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独習 計画相談支援 指定基準 | 第二 指定計画相談支援に関する基準 2 運営に関する基準 (11) ⑫〜⑬

中サービス支援型グループホームと計画相談支援


記事の概要:
障害福祉サービスの一つ計画相談支援は、障害者総合支援法に基づきサービス等利用計画(どのような福祉サービスを利用するかの計画)を作成し、定期的に見直す相談支援サービスです。本記事では解釈通知のうち、項目⑫の日中サービス支援型グループホームの利用者に対する計画相談支援上の留意点、並びに項目⑬のサービス等利用計画案の利用者への説明と同意取得の義務について、やさしくシンプルに解説します。

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日中サービス支援型グループホーム利用者の計画相談支援(解釈通知⑫)

まず、項目⑫は日中サービス支援型指定共同生活援助(日中もサポートが受けられる障害者グループホーム)の利用者に対する計画相談支援についてです。このタイプのグループホームは、障害の重度化・高齢化に対応するため創設された24時間支援体制の施設で、日中も施設内で介護や日常生活の支援を受けられるのが特徴です。

解釈通知⑫によれば、こうした日中サービス支援型グループホームの利用者については、計画相談支援におけるモニタリング(定期的な計画見直し)の標準期間が3か月と他の類型より短く設定されています。通常は半年程度ですが、日中サービス支援型では3か月ごとを基本としています。

さらに、支援の質を確保する観点から、計画相談支援の提供事業者はグループホーム運営者とは別であることが望ましいとも示されています(同じ事業者で両方行わない方がよい)。やむを得ず同一法人で両方行う場合も、他の相談支援事業所と連携してモニタリング等を行うなど、公平性を保つ工夫が必要です。

サービス等利用計画案の説明および同意取得(解釈通知⑬)

次に、項目⑬ではサービス等利用計画案について、利用者への説明と文書による同意取得が義務づけられました。福祉サービスの選択は本来利用者本人が行うものであり、計画も利用者の希望を尊重して作成される必要があります。そこで最終的に計画案の内容を利用者に説明し、書面で同意を得ることが必須となったのです。こうして利用者のサービス選択権と意思反映の機会が保証されます。

サービス等利用計画案の作成・説明にあたって押さえるポイントは次のとおりです。

  • 計画案の説明と同意: サービス等利用計画案は利用者の希望を反映して作成し、完成後は相談支援専門員が内容を説明して書面で同意を得ます(義務)。利用者に計画内容を理解・納得してもらい、同意なしに計画が進まないようにするためです。なお、説明時には各サービスについて利用者負担が発生するかどうかも伝えてください。

  • 利用者への説明:サービス等利用計画案の原案の作成までを相談支援員が担当していた場合、そのまま説明の場から外れるのではなく、担当する相談支援専門員または主任相談支援専門員の指導のもとで、相談支援員自身も利用者への説明に同席するのが望ましいとされています。これは、計画案の作成過程で継続的に関わってきたスタッフが説明に立ち会うことで、利用者との信頼関係を維持し、支援の一貫性を担保するという実務的な配慮です。さらに、計画案の説明にあたっては、「どのサービスが利用者負担のある介護給付等に該当するのか」を明確に区分したうえで行う必要があります。

事業者・起業希望者が押さえるべき3つのポイント

  • モニタリングと支援体制の適正管理:日中サービス支援型グループホーム(GH)では、利用者の状態変化に対応するため、計画相談支援のモニタリング頻度が3か月に1回とされています(通常より短い)。また、支援の公平性を確保するために、計画相談支援はできるだけ外部の相談支援事業所が担うか、他法人との連携体制を整えておくことが重要です。
  • 利用者本位の計画作成と合意形成:計画相談支援は、利用者の意思と希望を尊重して作成することが原則です。そのため、サービス内容や選定理由を丁寧に説明し、最終的には文書で同意を得る必要があります。また、計画作成に関わった相談支援員が同席することで、信頼性のある説明と理解促進が図れます。
  • 利用者負担の明示と事前説明:計画案に含まれる福祉サービスが介護給付等の対象となるかどうか(=自己負担が発生するか)は、利用者にとって非常に重要です。そのため、費用負担の有無を区分して説明し、納得のうえで計画に同意してもらうようにしましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。