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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 第三(居重同行) 3 運営に関する基準 (10) (11) 

定居宅介護における利用者負担と料金ルールのポイント


記事の概要:
指定居宅介護サービスを提供する上で、「利用者からどこまでお金をもらっていいのか?」は重要なポイントです。厚生労働省が定めた基準のうち、(10) 利用者に請求できるお金の範囲と (11) 利用者負担額の受け取り方法について、やさしくシンプルに解説します。追加料金を請求できるケースや交通費の扱いなど、法令遵守と適切な実務に役立つ知識をまとめました。本記事を読むことで、指定居宅介護事業者が守るべきお金のルールを正しく理解できます。

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利用者に請求できるお金の範囲とは?(基準20条)

厚労省の基準では、「事業者が利用者に求めることのできる金銭の範囲」を定めています。簡単に言えば、決められた自己負担以外に、あいまいな名目で余計なお金を請求してはいけないということです。利用者が支払う基本的な費用は、法律で決まった利用者負担額(通常1割)だけであり、それ以外に勝手な追加料金を課すのは不適切とされています。

ただし、利用者のために直接役立つものについて、ある条件を満たせば例外的に利用者にお金を負担してもらっても差し支えありません。その条件は次の2つです。

  • サービスの範囲外の費用であること(居宅介護サービスの提供の一環ではないもの)。
  • 事前に説明と同意を得ていること。事業者は、利用者に負担を求める金額・使いみち・理由を書面できちんと説明し、利用者の同意をもらう必要があります。

ケース利用者に請求できる?解説
居宅介護サービスに含まれる基本的な支援× 請求不可基本サービス部分は公定価格で賄われ、利用者負担(1割など)以外は徴収できません。
サービス範囲外の利用者からの追加依頼○ 請求可事前に金額・用途を説明し同意を得れば、利用者に実費を負担してもらえます。
通常のサービス提供エリア内での交通費× 請求不可事業者の営業範囲内の移動交通費はサービス提供経費に含まれており、別途利用者に請求できません。
サービス提供エリア外への訪問に伴う交通費○ 請求可利用者の希望で通常エリア外に出張する場合は、かかった交通費(電車代・ガソリン代など実費)を請求できます。

利用者負担額の受け取り方法と交通費の扱い(基準21条)

1. 利用者負担額の受領(通常の場合)

事業者は利用者から利用者負担額を必ず受け取る決まりです。原則、障害福祉サービスの利用者負担額はサービス費用の1割です。利用者はその1割を事業者に支払い、残り9割は事業者が自治体に請求して受け取ります(法定代理受領)。

なお、自治体が独自に定めた上限額がある場合は、その軽減後の額を適用します。

2. 全額一時払い(償還払い)

何らかの理由で法定代理受領ができない場合は、利用者が全額を支払い、後で市町村から9割相当額を払い戻してもらう「償還払い」という方法になります。

この場合も、事業者が受け取れるのは公定の費用上限までであり、実際にかかった金額を超えて請求することはできません。

3. 交通費の受領(エリア外)

通常のサービス提供エリア外で、利用者の希望によりサービスを提供する場合に限って、交通費の実費(公共交通機関運賃やガソリン代等)を利用者に請求できます。

通常エリア内での交通費は請求不可です。費用を請求する際には、事前に内容と金額を説明し、同意を得る必要があります。

4. 領収証の交付

事業者が利用者から何らかの支払いを受けた場合は、必ず領収証を交付しなければなりません。現金支払いでも振込でも、以下のような記載事項を備えた領収証を渡すことが望ましいです。

  • 支払日
  • 金額
  • 費目の内訳(例:利用料、交通費)
  • 事業者名・連絡先・担当者名

その場での交付を基本とし、後出しや口頭だけの対応は避けましょう。

5. 利用者の事前の同意

交通費や追加支援など、サービスの範囲外にかかる費用を請求する場合は、必ず事前に書面で説明し、同意書への署名を得る必要があります。説明・署名・記録の3点セットでの管理が実務では重要です。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 不適切な追加請求は禁止:「手数料」「管理費」などあいまいな名目では請求できません。
  • 例外的な費用は書面で説明+同意を取得:文書化+サインを忘れずに。
  • 利用者負担額の確認は慎重に:市町村からの軽減措置がある場合、その内容に基づいて請求しましょう。
  • 代理受領・償還払いの違いを把握:状況に応じた正しい請求方法を選びましょう。
  • 交通費の取り扱いも明確に:通常エリア外のみ、事前説明の上で請求可能です。



【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。