指定療養介護の契約支給量とサービス提供記録をやさしく解説(基準第53条・第53条の2)
記事の概要:
厚生労働省が定めた障害福祉サービスの基準第53条および第53条の2では、指定療養介護を提供する事業者が行うべき大切な手続きが決められています。簡単に言うと、第53条は「サービス利用契約の内容を記録・報告すること」、第53条の2は「サービス提供ごとの記録を残し、利用者に確認してもらうこと」についてのルールです。本記事では、これらの決まりをシンプルにやさしく説明します。
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第53条:契約支給量の記載と報告
第53条は、指定療養介護事業者(サービスを提供する事業者)がサービス利用者との契約内容をきちんと記録し、関係機関へ報告することを定めたルールです。具体的には、利用者が入院するとき(新しくサービスを開始するとき)や退院するとき(サービスを終了するとき)に、以下の事項を利用者の受給者証(サービスを受けるための証明書)に書き込みます。また、それを書いたらすみやかに市町村に報告します。
- 事業者と事業所の名前:サービスを提供する会社・施設の名前です。
- サービスの内容:ここでは「指定療養介護」というサービス名を書きます。
- 契約支給量:1か月に提供するサービスの日数です。契約支給量とは、契約によって決まった1か月あたりのサービス提供予定日数のことです。
- 契約日:契約を結んだ日付です。
- サービス提供の終了日(該当する場合):契約したサービス提供が終わった日付です。もし月の途中で契約が終了した場合は、その月に実際提供した日数も記録します。
これらを書くことで、「この利用者にはどのくらいサービスを提供する予定か」を関係者全員が把握できます。記録したあとは、市町村(障害福祉サービスを管轄する自治体)に対して契約支給量などを書いた内容を報告する決まりです。報告はできるだけ早く行い、自治体にも利用者のサービス利用予定を共有します。
第53条の2:サービス提供記録と利用者確認
第53条の2は、サービスを提供するごとにサービス提供記録(サービスの内容を記録したもの)を作成し、それを利用者に確認してもらうルールです。ポイントは2つあります。
- サービス提供記録の作成:事業者は、指定療養介護のサービスを提供するたびに、その日の提供日(いつサービスを行ったか)、具体的なサービス内容(何をしたか)、利用者負担額(利用者が支払う金額)など、利用者に伝えるべき大事な事項を記録します。これによって、利用者も事業者も「どれだけサービスを使ったか」「どんなサービスを受けたか」をその時点で確認できます。なお、記録のしかたは柔軟で、毎回すぐ書くのが難しい場合は、後からまとめて記録しても問題ないとされています(※後日まとめて記録する場合でも、正確に記録することが大前提です)。
- 利用者の確認:上記のサービス提供記録について、利用者(サービスを受けた本人)の確認を得る必要があります。つまり、事業者が作成した記録が正しいことを、利用者にもチェックしてもらう決まりです。通常は、サービス提供記録に利用者のサインや押印をもらうなどの方法で確認します。利用者の確認を得ることで、「サービスを確かに提供した」という証拠になり、不正防止や手続きの適正さを保つことができます。
このように日々の記録と確認を積み重ねていけば、事業者側も利用者側も安心してサービスを利用し、提供できます。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- サービス利用の開始・終了時の手続き:利用者が新しくサービスを利用開始する時や終了する時は、受給者証に契約内容(契約支給量など)を記入し、市町村へ早めに報告しましょう。これはサービス提供の前提となる大切な手続きです。
- 契約支給量の把握:契約支給量とは1か月に提供できるサービス日数の上限です。契約時に利用者としっかり確認し、この日数を超えないよう運営しましょう。
- サービス提供記録の徹底:毎日のサービス提供記録を忘れずに。提供日・内容・利用者負担額などを正確に記録することで、サービスの利用状況をいつでも説明できるようにしておきます。
- 利用者確認の徹底:サービス提供記録には必ず利用者の確認(署名や押印)をもらいましょう。利用者確認があることで、記録の信頼性が高まり、後日のトラブル防止にもつながります。
- 記録の保管:作成した記録や受給者証への記載内容は、あとで行政から確認されることもあります。適切に保管し、必要に応じて提出できるように準備しておくことも重要です。
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