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独習 障害福祉サービス 指定基準 | 第三(居重同行) 3 運営に関する基準 (4) (5) (6)

害福祉サービス事業者が押さえるべき3つのポイント〜連絡調整・サービス提供困難時・受給資格確認〜


記事の概要:
障害のある方への支援サービス(障害福祉サービス)を提供する事業者(例えば居宅介護サービスを行う事業所)は、法律で定められたルールを守る必要があります。この記事では、その中から3つのポイントを取り上げ、やさしくシンプルに解説します。その3つとは、「市町村や相談支援員との連絡調整への協力」、「サービス提供が難しいときの対応」、そして「利用者の受給資格の確認」です。

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1. 市町村や相談支援員との連絡調整に協力すること

障害福祉サービスの現場では、利用者さんを支えるために市町村(自治体)や相談支援専門員(サービス利用計画を作る人)と連絡を取り合う場面が多くあります。例えば、新しくサービスを利用したい方の紹介が自治体から事業所に来ることや、利用者さんの支援方針を話し合う「サービス担当者会議」への出席依頼などです。指定居宅介護事業者(障害者の居宅介護サービスを行う事業所)は、このような連絡や会議の要請に対し、サービスを円滑に提供する観点からできる限り協力する義務があります。簡単に言えば、自治体や相談支援員から連絡があったら可能な限り応じて、一緒に利用者さんの支援策を調整しましょうということです。

具体的には、自治体から「この地域で居宅介護を利用したい方がいますが、受け入れできますか?」と問い合わせがあれば前向きに対応します。また、サービス担当者会議への参加依頼があればできる限り参加し、他の支援者と情報を共有しましょう。都合で出席できない場合でも、資料提出や電話連絡など何らかの形で支援チームに協力することが望ましいです。

2. サービス提供が難しいときの対応

事業を続けていると、人手が足りなかったり対応が難しいケースが出てくることがあります。例えば、希望する時間帯に派遣できるヘルパーがいない場合や、利用希望者が事業所の通常のサービス提供地域から外れている場合などです。こうしたとき、単に「うちでは対応できません」と断るだけでは、利用を申し込んだ方(利用申込者)は行き場を失ってしまいます。

そこで、基準では、「正当な理由」により自事業所でその方にサービスを提供することが難しい場合、速やかに他の適切な事業所を紹介するなどの措置を取らなければならないと定められています。つまり、サービスを断らざるを得ないときは、代わりに「この事業所なら対応できるかもしれません」といった別の受け皿を早急に案内することが事業者の責務なのです。

具体例として、居宅介護の利用希望があったものの自事業所では対応が難しい場合、近隣の他の居宅介護事業所や重度訪問介護事業所を探して紹介したり、自治体の障害福祉担当者や相談支援専門員に連絡して他の選択肢を検討してもらうなどの対応が考えられます。単に断らず、代替策の案内まで行うことが事業者の大切な役割です。

3. 利用者の受給資格を確認すること

障害福祉サービス(居宅介護など)は、市町村から利用の支給決定(認定)を受けた人だけが公的給付を利用できます。その証明として受給者証(サービス内容などが記載された証明書)が発行されます。事業者はサービス開始前にこの受給者証を確認し、支給決定の有無・有効期限・利用できるサービス量などをチェックしなければなりません。受給者証には利用できるサービスの種類や期間、1か月あたりの支給量(利用可能時間数)などが書かれているため、これらの内容を必ず確かめましょう。もし受給者証を持っていない人から相談を受けた場合は、まず自治体に支給申請をしてもらう必要があります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 市町村や相談支援専門員からの連絡・会議の依頼には、利用者支援のためできる限り協力することが大切です。
  • サービス提供を断る際は他の事業所の紹介など代替措置を速やかに行うことが事業者の責任です。
  • サービス開始前には必ず利用者の受給者証を確認し、支給決定の内容(期間・量など)を把握することが求められます。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。