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独習 障害児通所支援 指定基準 | 第三 児童発達支援 3 運営に関する基準 (26)① ② ③ 

童発達支援に必要な運営規程とは?基準第37条のポイントをわかりやすく解説


記事の概要:
児童発達支援事業を運営するには運営規程というルールブックが必要です。この記事では、法律(基準第37条)で定められた運営規程のポイントを、やさしくシンプルに解説します。特にスタッフの人数の書き方や利用定員の意味、サービス内容と保護者負担費用の記載について、現場の疑問をスッキリ解消します。

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運営規程(基準第37条)とは?

児童発達支援事業所ごとに作成が義務付けられているのが運営規程です。運営規程とは、その事業所の運営に関する重要なルールをまとめたものです。法律の基準第37条では、この運営規程に必ず盛り込むべき事項を12項目定めています。これらの項目を漏れなく記載することで、事業所が適正に運営され、障害児に対して適切な支援サービスを提供できるようにする狙いがあります。

以下では、基準第37条に列挙された項目のうち、特に重要なポイントとなる3つの項目について具体的に解説します。

ポイント①:従業者の職種・員数・職務内容の書き方

運営規程には、その事業所で働くスタッフの職種(役割)、員数(人数)、そしてそれぞれの職務内容を記載する必要があります。ここで注意すべきは「員数」、つまりスタッフの人数の書き方です。スタッフ数は日々変わる可能性があります。そこで法律では、最低基準(基準第5条)を満たしていれば、「◯人以上」といった表記で柔軟に記載しても構わないとしています。例えば「児童指導員:◯人以上」と書けば、実際には必要最少人数は確保しつつ、その人数以上で運営しますという意味になります。こうすることで、スタッフの増減があった場合でも運営規程をその都度修正する手間が省けます。なお、この考え方は他の障害児通所支援サービスの運営規程でも同様に適用できます。

ポイント②:利用定員とは何か?

利用定員とは、その児童発達支援事業所が「同時に」サービス提供できる障害児の最大人数を指します。平たく言えば、「その施設が一度に受け入れ可能な子どもの上限」です。たとえば利用定員が10人なら、同じ時間帯に最大10人までの子どもにサービス提供できるという意味です。また、もし1つの事業所で複数のグループやユニットに分けてサービスを提供している場合は、ユニットごとに利用定員を定める必要があります。これは、各グループで同時に受け入れられる人数を明確にするためです。

注意したいのは、法律の他の条文で使われている「利用定員」という言葉との違いです。基準第11条にも「利用定員」という言葉がありますが、これはここで説明しているものとは概念が異なります。基準第37条第4号で求められる利用定員はあくまで同時利用の上限ですが、基準第11条では定員の下限を示しているため、これらを混同しないよう留意しましょう。

ポイント③:サービス内容と保護者から受け取る費用の明示

運営規程には提供するサービスの内容および保護者から受領する費用の種類と額も記載しなければなりません。まず「指定児童発達支援の内容」ですが、単に支援や指導の内容だけでなく、行事や一日のスケジュール(日課)など、サービス全体の内容を指します。つまり、どんな活動を行い、子どもたちが日々どう過ごすのかも含めて書く必要があります。「歌の時間がある」「季節のイベントを行う」など、利用者(子どもや保護者)に提供される具体的なプログラム内容が伝わるようにしましょう。

次に「通所給付決定保護者から受領する費用の種類及びその額」についてです。これは難しい表現ですが、簡単に言えば保護者に別途負担してもらう費用とその金額のことです。児童発達支援は基本的に公費で賄われますが、一部、法律で認められた範囲の費用を保護者から徴収することができます(基準第23条第3項)。例えば、給食やおやつの実費、教材費、遠足など特別活動の費用などが考えられます。運営規程には、こうした保護者負担となる費用の種類と具体的な金額を明記しておきます。そうすることで、保護者との金銭トラブルを防ぎ、事業所の運営が透明で安心できるものになります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • スタッフ人数は柔軟に記載OK:運営規程の「従業者の員数」は最低基準を満たせば具体人数を書かずに「◯人以上」と記載しても問題ありません。スタッフ増減で規程を頻繁に修正する手間を省けます。
  • 利用定員=同時利用の上限人数:利用定員とは一度にサービス提供できる障害児の上限です。複数ユニットがある場合は各ユニットごとに設定し、他の定員概念(定員の下限を規定)と混同しないよう注意しましょう。
  • サービス内容と費用を明確に:運営規程には支援内容だけでなく、行事や日課などサービス全般の内容を記載します。加えて、保護者から徴収する費用があればその種類と金額も具体的に示し、保護者に事前に分かりやすく伝わるようにします。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。