指定療養介護の勤務体制基準(基準第68条)をやさしく解説
記事の概要:
「勤務体制の確保等(基準第68条)」は、障害福祉サービス指定療養介護における職員の配置や働き方のルールです。簡単に言えば、「利用者に適切なサービスを提供するために、事業所はどんな勤務体制(シフトやスタッフ教育など)を整えるべきか」という内容です。
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指定療養介護における「勤務体制の確保」4つのポイント
指定療養介護とは、医療的ケアが必要な重度障害者の方に、生活支援(介護)と看護などを一体的に提供する入所サービスです。このサービスを提供する事業所が守るべき「勤務体制の確保」に関する基準第68条の中身を、4つのポイントに分けて説明します。
1. 月ごとの勤務表を作成すること(第68条第1項)
事業所ごとに毎月の職員勤務表(シフト表)を作成し、各職員の日々の勤務時間や役割を明確に定めます。例えば、常勤(フルタイム)か非常勤(パート)か、管理者が介護スタッフ等を兼任しているかどうかなど、誰がいつ働くか一目でわかるようにします。また、事業所が複数のユニットやフロアに分かれている場合は、ユニットごとにシフトを作成しましょう。
2. 直接支援でない業務は外部委託OK(第68条第2項)
利用者への直接の介助やケアは自社職員が行うのが原則です。しかし、調理や洗濯、清掃など利用者へのサービス提供に直接影響しない間接業務は、外部の会社に委託(アウトソーシング)することが認められています。例えば食事の調理、衣類やシーツの洗濯、施設内の清掃などは外部業者に任せられます。ただし、委託する場合もサービスの質に影響が出ないよう、委託先との十分な連携と指示が必要です。
3. 職員研修の機会を計画的に確保する(第68条第3項)
職員のスキルアップのため、研修の機会を計画的に設けることも求められています。例えば、外部の研修会に職員を参加させたり、事業所内で定期勉強会を開いたりといった取り組みが考えられます。スケジュールを調整して職員が研修に参加できるようにしましょう。研修で新しい知識や技術を学ぶことは、サービスの質向上につながります。
4. ハラスメント防止の措置を講じる(第68条第4項)
職場でのセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)やパワーハラスメント(職場でのいじめ・嫌がらせ)を防止するため、事業者は適切な措置を講じる義務があります。これに伴い、この基準でも職場でのハラスメント防止策を整えることが求められています。具体的には、就業規則にハラスメント禁止を明記して職員に周知する、ハラスメント防止の研修を定期実施する、相談窓口を設置する、といった対策が考えられます。特に利用者やその家族から職員へのハラスメントにも対応できるよう注意しましょう。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 勤務表で職員配置を見える化: 毎月、職員の勤務シフトを作成し、勤務時間や役割(常勤/非常勤、管理者兼務など)を明確にしておく。
- 間接業務は外部委託も活用: 介助など直接支援以外の業務(調理・洗濯・清掃等)は外部委託を検討。ただし委託先とも連携し、サービス品質を保つ。
- 計画的な人材育成: 職員が定期的に研修に参加できるよう勤務調整を行う。継続的な研修でサービスの質向上とスタッフ定着を図る。
- ハラスメント防止策の徹底: ハラスメント防止の体制(ルール整備、研修、相談窓口など)を整え、安心して働ける職場環境づくりに努める。
【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。
