スキップしてメイン コンテンツに移動

独習 障害福祉サービス 指導監査 | 指定障害福祉サービス事業者等指導指針 7 その他

害福祉サービスの指導結果と運営指導の留意点の解説


記事の概要:
この記事では、運営指導の結果がどのように情報共有されるか、国への報告義務、そして現場での指導の際に役所側・事業所側がそれぞれ留意すべきポイントなどについて、やさしくシンプルに解説します。

▶︎ 指導指針 関連記事まとめページはこちら

指導結果の情報提供:自治体間での共有と利用者への開示

運営指導が行われた場合、その結果は事業所が所在する自治体など関係機関と共有されます。具体的には、都道府県が事業所に対して実地指導を行った場合、その事業所がある市町村に対して指導結果の通知書や事業所から提出された改善報告書(指摘事項の改善内容をまとめた報告書)の内容が提供されます。逆に、市町村が指導した場合は都道府県に情報提供されます。同時に、利用者の保護の観点から、必要に応じてこの指導結果を公表(開示)することも求められています。つまり、指導の内容や改善状況は、可能な範囲で公開され、サービス利用者の安心・安全につなげるようにしているのです。

指導実施状況の報告:国(厚労省)への定期レポート

自治体は、運営指導をどれだけ実施したか、その状況を国に報告する義務があります。都道府県や市町村は、それぞれの指導実施件数や内容を取りまとめ、厚生労働省の担当部署(障害保健福祉部企画課)に報告します(報告時期や形式は国が別途定めています)。国もこれにより全国の指導状況を把握できます。

運営指導現場での留意事項:公平な対応と改善支援

最後に、実地指導の現場で行政側が留意すべき重要事項が5点示されています。以下の表にガイドラインの要点をまとめます。

留意点ガイドラインの趣旨
ア: 主観を避け一貫した指導指導を行う職員は、自分の主観や思い込みで判断してはいけません。また、前回の指導内容と今回の指摘が大きく食い違うようなことも、正当な理由がなければ避けるべきです。常に客観的な基準に基づき、一貫性のある指導を心がけます。
イ: 高圧的な態度をとらない指導の場では、行政の担当者は高圧的な言動を控えるよう定められています。改善が必要な点の指摘や、より良いケアへのアドバイスは、事業者と共通認識を持ちながら進めることが重要です。威圧的ではなく、建設的な話し合いの雰囲気で行われます。
ウ: 管理者以外も同席可能実地指導の対応は、事業所の管理者だけでなく、現場の状況に詳しいスタッフや法人本部の労務・会計担当者などが一緒に同席して構いません。必要に応じて専門知識を持つスタッフが対応することで、スムーズに指導に臨むことができます。
エ: 丁寧なヒアリングと説明指導では、指摘事項ごとに事業所の具体的な状況や理由をよく聞くことが求められています。その上で、根拠となる制度やルール、その趣旨・目的を丁寧に説明します。事業者が納得できるように、平易な言葉で説明が行われます。
オ: 良い取組は評価・周知指導は悪い点を指摘するだけでなく、優れた取り組みを行っている事業所は積極的に評価されます。そして、その良い事例は他の事業者にも紹介され、業界全体のサービス品質向上に活かされます。

このように、運営指導の現場では事業者との信頼関係を重視し、問題点の改善を促すとともに良い点は積極的に評価・共有する前向きな姿勢が求められています。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 運営指導の結果通知や改善内容は、事業所の所在地自治体と共有され、必要に応じて利用者保護のために公表されます。
  • 実地指導は公正で丁寧に行われるものであり、事業所側も管理者以外のスタッフ(現場担当者や経理担当者など)が同席して対応して構いません。
  • 指導で指摘された事項には改善報告書で対応する必要があります。また、優れた取り組みは行政から評価され、他の事業者にも紹介されます。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。