児童発達支援事業所に必要な協力医療機関と重要事項の掲示
記事の概要:
児童発達支援事業所の運営には、法律で定められたさまざまな基準を守る必要があります。本記事では、その中から「協力医療機関の指定」と「重要事項の掲示」という二つの重要なポイントについて、最新の基準に沿ってやさしくシンプルに解説します。
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協力医療機関の指定とは?
協力医療機関とは、児童発達支援事業所があらかじめ提携しておく医師や病院のことです。簡単に言えば、事業所のかかりつけ医のような役割を果たす存在で、万が一、お子さんの体調が急変した際にすぐ相談・対応できる医療機関を指します。法律(児童福祉法に基づく基準第42条)で、医療型ではない児童発達支援事業所は必ず協力医療機関を事前に定めておかなければならないと定められています。この規定により、事業所は緊急時にも迅速で適切な医療対応ができる体制を整えておけます。
協力医療機関は、事業所から近い場所にあることが望ましいとされています。たとえば、車でおおむね20分以内で行ける範囲の小児科クリニックや病院などを選ぶ、などです。あらかじめ地域の医療機関と協力関係を築き、連絡先を共有しておくことで、利用中の子どもの体調不良やケガなど緊急時にスムーズな医療支援を受けられます。特に、看護師が常駐しないような非医療型の児童発達支援事業所では、このような医療バックアップ体制が欠かせません。
重要事項の掲示義務とは?
児童発達支援事業所では、利用を検討している人や現在利用している人に対し、サービス内容や運営状況を見える化することが求められています。そのためのルールが、重要事項の掲示(基準第43条)です。具体的には、事業所内の利用者や家族が見やすい場所に、以下のような重要な情報を掲示する必要があります。
上記の情報を掲示しておけば、利用者やその家族は事業所の体制を事前に知ることができ、サービス選びの参考にできます。掲示場所は玄関ホールや待合室など、来所者の目に付きやすい場所にしましょう。また、掲示の方法として、壁に貼る代わりに、これらの情報をファイルやバインダーにまとめて備え付け、自由に閲覧できるようにしておくことも認められています。
掲示項目のうち、とくに「従業者の勤務体制」の書き方には注意しましょう。スタッフの個人名まで出す必要はなく、職種別や常勤・非常勤の人数といった体制の概要を示せば十分です。プライバシーに配慮しつつ、利用者に安心感を与えられる情報提供を心がけます。また「協力医療機関」は名称だけでなく連絡先も掲示しておくと、保護者にとってより安心です。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 協力医療機関の確保:児童発達支援事業を始める際は、必ず近隣の医療機関(小児科や病院など)と事前に提携しておきましょう。緊急時に子どもの診察・治療を速やかに受けられる備えは、信頼される事業運営の基本です。
- 重要事項の見える化:運営に関する重要な情報は、利用者と家族に対してオープンにする必要があります。施設内の掲示板やファイルを活用して、運営規程の概要、職員体制、事故対応、苦情受付、協力医療機関、第三者評価の状況などをわかりやすく提示しましょう。
- 利用者目線の情報提供:掲示物を作成するときは、専門用語を避けて中学生にも理解できる平易な表現を心がけます。掲示場所も含め、「利用者に本当に伝わるか?」という視点で工夫することが大切です。
【免責事項】
