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独習 計画相談支援 指定基準 | 第二 指定計画相談支援に関する基準 2 運営に関する基準 (11) ③〜④

ービス等利用計画作成の基本理念と継続的支援の重要ポイント


記事の概要:
障害福祉サービスを利用する際、相談支援専門員が作成する「サービス等利用計画」には、利用者本人の 自己決定の尊重 と 継続的かつ計画的な支援 が求められます。本記事では、厚生労働省の解釈通知に基づき、これらの基本的な考え方をやさしくシンプルに解説します。具体的には、サービス等利用計画作成の基本理念(自己決定の尊重・意思決定支援)と、継続・計画的な福祉サービス提供のポイントについて説明します。

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サービス等利用計画作成の基本理念(自己決定の尊重と意思決定支援)

サービス等利用計画を作る際には、まず 利用者本人の自己決定(自分で選ぶ力) を大切にすることが基本です。つまり、利用者が自分で決めたいこと(通いたい施設や利用したいサービスなど)を尊重し、その希望を計画に反映させます。相談支援専門員は利用者や家族とよく話し合い、まずは利用者の希望をしっかり聞き取ることが重要です。

また、厚生労働省が示した「意思決定支援ガイドライン」(平成29年策定)に従って、利用者が自立した生活を送れるよう支援します。このガイドラインでは、次のような 意思決定支援の基本原則 が挙げられています。相談支援専門員はこれらの原則に沿って支援を行います。

意思決定支援の基本原則内容(説明)
本人への支援は自己決定の尊重利用者自身の選択を最大限尊重し、サポートする
不合理に見える選択の尊重他者への影響がなければ、利用者が望むこと(たとえ周囲から見ると不合理でも)を尊重
意思決定困難時の意思推定利用者本人が意思決定しにくい場合は、家族や周囲と情報を集めて本人の意思を推定する

これらの原則に沿って、利用者が自分らしい生活を送れるよう計画作成を行います。なお、相談支援専門員は利用者の意思決定支援を適切に行うために、都道府県が実施する研修(意思決定支援コース)の受講が推奨されています。こうした研修で、ガイドラインに沿った具体的な支援方法を学ぶことができます。

継続的かつ計画的な福祉サービス等の利用

次に重要なのは、サービス等利用計画を 継続的・計画的 に実施することです。これは、利用者が自立した日常生活を送れるよう、必要なサービスを長く安定して受けられるようにするためです。例えば、体調や生活環境の変化に応じて、支援内容を見直しながら継続的にサービスを提供することが求められます。

相談支援専門員は、計画を作るとき(あるいは変更するとき)には、以下のポイントに注意します:

  • 継続できるサービスの提供:利用者が途中でサービスをやめてしまわないよう、無理のない範囲で計画を組みます。たとえば、週5回の利用が大変なら週2~3回にとどめ、徐々に慣れていけるよう調整します。また、相談支援専門員は利用者や家族とよくコミュニケーションをとり、利用しにくい理由があれば解決策を探ります。
  • 必要性の検討:計画に含めるサービスが本当に必要かどうかをよく検討します。継続が難しいサービスや、利用者にとって意味が薄いサービスを無理にすすめないことが大切です。例えば、利用者が嫌がっているサービスをダラダラ続けるのは避けるべきですし、短期間でやめる可能性が高いサービスにこだわる必要はありません。むしろ、本当に必要な支援に絞って提供します。

これらにより、利用者は無理なく支援を受け続けることができ、自立に向けて安心して生活していけます。また、計画的に見直しを行うことで、利用者の状態の変化にも柔軟に対応できます。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 利用者本人の意思を第一に:サービス等利用計画作成では、利用者が何を望んでいるかを最優先に考えます。相談支援専門員は利用者と対話し、本人の意見を尊重する姿勢を持ちましょう。
  • 意思決定支援の実践:利用者の判断が難しいときは、意思決定支援ガイドラインに沿って支援します(表をご参照)。不合理に見える希望でも尊重し、必要な情報提供とサポートを忘れずに。
  • 継続できる支援計画:サービスは継続してこそ意味があります。利用者の体力や生活リズムに合った回数・内容で、無理なくサービスを続けられるよう計画します。中途半端な利用にならないよう、段階的・継続的なプランニングを心がけましょう。
  • 不要なサービスは避ける:利用者にとって必要性が低いサービスをあえて増やすのは避けます。相談支援専門員は常に「この支援は利用者にとって意味があるか」を検討し、利用者の利益を最優先することが求められます。
  • 研修・情報収集の活用:制度改正やガイドラインに沿った支援方法について、常に最新の情報を学ぶことが大切です。特に「意思決定支援」に関する研修を受けることで、計画作成の質が高まります。

【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。