児童発達支援における利用者負担額の管理と給付費の通知
記事の概要:
児童発達支援事業の運営には、法律で定められたルール(指定基準)があります。本記事では、その中から特に重要な「通所利用者負担額の管理」と「障害児通所給付費の額の通知」に関する規定を取り上げ、やさしくシンプルに解説します。
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通所利用者負担額の管理(基準第24条)
指定児童発達支援事業者(児童発達支援の事業者)は、利用児童が同じ月に複数の通所支援サービスを利用した場合に、その月の保護者の支払額(利用者負担額)を正しく管理する義務があります。具体的には、もしお子さんが「児童発達支援」と他の通所支援(例:放課後等デイサービスなど)を同一月内に併用した場合、それらサービスにかかる利用者負担額の合計を算出しなければなりません。これは、家族が1か月に支払う自己負担の総額が一定額を超えないように調整する「上限額管理」の仕組みを適切に行うためです。
事業者は、上記の合計金額を市町村に報告するとともに、保護者(※受給者証を持つ保護者)および他のサービス事業者にも必要な情報を通知しなければなりません。例えば「今月の利用者負担額は児童発達支援と放課後等デイサービスの合計で◯◯円です」と伝えるイメージです。
このように、一人の児童が月内に複数の障害児通所支援サービスを利用する場合は、どの事業所か一つが上限額管理の担当となり、保護者の負担額を調整することになります。児童発達支援事業者が提供するサービスと他サービスの併用時には、合算計算・報告・通知という3つのステップを確実に実行しましょう。
- 利用者負担額の合計を算出する
- 市町村に合算した金額を報告する
- 保護者と他の事業所に必要な情報を通知する
障害児通所給付費の額の通知とサービス提供証明書(基準第25条)
基準第25条では、事業者が自治体から給付費等を受け取った場合と、保護者から費用の支払いを受けた場合とで、それぞれ事業者が行うべき対応が定められています。簡単に言えば、「自治体からお金を受け取ったときは保護者へ通知を」「保護者からお金を受け取ったときは証明書を発行」というルールです。具体的な内容は次の表のとおりです。
表のとおり、まず事業者が市町村から直接障害児通所給付費等の支払いを受け取ったケースでは、保護者に支給額を知らせる義務があります。障害児通所支援では、利用料の1割を保護者が負担し、残り9割を自治体が事業者に支払う法定代理受領という仕組みです。事業者は「○月分の給付費○○円を市町村から受領しました」などといった形で保護者へ通知します。保護者にとっては、自分の子どものサービスにどれだけ公費(給付費)が充てられたかを知ることで、利用状況を把握でき安心にもつながります。
一方、事業者が保護者から直接費用を受け取った場合には、サービス提供証明書を保護者に発行する必要があります。サービス提供証明書とは、提供したサービスの内容や日付、費用金額などを記載した書類で、保護者が後日自治体に給付費の支払いを請求する際に必要となる証明書です。この証明書がなければ自治体への給付費請求手続きができないため、事業者は速やかに交付して保護者の申請をサポートすることが求められます。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 複数サービス利用時は利用者負担額を合算して上限額管理を徹底 – 同じ月に児童発達支援と他の通所支援を併用する場合、利用者負担額の合計を算出し、市町村への報告と関係者への通知を行いましょう。月額上限を超えない請求調整が重要です。
- 自治体から給付費を受け取ったら保護者に額を通知 – 法定代理受領で自治体から障害児通所給付費等を受領した際は、その支給額を速やかに保護者へ知らせます。公費負担額の通知は利用者への情報提供として義務付けられています。
- 保護者が費用を支払った場合はサービス提供証明書を発行 – 保護者から利用料の支払いを受けた場合、サービス内容や費用を明記したサービス提供証明書を交付します。保護者が自治体に給付費を請求する際に必要な書類であり、忘れずに発行しましょう。
【免責事項】
