記録は紙で保管してもデータで保管しても構いませんが、改ざん防止と情報保護に留意し、責任をもって管理しましょう。これらの書類は行政による実地指導・監査の際に確認される重要書類でもあります。適切な記録管理は、事業者自身を守ることにもなります。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 日々の記録を文書で整理する:従業者の勤務状況、設備・備品の管理、会計処理など、事業運営のあらゆる記録を日頃から書面または電子データで整理・保管しましょう。記録の抜け漏れがないようチェック体制を整えることも大切です。
- 重要書類は最低5年間保存:入所支援計画やサービス提供記録、苦情・事故対応の記録など、法律で保存期間が定められた書類は、サービス提供日から必ず5年以上保管する必要があります。期限内に破棄してしまうと法令違反となるため注意が必要です。
- 記録は信頼と安心の土台:残された記録は、行政の監査時にサービスの適正さを示す根拠となり、保護者や利用者に対する説明責任を果たす材料ともなります。記録を適切に管理することで、利用者の権利擁護や事業運営への信頼性向上につながるため、面倒がらず確実に取り組みましょう。
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