児童発達支援の契約支給量と受給者証への記載手続きを学ぶ
記事の概要:
児童発達支援の利用契約時に重要となる「契約支給量」の概念と、それに伴う事業者の義務について詳しく見ていきます。市町村が定める支給量の範囲内で設定する利用日数のルールをはじめ、契約成立後に受給者証へ記載すべき具体的な項目や、変更・終了時を含めた市町村への速やかな報告手続きなど、適正な給付管理とスムーズな事業運営を念頭に置いた内容です。
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1.契約時には受給者証に必要事項を記載
まず、契約成立後は速やかに受給者証へ契約内容を記載します。受給者証とは、市町村から交付される障害児通所支援の利用証明書で、サービスの種類や上限利用日数(支給量)などが書かれたものです。事業者は契約した利用者の受給者証に、自社がサービス提供者となったことを明示しなければなりません。
受給者証に記載すべき主な項目は以下の通りです。
- 事業者および事業所の名称 – 契約した児童発達支援事業者の法人名や事業所名
- 支援の内容 – 提供するサービスの種類や内容(この場合は児童発達支援)
- 契約支給量 – 1ヶ月あたりにその事業者が提供するサービス利用日数(後述)
- 契約日 – サービス利用契約を結んだ日付
- 契約の終了日 – ※契約によるサービス提供を終了した場合、その終了した年月日(サービスを月の途中で終了した場合は、当月にすでに提供したサービス日数も併せて記載)
これらの事項を受給者証の事業者記入欄に記入することで、利用者(保護者)や他の関係者にも契約内容が明確になります。特に「契約支給量」(月あたりの提供量)を記載することで、その児童が当該事業者で月何日サービスを受ける予定かが一目でわかるようになります。
2.契約支給量は「支給量」の範囲内で設定
では契約支給量とは何か、そしてなぜ記載が必要なのでしょうか?契約支給量とは、簡単に言うと「利用者が1ヶ月にその事業所で利用する予定のサービスの量(時間・日数)」のことです。【支給量】(しきゅうりょう)という言葉と対になる概念なので、まず支給量から説明します。
支給量=1ヶ月に利用できるサービスの上限日数です。支給量は市町村が児童の状況等に応じて決定し、受給者証に「○日/月」のように記載されています。例えば支給量が「14日/月」であれば、その児童は1か月に最大14日間、児童発達支援など障害児通所支援サービスを利用できるという意味です。
一方、契約支給量=支給量の範囲内で各事業者と契約した月当たり利用日数です。同じ児童が複数の事業所を利用するケースもありますが、すべての契約支給量の合計が、その児童の支給量を超えないようにしなければなりません。
契約支給量を明示・管理することで、利用者ごとのサービス利用日数の総量が適切にコントロールされます。受給者証に各事業所の契約支給量が記載されていれば、他の事業者や市町村もその情報を共有できます。別の事業所が新たに契約する際も、既に他の事業所で何日契約済みか受給者証で確認できます。結果として、支給量を超える重複利用や契約のミスを防ぐことができるのです。
3.契約内容を市町村へ速やかに報告
契約内容を受給者証に記載したら、忘れずに市町村へ報告しましょう。基準第13条第3項では、事業者が受給者証に契約内容(上記①の事項)を記載した場合、遅滞なく(できるだけ早く)その記載事項を市町村に報告する義務があると定めています。
報告の方法としては、各市町村指定の「契約内容報告書」(通所受給者証記載事項報告書)などの書式に必要事項を記入し提出するのが一般的です。報告すべき内容は先述の受給者証に記載した項目と同じで、具体的には事業者名・サービス内容・契約支給量・契約日など契約に関する情報です。また、契約を終了した場合や契約内容(契約支給量)を変更した場合にも、その都度報告が必要になります。
市町村への報告は、事業者と行政が利用状況を共有し適切に支給量を管理するための重要なステップです。報告が遅れると、市町村側の台帳管理にタイムラグが生じ、利用者のサービス利用状況に齟齬が発生する恐れがあります。特にサービス提供実績の請求事務(給付費の請求)にも関わる情報なので、契約締結後は速やかに提出することが求められます。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 契約締結時は受給者証に契約内容を記載する義務がある(事業者名・サービス内容・月当たりの契約支給量・契約日などを記入し、契約終了時は終了日等も記載)
- 契約支給量は市町村が定めた支給量(利用上限日数)の範囲内で設定する(契約支給量の合計が支給量を超えてはいけない)
- 受給者証に契約内容を記載したら、市町村へ遅滞なく報告する(契約開始・変更・終了の都度、必要事項を所定の様式で届け出る)
【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。