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独習 計画相談支援 指定基準 | 第二 指定計画相談支援に関する基準 2 運営に関する基準 (17) 

定計画相談支援における「勤務体制の確保等」について


記事の概要:
「指定計画相談支援基準 第20条(勤務体制の確保等)」に関する解釈通知の内容について、やさしくシンプルに解説します。本記事は、勤務体制の整備やハラスメント防止策など、法律で求められるポイントを分かりやすくまとめたものです。

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毎月の勤務表作成でスタッフ体制を「見える化」

まず、指定特定相談支援事業所ごとに月ごとの勤務表を作成することが原則として義務付けられています。これは基準第20条第1項で定められたもので、各スタッフについて以下の情報を明確に記載します:

  • 勤務時間(日ごとに何時から何時まで働くか)
  • 職務の内容(その日どんな業務を担当するか)
  • 常勤・非常勤の別(フルタイムかパートタイムか)
  • 管理者との兼務関係(管理者が他の職務を兼ねている場合、その関係)

この勤務表によって、誰がいつどのような役割で働いているかが一目でわかるようになります。スタッフの配置状況を「見える化」することで、利用者へのサービス提供に抜けやムリがないか確認しやすくなり、適切な計画相談支援を確保する基盤となります。

事業所の従業者によるサービス提供の徹底

基準第20条第2項では、指定特定相談支援事業所の従業者自身がサービス(計画相談支援)を提供することが求められています。ここで言う「従業者」とは、その事業所と雇用契約または委託契約を結び、事業所の管理者の指揮命令下にあるスタッフのことです。

要するに、自社のスタッフが責任をもって相談支援業務を行う必要があるということです。他の会社や団体の職員、契約関係のないフリーランスの人などをそのまま使ってサービス提供することはできません。例えば外部の専門家に手伝ってもらう場合でも、必ず事業所との契約を交わし、管理者が指示・管理できる立場にしておく必要があります。こうすることで、サービスの質や責任の所在を明確にし、利用者に対して安定した支援を提供できるようになります。

職員研修の計画的な参加機会の確保

基準第20条第3項では、事業所の従業者の質の向上を目的として、研修への参加機会を計画的に確保することが定められています。具体的には、次のような研修をスタッフが受けられるよう計画しましょう:

  • 外部の研修機関が実施する研修への参加
  • 事業所内で行う研修への参加

例えば、計画相談支援専門員に必要なスキルアップ研修や、法改正に関する勉強会などを年間計画に組み込むと良いでしょう。ポイントは、場当たり的ではなく計画的に研修の機会を設けることです。これにより、スタッフの専門性や対応力が継続的に向上し、利用者へのサービス品質も高まります。

職場のハラスメント防止措置の義務と具体策

最後に、職場におけるハラスメント防止措置についてです(基準第20条第4項)。法律(男女雇用機会均等法第11条や労働施策総合推進法第30条の2等)の規定に基づき、事業所にはセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント(職場のいじめ・嫌がらせ)の防止策を講じる義務があります。指定基準にもこの趣旨が盛り込まれており、具体的には以下のような措置が必要です:

  • ハラスメント禁止の方針の明確化・周知: 職場でどのような行為がハラスメントに当たるか、そして「ハラスメントは許されない」という事業所の方針をはっきり示し、全スタッフに周知・啓発します。例えば就業規則や社内掲示、研修などで繰り返し伝えることが有効です。
  • 相談窓口の整備・周知: ハラスメントに関する相談や苦情を受け付け、適切に対応できる相談窓口をあらかじめ設置し、スタッフに知らせておきます。具体的には、相談担当者を決めておいたり、小規模事業所であれば外部の専門窓口(地域の労働局の相談ダイヤル等)を案内する方法も考えられます。重要なのは、被害を受けた従業員が安心して相談できる体制を用意することです。

さらに、利用者やその家族といった外部の人から従業者が受ける迷惑行為(いわゆる「カスタマーハラスメント」)への対応についても触れておきます。これは法律上の義務ではありませんが、厚生労働省のパワーハラスメント防止指針では事業主の望ましい取り組み例として挙げられています。事業運営上、利用者からの暴言・過度な要求などが発生することもあり得るため、以下のような対策が推奨されます:

  • 顧客対応の体制整備: 利用者等から著しいクレームや迷惑行為があった際に、相談・苦情に適切に対処できるよう社内の対応ルールや担当者を決めておく。
  • 被害に遭った職員への配慮: スタッフがカスタマーハラスメント被害で精神的に参ってしまわないよう、メンタルヘルス面のフォローをしたり、問題のある利用者対応を一人に任せきりにしない(複数人で対応する、ローテーションする等)工夫をする。
  • 被害防止のための取組: 事前にマニュアルを作成したり研修を実施したりして、どう対処するか職員全体で共有しておく。業種や事業規模に応じ、無理のない範囲で対策を準備する。

以上のように、ハラスメント防止については義務としてやるべきことと望ましい取り組みがあります。義務事項は確実に実施し、望ましい対策についても可能な範囲で取り入れることで、職員が安心して働ける環境を整えましょう。職場環境が健全であれば、結果的に利用者へのサービスの質向上にもつながります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 勤務表の作成と内容明記: 毎月、事業所ごとにスタッフ全員の勤務表を用意します。各人の勤務時間帯、担当業務、常勤・非常勤の別、管理者との兼務状況をきちんと書き込みましょう。誰がいつ何をするかを明確にすることで、サービス提供の抜け漏れ防止になります。
  • スタッフは所属契約が前提: 相談支援業務を行うスタッフは、必ず事業所と雇用契約または委託契約を結び、管理者の指揮下に置く必要があります。他社の職員や無関係な外部の人に任せるのではなく、自社の責任でサービス提供できる体制を築きましょう。
  • 計画的な研修参加: スタッフのスキルアップのため、年間を通じて研修の機会を計画しましょう。外部研修の受講予定を立てたり、定期的に社内勉強会を開くなど、従業者の専門性を高める工夫が求められます。研修を計画的に行うことで、結果的に利用者への支援の質も向上します。
  • ハラスメント防止策の徹底: セクハラ・パワハラ防止のための社内方針の明確化と相談窓口の設置は法律上の義務です。小規模事業所でも例外ではありませんので、就業規則やマニュアルでハラスメント禁止を謳い、万一の場合の相談先を決めて周知しましょう。また、カスタマーハラスメント対策も重要です。クレーム対応マニュアルを用意したり、職員のメンタルヘルス支援策を考えるなど、できる範囲で実施すると職場環境が改善し、生産性やサービス品質の向上につながります。 


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。