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独習 計画相談支援 指定基準 | 第二 指定計画相談支援に関する基準 2 運営に関する基準 (11) ⑳〜㉒

ービス等利用計画の変更と施設利用支援のポイント


記事の概要:
障害福祉サービスにおける計画相談支援では、利用者一人ひとりに合わせたサービス等利用計画を作成し、定期的に見直す(モニタリング)ことが重要です。本記事では、厚生労働省の解釈通知をもとに、サービス等利用計画の変更やモニタリング期間の調整、および福祉施設への紹介・連携に関するポイントをやさしくシンプルに解説します。

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サービス等利用計画の変更とモニタリング期間の見直し

相談支援専門員(計画相談担当者)は、利用者のサービス等利用計画を変更する際、基本的には初回作成時と同じ手順をもう一度行う必要があります。まず、利用者の状況を改めてアセスメントし、ご本人・ご家族の希望も踏まえてサービス内容や組み合わせを見直します。その上で、サービス提供事業者等とのサービス担当者会議を開いて専門職の意見を求め、新しい計画を利用者に説明して同意を得ます。作成した計画書は利用者や関係事業者に交付します。

利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の微調整など)であれば、一連の手続きを省略できます。ただし、その場合でも利用者の課題やニーズに変化が生じていないか注意を払うことが重要です。小さな変更の裏に大きなニーズの変化が潜んでいないか、モニタリングを通じて常に目配りしておきましょう。

さらに、計画を見直す際にはモニタリング期間(定期フォローの間隔)についても毎回検討します。標準的な頻度はありますが、利用者の状態によってフォロー頻度を柔軟に増減させることが求められます。もし「もっと頻繁に様子を見るべきだ」あるいは「間隔を延ばしても問題ない」と判断した場合には、サービス等利用計画の変更が必要か否かにかかわらず、自治体や利用者と協議してモニタリング周期を変更する手続きを取りましょう。例えば、不安定な状態の利用者には月1回など頻度を上げ、安定している場合には6か月より長い間隔に設定するといった対応です。

指定障害者支援施設等への紹介と地域移行への配慮

自宅で生活している利用者が、適切な福祉サービスを受けていても在宅生活が困難になる場合があります。また、利用者自身が「施設に入所して支援を受けたい」と希望するケースもあるでしょう。そのようなとき、相談支援専門員は指定障害者支援施設等(障害者支援施設やグループホーム、医療機関など)への紹介や入所・入院の手続き支援を行います。

ただし、利用者が施設に入る場合でも住み慣れた地域に戻れるようにとの視点を常に持っておく必要があります。施設入所はあくまで一時的な措置と考え、早い段階から地域生活への復帰プランを検討します。具体的には、施設の*「地域移行支援担当者」*と連携し、入所中から退所後の生活に向けた調整を始めます。例えば、施設でのケアと並行して将来自宅で生活するためのリハビリや環境整備について情報共有を行うなど、地域移行に向けた準備を進めておきます。

施設退所に向けた連携と事前支援

一方、施設や病院に入所中の方が「退所して地域で暮らしたい」と望み、計画相談支援を依頼してくるケースもあります。その際、相談支援専門員は関係機関と連携し、利用者が円滑に自宅での生活へ移行できるようサポートします。退所前に利用者やご家族と面談し、地域生活に必要なサービスや支援内容を一緒に検討しましょう。例えば、どの居宅介護サービスを利用するか、福祉用具や住宅改修が必要か、地域の支援者ネットワークとどう繋がるか—といった点です。

相談支援専門員は、退所前から情報提供や助言を行い、利用者と家族が安心して地域生活を始められるよう事前に支援します。必要に応じて自治体とも協議し、住まいや在宅サービスの準備も手助けします。重要なのは、本人が地域生活で不安に感じている点を丁寧に把握し、退所後も途切れず支援が続くよう体制を整えることです。事前にしっかり連携しておくことで、施設から地域への橋渡しがスムーズになり、利用者の新たな生活の第一歩を後押しできます。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 計画変更時の原則と例外を正確に理解する:サービス等利用計画を大きく変更する際には、初回と同じ流れ(アセスメント、サービス担当者会議、説明と同意取得など)をきちんと踏む必要があります。一方で、サービス提供時間の微調整などの「軽微な変更」であれば、すべての手続きを省略できますが、利用者のニーズの変化が潜んでいないか常に目を配る姿勢が求められます。
  • モニタリングの頻度は利用者の状況に応じて柔軟に調整:モニタリングの実施間隔は「一律」ではなく、利用者の体調や生活環境に応じて見直すことが重要です。頻度の変更が必要な場合には、計画の変更有無にかかわらず、市町村や利用者と協議のうえ、必ず正式な手続きをとる必要があります。
  • 入退所支援は「地域生活への移行」を意識して設計:施設入所や入院を希望する利用者には、適切な施設への紹介や入所手続きを支援するとともに、入所直後から地域復帰を前提とした支援計画を立てることが大切です。また、退所にあたっては、事前に生活環境やサービス体制を整え、本人が安心して地域生活を再スタートできるよう、関係機関との連携を強化する必要があります。



【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。