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独習 障害児通所支援 指定基準 | 第三 児童発達支援 3 運営に関する基準 (16) 後半

童発達支援管理責任者の役割を解説:支援計画の作成からモニタリングまで


記事の概要:
児童発達支援管理責任者(自発管)は、障害のあるお子さん一人ひとりの 児童発達支援計画 を作成し、支援の実施を管理する重要な役割です。この記事では、自発管が担う具体的な役割について、「個別支援会議」の開催、支援計画の説明と同意、支援計画の交付・情報共有、そして定期的なモニタリングまでをやさしくシンプルに解説します。

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児童発達支援管理責任者(自発管)の役割

児童発達支援管理責任者(自発管)とは、児童発達支援事業所等に配置される専門職で、障害児ごとの支援計画を立ててサービスの質を管理する役割です。お子さんの発達やニーズに合った計画を策定し、関係者と連携しながら適切な支援を提供する責任者と言えます。具体的には、支援計画を作成する際から提供中・提供後まで、以下のような手順で業務を行います。

  1. 個別支援会議の開催 – まず、自発管は 個別支援会議 を開催します。これは支援計画(児童発達支援計画)の原案について、施設のスタッフや関係者から意見を集める会議です。ポイントは、障害のあるお子さん(障害児)の意見がしっかり尊重され、その最善の利益が最優先される体制を取ることです。可能な限り本人や保護者も会議に参加してもらい、直接意向を聞きます(難しい場合は事前に面談するなど工夫します)。年齢や発達の程度により言葉で表現が難しいお子さんもいるため、言葉だけでなく表情やしぐさから気持ちを汲み取り、その意見を大切に扱います。なお、この会議は対面が基本ですが、状況に応じてオンライン(テレビ電話会議等)で行うことも可能です。こうした準備を経て、子どもの発達支援計画の原案をより実態に即した内容にブラッシュアップします。
  2. 児童発達支援計画の説明・同意 – 個別支援会議で意見を踏まえて計画案をまとめたら、自発管はその 支援計画の内容を保護者および本人に説明します。難しい専門用語はできるだけ避け、中学生にも分かるようなやさしい言葉で伝えることが望ましいです。計画の目的や支援内容、目標などを丁寧に説明し、文書により同意を得ることが必要です。つまり、保護者(通所給付決定保護者)と可能であれば障害児本人に、計画書への署名や押印をもらい正式に同意を確認します。利用者側に計画内容を十分理解・納得してもらうことで、支援への協力体制も築きやすくなります。このプロセスを経ることで、支援計画が単なる施設側の押し付けではなく、子どもと家族が納得した「一緒に進める計画」となります。
  3. 児童発達支援計画の交付と関係機関連携 – 同意を得て確定した支援計画は、書面を交付する形でお渡しします。交付先は 保護者(通所給付決定保護者)と、保護者が利用している 指定障害児相談支援事業所(いわゆる相談支援専門員がいる事業所)です。相談支援事業所では、お子さんのサービス利用計画(障害児支援利用計画)を作成しており、その中に各事業所の児童発達支援計画の内容も反映される必要があります。そのため、自発管はサービス担当者会議(相談支援事業所が開催する関係機関との連絡調整会議)に参加し、他の支援機関とも情報共有に努めます。例えば、お子さんが児童発達支援のほかに放課後等デイサービスや医療的ケアを受けている場合、それらを担当するスタッフともサービス担当者会議で顔を合わせ、お子さんの目標や支援方針について共通理解を図ります。計画の交付と情報共有を徹底することで、複数の機関が連携し一貫した支援を提供できるようになるのです。
  4. モニタリングと計画の見直し – 支援計画に基づくサービス提供が始まった後も、自発管の仕事は続きます。モニタリングとは、計画の実施状況を定期的に確認し、お子さんの課題や成長を把握することです。指定基準上、少なくとも6か月に1回以上は支援計画の見直し検討を行うよう定められています。具体的には、半年ごとに一度はスタッフ間で会議を開き、支援目標の達成状況を評価します。お子さんが順調に目標を達成している場合は新たな目標設定や支援内容の拡充を検討し、逆に目標未達成の場合は支援方法や目標設定に問題がなかったか振り返ります。そして、必要に応じて 児童発達支援計画を改訂(見直し)します。計画を変更する際も、一方的に書き換えるのではなく、改めて担当者会議を開催して方針を検討し、変更内容について保護者の同意を得ることが重要です。こうしたPDCAサイクル(計画→実行→確認→改善)を回すことで、常にお子さんの最新の状況に合った支援を提供し続けることができます。モニタリングの結果は記録に残し、市町村など行政から確認を求められた際に説明できるようにしておくことも、実務上欠かせないポイントです。

以上が、児童発達支援管理責任者(自発管)の主な役割と業務の流れです。支援計画の作成から同意取得、関係機関連携、定期的な見直しまで、一連のプロセスを適切に行うことで、質の高い障害児支援が実現します。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 子ども本人の参加と意見尊重が必須: 支援計画の作成時には、個別支援会議を開いて障害児本人や保護者の意見を取り入れます。言葉で表現が難しい子でも、表情や動作から意思を汲み取り、計画に反映させる姿勢が重要です(お子さんの最善の利益を最優先に考えます)。
  • 支援計画の同意と情報共有を徹底: 出来上がった児童発達支援計画は、保護者に分かりやすく説明して文書で同意を得ます。その上で、計画書を保護者と指定障害児相談支援事業所に交付し、サービス担当者会議で他の関係機関と情報共有・連携を図ることまで忘れずに実施しましょう。
  • 定期的なモニタリングと計画見直し: 支援開始後も モニタリング(定期確認)を行い、少なくとも半年に一度は計画を見直す機会を設けます。お子さんの成長や状況の変化に応じて計画を更新し、変更時にはスタッフ会議の開催と保護者の同意取得を確実に行うことで、常に最適な支援を提供できます。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。